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イランで仮想通貨マイニングによる電力消費が問題に

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update 2021.08.31 15:30
イランで仮想通貨マイニングによる電力消費が問題に

update 2021.08.31 15:30

政府はマイニング事業への規制監督を強める方針

近年、仮想通貨マイニングにかかるコストの増加が問題となっているが、イランをはじめとする電力コストが安価な国にそのしわ寄せがきていることが明らかになった。[1]

現在、ビットコイン(Bitcoin)のマイニングによって全世界で約2,300万トンもの二酸化炭素が発生していることがわかっており、世界の主要都市やスリランカのような規模の発展途上国の排出量に匹敵する水準にまで増加しているという。特に安い電力を求めて多くのマイニング事業者が移転してきているイランではその傾向が顕著に表れており、今年6月の電力消費量はマイニング活動によって1カ月で7%も上昇し、国内の安定的な電力供給の妨げになっている状況だ。

ある調査によると、AntMiner S9やAvalon6といったマイニングソフトを使用すれば、イランでは1BTCあたり3,200ドル程度で採掘することも可能だというが、当局は新しい電力価格を協議する間、マイニング事業者への電力供給を停止することを決定した。これまでイラン政府は約10億ドルの補助金を投入し需要過多の中で電力価格の維持を試みていたが、このような政策を継続することは難しいと判断したのだろう。

イラン議会の経済委員会で委員長を務めるElyas Hazrati氏は仮想通貨分野を正式な産業として取り込む意向を示しているが、この電力問題を受けて、イラン政府はマイニング事業への規制監督を強化する方針を固めたとのことだ。仮想通貨産業は税収面で国家に貢献することが予想されるが、イラン政府は健全な市場環境を構築することができるのか、今後も同国の取り組みには注目していきたい。

release date 2019.07.30

出典元:

ニュースコメント

マイニング事業を承認も仮想通貨取引は禁止

米国の経済制裁を受けるイランではSWIFTの利用が禁止されたことで仮想通貨に対する需要が爆発的に伸びており、昨年9月にはイランでビットコインが高騰してプレミア価格で取引されるようになった。これに続いてイラン政府は仮想通貨マイニングを正式な産業として認め、国内の仮想通貨市場の発展を促す動きを見せたが、一方でイラン中央銀行は仮想通貨取引が違法であると明言している。このイラン中央銀行【以下、CBIと称す】による発言には、仮想通貨関連の詐欺やマネーロンダリング防止(AML)の観点から国民にリスクを喚起する目的があったものの、定まらない政府の方向性を露呈して混乱を招いたのも事実だ。実際にCBI総裁は今年7月にビットコインを自国経済のために利用すべきだとコメントしており、インフレが進行する自国通貨の代替として仮想通貨に期待をかけていることを仄めかしている。イラン政府の仮想通貨に対する態度は徐々に軟化しているようだが、最終的にどのような政策をとるのか、同国市場における今後の展開に期待したい。


Date

作成日

2019.07.30

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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