Select Language

バイナンス、バイナンスコインのバーン実施を発表

バイナンス、バイナンスコインのバーン実施を発表

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:30
バイナンス、バイナンスコインのバーン実施を発表

update 2021.08.31 15:30

取引所の発表を受けてトークン価格が急騰

世界最大の仮想通貨取引所であるBinance【以下、バイナンスと称す】は、独自に発行する取引所トークンであるバイナンスコイン(Binance Coin)のバーン(焼却処理)を行ったことを発表した。[1]

バイナンスによると、現在、2億通貨のバイナンスコインがICO(イニシャルコインオファリング)を通じて発行されており、同取引所はその40%にあたる8,000万通貨(約24億万ドル)を保有しているという。今回、バイナンスはその内の80万通貨(約2,380万ドル)をバーンしたことに加え、将来的に全体の供給量を半分の1億通貨まで制限することを発表した。なお、バイナンスコインは利益配当や投票の権利が付随し、さらにバイナンス独自のブロックチェーンプロトコルであるバイナンスチェーンが仮想通貨価格に影響することから株式のような性質を持つと言われているが、定期的なバーンの実施によって価値上昇に努めることを保有者に約束している点において、株式と異なっている。

バイナンスの方針に関してZhao氏は、同取引所のコミュニティ向けに行なったAMA(Ask Me Anything)のビデオセッションで以下のように発言した。

我社は保有するバイナンスコインを現金化せず、全てバーンする予定です。これがバイナンスのミッションであり、より多くの利益をコミュニティに還元することが、信頼につながると思っています。現段階ではバイナンスの収益性を求めるだけでなく、バイナンスコインの有用性を高め、多くの人々に利用してもらうことが最適だと言えるでしょう。

Changpeng Zhao, CEO of Binance - Binanceより引用

多くの仮想通貨プロジェクトと同様に、取引所が発行するトークンはその大部分が運営企業によって保有されており、バイナンスのようにバーンを実施することはコミュニティに対する公平性を保つ上で重要な要素になると言えよう。例えば、仮想通貨プロジェクトのリップル(Ripple)では、開発元のリップル社が19億ドル相当の55億XRP(リップルの通貨単位)を保有しており、2018年にその一部が市場で売却されたことで5億3,500万ドルの時価総額減少につながった。Zhao氏は取引所トークンを保有しなくとも、ユーザーへ対するインセンティブが最終的に取引所の利益につながると主張し、バイナンスコインの価値向上にコミットする姿勢を見せている。これにコミュニティもポジティブな反応を示しており、バーン完了の発表後、バイナンスコイン価格は29.02ドルから32.45ドルまで、11.8%上昇した。

バイナンスコインのバーンと同時に、バイナンスは同トークンを利用した取引手数料の25%割引を継続することを発表している。さらに今月11日には仮想通貨の証拠金取引プラットフォームを立ち上げ、既に1万人の登録者を獲得し、1,500万ドル相当の借入資金が利用されているという。加えて、Zhao氏は将来的にビットコイン(Bitcoin)とUSDの通貨ペアを対象とした先物取引サービスの開始について言及しており、バイナンスに対するコミュニティの期待は益々高まっているようだ。

release date 2019.07.15

出典元:

ニュースコメント

トレンド化する取引所トークンの発行

バイナンスのバイナンスコインに続き、競合の大手取引所は独自トークンを発行し、ユーザーにインセンティブを付与することで取引量の拡大や資金調達、コミュニティの活性化に役立てているようだ。特にバイナンスと同じく中国系資本を後ろ盾に持つHuobi(フォビ)のフォビトークン(Huobi Token)やOKExのOKBトークン(OKB Token)は時価総額で30位圏内に位置しており、バイナンスコインと並ぶ主要な取引所トークンである。これらの中国系三大取引所は中国国外に拠点を構えているが、今年4月に多数のブロックチェーン関連企業が中国政府機関から承認を得たことが追い風となり、今後当局からの承認を得て中国本土でサービスを開始することが期待されている。また、これらの取引所トークンは2018年以降、仮想通貨市場の復調もあって軒並み値を上げている状況だ。今年1月にデューカスコピーがビットスタンプとの提携に先駆けて独自トークンであるDukascoinを公表するなど、今後は多くの取引所で、大手取引所と同様に独自トークンの乱立と競争激化が予想されるが、バイナンスをはじめとした大手取引所の優勢を覆する力となるのか、仮想通貨市場の動向に注目していきたい。


Date

作成日

2019.07.15

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

メタマスク等の利用が規制対象に?金融庁がDEXの規制を議論

暗号資産WGでの議論を発端に、SNS上で「DEX利用が非合法化されるのでは?」といった投稿が話題になっています。本記事では、金融庁で議論されたDEX規制の現状や、SNSで広まる情報の真偽、海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.10.28 19:00

PayPayを使って海外FXとの入出金が可能に?Binance JapanとPayPayが提携を発表

Binance JapanとPayPayが業務提携を発表し、PayPayマネーを使った仮想通貨購入サービスの提供などが検討されています。本記事では、Binance JapanとPayPayの提携内容や、PayPayを使った海外FXとの入出金フローなどを解説します。
update2025.10.17 19:00

海外FXへの仮想通貨送金にはBybitがおすすめ!FXトレーダーに最適なBybitの使い方

海外FXの入出金によく使われる国内銀行送金が以前より使いにくくなっていることを受け、仮想通貨での入出金が注目を集めています。本記事では、仮想通貨送金をするならBybitがおすすめの理由や、海外FXユーザーに最適なBybitの使い方を紹介します。
update2025.08.29 20:00

Exnessでシステムエラーによる入出金の不具合が発生?SNSでも報告が相次ぐ

2025年10月、海外FX業者Exnessで入出金エラーが発生し、SNSでも不具合報告が相次ぎました。銀行振込やbitwalletで送金できない事例が確認されており、復旧後も不安の声が続いています。
update2025.10.16 19:00

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

話題のDCJPYとJPYCの違い|海外FXの入出金に使えるのは?

DCJPYというデジタル通貨が話題となっています。一方で、海外FXユーザーの間ではJPYCへの期待も高まっています。本記事では、DCJPYとJPYCの特徴や違いを比較し、海外FXトレーダーにとってどちらが送金手段の選択肢となるのかを解説します。
update2025.09.26 19:30

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル