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米最高裁、NYAGのテザーに関する調査執行を一時差止

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update 2021.08.31 15:30
米最高裁、NYAGのテザーに関する調査執行を一時差止

update 2021.08.31 15:30

判断に時間が必要だとして差止命令を延長

ニューヨーク州司法長官(The New York Attorney General)【以下、NYAGと称す】は仮想通貨取引所であるBitfinex【以下、ビットフィネックスと称す】とステーブルコインを発行するTether Limited【以下、テザー社と称す】に対し、テザー(Tether)の準備金に関する文書の提出、または立ち入り検査を受け入れるよう求めていたが、先日開催された公聴会の結果、最高裁判所が最終的な判決を先延ばしにしたことが明らかになった。[1]

ビットフィネックスが損失補填を行うために不安定通貨と揶揄されるテザーの準備金を利用していることが発覚した今年4月以降、NYAGはこの件に関しての調査権限を執行する意思があることを示しているが、ビットフィネックスおよびテザー社側の異議申し立てがあり、最高裁判所から調査に対する差止命令が出ていたという。今月29日、ニューヨーク最高裁判所のJoel M. Cohen裁判官は最終的な判決を下すには時間が必要だということから、この差止命令を延長することを決定した。

Cohen氏は、この差止命令の延期を決定した理由に関して次のように説明している。

この訴えを破棄すると考えた場合、差止命令の延長はなかったと言えるでしょう。最終的な判断を下すまで差止命令を延長し、現状維持を図るのが狙いです。

Joel M. Cohen, Judge at New York Supreme Court - CoinDeskより引用

最高裁判所は差止命令を90日間延長すると同時に、テザー社からビットフィネックスへの今後の資金提供を禁止しているが、その期間中、両社は通常通りの営業を継続するようだ。ビットフィネックスはある決済業者による8億5,000万ドルの損失を補填するためにテザーの準備金に手をつけたと言われており、内部にはこのローンの実態を示す書類が存在すると推測されている。テザー社はビットフィネックスに対する信用与信枠を900万ドルに拡大し、資金提供を行っているが、この取引はあくまでも両社の独立した判断であることを強調した。

NYAGは両社の動きがニューヨーク州内の住人に対しても悪影響を及ぼすとの議論を展開しているものの、ビットフィネックスとテザー社の弁護士は当局が介入する権限はないと反論している状況だ。これに対してNYAGは、ニューヨーク州を拠点にする仮想通貨関連企業のGalaxy Digitalが2019年初旬からビットフィネックスのサービスを利用していることを指摘し、この問題に無関係ではないことを示した。ビットフィネックスの顧問弁護士は、同社の事業が実際にはニューヨーク州を拠点としていないことから、Galaxy Digitalとの契約がECPs(Eligible Contract Participants)に該当するため、当局に管轄権はないと発言しているが、裁判所はどのような判断を下すのか、今後の展開を見守っていきたい。

release date 2019.07.30

出典元:

ニュースコメント

裁判結果に仮想通貨市場の注目が集まる

今月のビットコイン価格は短期的な下げトレンドを形成しており、一時は重要な支持線となっている9,000ドルを割り込む動きを見せるなど、今年初めから続く仮想通貨市場の好調を疑わざるを得ない状況に陥っている。月末にかけては、ビットフィネックスに対する公聴会の結果が注目のイベントとなっていたが、明確な材料は出てこず、ビットコイン価格も強い方向性を示せずにレンジ相場の様相を呈しているようだ。ビットフィネックスおよびテザー社が運営の健全性を示すことができれば、Facebookの独自仮想通貨、リブラを初めとするステーブルコインの流通拡大や仮想通貨市場全体にとっても大きなプラスとなる可能性があるものの、今の所、NYAGの追及に逃げ惑っている印象が強い。過去にテザー社は準備金に関する調査文書を公開したが、その内容は極めて信ぴょう性に欠けるもので、仮想通貨コミュニティの疑念を強める結果に終わった。今回、当局の介入により疑惑の真相が明らかになる可能性があるだけに、今後、NYAGの動きには大いに期待したい。


Date

作成日

2019.07.30

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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