Select Language

イラン中央銀行、仮想通貨取引が違法であることを明言

イラン中央銀行、仮想通貨取引が違法であることを明言

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:26
イラン中央銀行、仮想通貨取引が違法であることを明言

update 2021.08.31 15:26

価格変動リスクや階層詐欺に注意するよう国民に警告

イラン・イスラム共和国中央銀行【以下、CBIと称す】の技術部門で副責任者を務めるNasser Hakimi氏は、国内でのビットコイン(Bitcoin)などの仮想通貨取引が違法であると明言し、それにまつわる価格変動や階層詐欺などのリスクについて警告している。[1]

Hakimi氏はマネーロンダリング防止最高評議会(Supreme Council on Countering Money Laundering)が仮想通貨取引を禁止していることについて言及すると同時に、国民に対して高いリスクが伴う仮想通貨には関わるべきではないことを助言している。以前からCBIは仮想通貨規制の草案を公開しているが、この草案が仮想通貨市場を完全に規制するのではなく、むしろインドや中国のように違法な地下取引の増加を招く要因となり得ることが懸念されている。一方で、イラン国内では、既に自国通貨の為替レート切り下げの影響から、ビットコインを銀行機能の代替として利用する動きが加速しているという。

また最近、イランでは仮想通貨マイニングの活性化が電力供給を圧迫している状況から、違法性はないものの、当局はマイニング事業者に対する取り締まりを強化し始めている。石油燃料を利用した安価な電力コストが背景にあることに加え、イラン政府がマイニング事業を承認し産業化したことから、国内のマイニング事業が盛り上がりを見せているが、電力が無償で提供されるモスク内に設備を構える事業者が現れるなど、当局はその対応に手を焼いているようだ。加えて、今年に入り17か月ぶりにビットコイン価格は1万3,000ドルを超え高値を記録していることから、ネットワーク上のハッシュレートが記録的な高水準にまで達し、マイニング事業の拡大に拍車がかかっている。

反仮想通貨の姿勢を明確にしたイラン政府だが、ブロックチェーン技術の開発には積極的に取り組んでおり、現在も国内のスタートアップ企業と分散型台帳技術を基礎としたバンキングシステムを構築中だという。Bornaと名付けられたこのプロジェクトは、Linux Foundationが提供するオープンソースプログラムのHyperledger Fabricをベースに、国際送金を実現する金融インフラを開発し、国内の銀行や金融業界に進化を促すことを目的としている。あるアナリストによると、米国の圧力により、イランはSWIFTによる国際銀行間取引が禁止されており、その回避手段としてイラン政府が仮想通貨の利用を試みていると批判されているが、各国政府はこの動きをどのように見るのか、今後の展開に注目していきたい。

release date 2019.07.10

出典元:

ニュースコメント

再生可能エネルギーで持続可能なスキームを構築

仮想通貨マイニングにかかる電力消費量は年々拡大しており、2018年にはその値がスロベニアの1年分の電力消費に匹敵する水準にまで上昇するなど、世界規模の問題として認識され始めている。これを受けて仮想通貨業界では、膨大な計算処理が必要なPoW(プルーフ・オブ・ワーク)型のアルゴリズムから、電力効率が良いPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へ移行する流れが起きるなど、徐々に意識が変わってきていることがうかがえよう。加えて、仮想通貨プロジェクトを手がけるCoinSharesの報告書によると、仮想通貨マイニングに使用される電力の74%以上が再生可能エネルギーで代替されていることが明らかになっており、自然環境に負担をかけない電力供給スキームが実現しつつあるようだ。特にマイニング事業者が多く集まる中国の四川省では全体の50%にあたるハッシュレートを生み出しているにも関わらず、消費電力の90%以上が再生可能エネルギーで賄われているというから驚きだ。資源が豊富なイランでは、石油エネルギーによる発電に頼っているようだが、マイニング分野の発展を願うのであれば、中国のようにクリーンエネルギーへの転換が必要だと言えるだろう。


Date

作成日

2019.07.10

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

オオカミコイン(OKM)は怪しい?オオカミプロジェクトの特徴やSNSでの評判

オオカミコイン(OKM)は、オオカミカードを発行するオオカミプロジェクトの仮想通貨です。海外取引所のMEXCに上場していますが、SNS上では怪しいという声も見られます。本記事では、オオカミコインの特徴、SNSでの評判、怪しいポイントなどを紹介します。
update2025.04.11 19:00

またコピトレ詐欺か?WeekendFXにAmazingTick型の詐欺疑惑

WeekendFXのコピートレードに参加したユーザーが、「出金できなくなった」と次々に声を上げ始めています。AmazingTickの詐欺事例との類似点も多く、同じ手口のコピトレ詐欺なのではないかという疑惑が持ち上がっています。
update2025.06.23 19:00

Exnessの海外入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExnessで海外送金による銀行口座の凍結が発生している事例を取り上げていきます。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

ワールドコイン(WLD)の換金方法は?日本円に現金化する手順を解説

ワールドコイン(WLD)は、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏らが手掛ける仮想通貨プロジェクトです。登録したユーザーには、仮想通貨WLDが無料配布されます。当記事では、ワールドコインを日本円に換金する手順や、換金時の注意点などを解説します。
update2025.04.16 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

初めてのバックテストでも安心!MT5ストラテジーテスターの使い方ガイド

MT5のストラテジーテスターでは、バックテストによりEAのパフォーマンスを確認できます。バックテストの開始手順や注意点を解説します。
update2025.06.17 19:00

【速報】イラン・イスラエル停戦報道でビットコイン反発、一時10万6,000ドル突破

2025年6月23日、トランプ大統領がイラン・イスラエル間の停戦を自身のSNSで発表しました。これにより中東での地政学リスクが後退し、ビットコイン(BTC)の価格は一時10万6,000ドルまで急反発しました。
update2025.06.24 19:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

Exnessの出金遅延はなぜ起きた?オンラインカジノ規制の影響とは

海外FX業者のExnessでは、国内送金の遅延が度々問題になっており、決済代行会社に関連したトラブルと言われています。なぜオンラインカジノ規制が海外FXに波及したのか説明するほか、今後考えられる影響も解説します。
update2025.05.28 19:00

【スリトレ堂安氏の約3倍】本田圭佑×Titan FX、SNSフォロワー数379万の影響力は?

海外FX業者のTitan FXがサッカー選手の本田圭佑氏をグローバルアンバサダーに起用したことを発表しました。なぜTitan FXは「本田圭佑」を選んだのか、SNSの反応や業界の過去事例からその影響力を読み解きます。
update2025.06.09 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル