作成日
:2019.03.14
2021.08.31 15:27
大手仮想通貨取引所であるCoinbase, Inc.(本社:548 Market St #23008 San Francisco, CA94104
)【以下、コインベースと称す】は、同社が展開するトレーダー向けの取引プラットフォーム、コインベースプロにおいて、新しくステラ・ルーメン(XLM/USD)【以下、XLMと称す】の取り扱いを開始することを明らかにした。先月からコインベースは、より多くの仮想通貨をリスティングすると予告していたが、先日、TwitterでXLMと米ドルおよびユーロ、ビットコイン(Bitcoin)の取引ペアを追加したことを報告している。今の所、XLMの取り扱いは、同社のサービスでは、コインベースプロのみとなっており、Coinbase.comやモバイルアプリケーションからの取引には対応していないという。また、ニューヨーク州では州法による制限があるため、現時点でのXLMの取引サポートは見送られているようだ。
新しくリスティングした通貨の取引を開始する際、コインベースでは、ローンチ作業をいくつかのフェイズに分けて実施しており、今回はその最初の段階として取引口座への送金を3月14日13時からサポートするようだ。その後、入金のみ可能な状態が12時間続いた後、次の段階では限定的な注文が可能となり、その後、指値注文(リミットオーダー)のみが実行できる段階に移行する。最終的には、コインベース側で充分な流動性を確保できた時点で、成行注文(マーケットオーダー)と逆指値注文(ストップオーダー)を含む完全な取引サービスが利用可能となる。
2014年に開発がスタートしたブロックチェーンプロジェクトのステラは、銀行や決済システム、そして個人をつなぐ効率的な取引プラットフォームの構築を目的としている。XLMは、そのプラットフォーム上で媒介通貨として利用されており、ステラが掲げる構想の極めて重要な役割を担っているという。現在、XLMは、1通貨あたり0.108ドル程度で取引されているが、コインベースの報告を受け、過去24時間で3%の価格上昇を一時的に記録している。
release date 2019.03.14
仮想通貨を媒介とした国際間送金プラットフォームを開発するステラは、人気仮想通貨プロジェクトであるリップル(Ripple)のプロトコルを基に作られており、同じ様な特性を持っていることからしばしば比較対象とされる。しかしながら、その開発理念には大きな違いがあり、リップルが銀行や決済業者、その他金融機関によるネットワーク構築を目指すのに対して、ステラは、東南アジアやアフリカ、南米など後進国地域での個人によるマイクロペイメントを想定した開発が進められているという。時価総額では、1兆円を超えるリップルに分があるようだが、個人による送金市場の規模は巨大で、ステラのプロジェクトが抱えるポテンシャルの大きさは計り知れないものがある。例えば、メッセンジャーアプリケーションを利用した個人間送金システムを開発するFacebookは、2021年までに仮想通貨事業から最大190億ドルの売上を得ると予想されている。現時点では、各国の規制や仮想通貨価格のボラティリティの高さが、普及を目指すステラの障害となっているようだが、今後、仮想通貨の利用が一般化すれば、個人送金市場のメインプレーヤーとなる可能性は高いと言えるだろう。
作成日
:2019.03.14
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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