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2万ドルを目指すビットコイン価格の展望

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update 2021.08.31 15:26
2万ドルを目指すビットコイン価格の展望

update 2021.08.31 15:26

テクニカル指標は上げ相場の様相を示す

1万ドルを突破したビットコイン(BTC/USD)は多くの投資家の関心を集めている中、複数のテクニカル指標が強気のシグナルを発しており、その価格が2万ドルに到達する可能性がみられている。

値動きのモメンタムを表すMACD(移動平均収束拡散法)を参照すると、短期(12か月)の指数平滑移動平均線が長期(26か月)を上抜き、強い上げトレンドの発生を示していることがうかがえる。MACDはひとつの先行指標となっており、2017年12月にビットコイン価格が最高値の2万ドル付近に達した後、MACDが弱気なクロスオーバーを見せた際には長い調整期間に突入する結果に結びついた。下落が続いたビットコイン価格は、最終的には2018年末に最安値の3,150ドルまで下落したが、1か月チャートでMACDに強気のクロスオーバーが発生した2019年初旬からは反対に225%の伸びを記録している。

この新しい強気トレンドの発生は、ビットコイン価格が1万ドルに到達する要因になると同時に、1週間チャートのTDシーケンシャルインディケーターが示す売りのシグナルを否定することになる。価格の方向性を捉えるTDシーケンシャルインディケーターは、これまで揺り戻しの発生を表す動きを見せていたが、強気一辺倒な相場でそれが現実になることはなかった。しかしながら、ビットコイン価格が7週間の移動平均線を割ることがあれば、一気に上昇した価格が調整に入る可能性もあると言えるだろう。

押し目を判断するフィボナッチ比率を見ると、61.8%の比率線付近で揺り戻しが発生する恐れがあるが、38.2%の比率線が強力な支持線として価格を下支えしていることも読み取れる。ビットコイン価格が1万1,500ドル前後にある50%の比率線を突破した場合、次に61.8%の比率線にある1万3,500ドルラインを目指すと予想できるが、そのためには買い勢力の拡大が必要だといえよう。多くのトレーダーが50%の比率線を利益確定の目安にしていることから、売り優勢となれば38.2%の比率線がある9,600ドル、その下の8,300ドルラインまで価格が下落する展開もあり得る。

リサーチ企業のFundstrat GlobalでCEOを務めるThomas Lee氏によると、現在、ビットコイン相場は2017年と同様にFOMO(機会を逃すことを嫌う投資家心理)が発生するフェーズに突入しており、新しい高値を記録する可能性は十分にあるという。[1]強気相場に突入したことでビットコインは、多くの関心を集め、価格も2万ドルに到達することが現実味を帯びてきている。いくつかの指標は揺り戻しがあることを示しているものの、BinanceのCEOであるChangpeng Zhao氏が報告したように、同取引所のショートポジションがここ数週間でほぼ解消されたとの事実は全く逆のことを指しており、今後のビットコイン価格の展開には注目していきたい。

release date 2019.06.24

出典元:

ニュースコメント

SNSによって強まるFOMOの影響力

特に一般投資家が参入するような投資市場では、以前からFOMOの影響が確認されており、取引高の上昇や価格変動の要因となっていることがわかっている。例えば、時価総額が低く、価格操作が比較的容易な仕手株などでは、投機筋やインフルエンサーが大衆を煽ることで価格が急激に上昇するパターンが日常的に観測されているのが現状だ。それに加えて近年では、Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)などのSNSによって、投資家に働きかけるFOMOは効果を増し、仮想通貨市場では無視できないほど大きな価格決定要素となっているようだ。現に2017年の仮想通貨価格の高騰は、仮想通貨ブームに食いついた個人投資家が誘導したと言われており、今回のような節目や注目を浴びるタイミングではその影響を考慮せざるを得ない。しかしながら、現在の仮想通貨市場は機関投資家の需要が拡大し、個人投資家の比率が相対的に減少しているが、どの程度FOMOによる価格の踏み上げが期待できるのか、今後もビットコインの値動きを注視していきたい。


Date

作成日

2019.06.25

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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