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バイナンスチェーンが仮想通貨価格に影響を及ぼす

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update 2021.08.31 15:26
バイナンスチェーンが仮想通貨価格に影響を及ぼす

update 2021.08.31 15:26

かつてのコインベース効果に類似した構造

大手仮想通貨取引所のBinance【以下、バイナンスと称す】は、独自のブロックチェーンプロトコルであるバイナンスチェーン(Binance Chain)をローンチして以来、アルトコインなど仮想通貨価格に多大な影響を与えていることがわかった。

2018年の発表から、バイナンスチェーンは、業界で最も注目を集めるプロジェクトとなっており、今月18日には、初の案件となるミスリル(Mithril)の同ブロックチェーンへの移行が実施された。[1]これを受け、ミスリルのネイティブトークンであるMITHは、その価格を0.04ドルから0.08ドルまで約2倍も上昇させている。現在、MITHの価格は、安定に向かっているが、バイナンスチェーンへの移行による影響があったことは明白であり、この動きは過去に起きた「コインベース効果」と呼ばれる現象に類似しているという。

歴史的に最も保守的な取引所であったコインベースは、米国やグローバル市場で大きなシェアを獲得していたことに加え、厳しいリスティング基準を設けていることで知られていた。そのため、上場された仮想通貨は、規制やリスクの観点から高い水準にあると認識され、軒並みその価格が高騰する状態が続いた。このようなコインベース効果は、2018年にコインベースが仮想通貨ステラをリスティングした際まで継続したが、この時期をピークに現在では下火となっている。

米国当局が国内取引所への規制を課したことをきっかけに、バイナンスは、グローバル市場での支配を強めていき、バイナンスチェーンが、コインベースに代わる新たな規範として認識されるようになった。例えば、中国の資本市場と世界をつなぐインテリジェンスプラットフォームのレッドパルス(Red Pulse)は、最近、バイナンスチェーンとの統合を発表した直後、42%の驚異的な価格上昇を記録している。別の例では、バイナンスチェーンの採用を今月19日に発表したエンジン(Enjin)が、数時間でその時価総額を1億3,200万ドルから1億5,000万ドルまで上昇させた。加えて、今月18日、Atomic Wallet Coinも、同様の影響により、0.03ドルだった価格が0.15まで、5倍の急騰を見せたという。

これらいくつかの例は、バイナンスチェーンが、仮想通貨市場全体に影響をもたらすことを示しているが、市場がこの動きに順応するため、その効果は長くは続かないとの懐疑的な見方が強まっているようだ。

release date 2019.04.22

出典元:

ニュースコメント

バイナンスコインが過去最高値を記録

バイナンスチェーンのローンチ後、バイナンスの独自トークンであるバイナンスコイン(Binance Coin)は、過去最高となる2,800円台にまで価格を高騰させており、コミュニティは、色めき立っているようだ。もともとバイナンスコインは、経営の安定やユーザーロイヤルティ向上のために発行されたが、最近、新しい投資先としても注目され、時価総額では、仮想通貨市場全体の7位にランクインしている。配当金の付与やバーン(発行する仮想通貨の買い戻し)による間接的な利益の還元など、バイナンスの取引所事業における収益性に連動することから、バイナンスコインは、株式のような性質を持つと言われており、同社の動向にも敏感に反応してきた。今回、バイナンスコインの価格高騰は、バイナンスチェーンによる収益性向上が見込まれたため、発生したと考えられるが、新しい分散型取引所Binance DEXの立ち上げなどが控える今後も、期待通りの値動きを見せてくれるのだろうか。


Date

作成日

2019.04.22

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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