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INTL、CoinInvestとEuropean Precious Metal Tradingの買収を計画

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update 2021.08.31 15:27
INTL、CoinInvestとEuropean Precious Metal Tradingの買収を計画

update 2021.08.31 15:27

貴金属商品の全ての工程でソリューション提供を模索

米国にて幅広い金融事業を展開しているINTL FCStone Inc(本社:708 Third Avenue, 15th Floor New York, NY 10017[1])【以下、INTLと称す】は3月13日、オランダ子会社のINTL Netherlands B.V.が金や銀、プラチナといった貴金属商品のオンラインプロバイダーであるCoinInvest GmbH(本社:Neue Rothofstr. 13-19 60313 Frankfurt am Main Germany[2])【以下、CoinInvestと称す】とCoinInvestのベンダー(製造元、販売供給元)でもあるEuropean Precious Metal Trading GmbH【以下、EPMTと称す】の買収に向けた株式譲渡契約書(Sale and Purchase Agreement, SPA)を締結したことを発表した。

INTLオランダ子会社によるこの度の買収は、株式譲渡手続きが完了する予定の2019年4月初頭に行われる見通しだという。INTLの貴金属部門は、卸業者やトレーダー、精製業者、精錬業者、政府機関、銀行、金融業者などの顧客に対し、貴金属のトレーディング機能を提供しているほか、ロンドンやシンガポール、上海、ドバイオフィスを通じグローバルベースで金属市場へのアクセスも可能としている。一方CoinInvestとEPMTはそれぞれcoininvest.comとsilver-to-go.comサイトを通じ、金融仲介業者や個人投資家、そして機関投資家に至る幅広い顧客層に貴金属商品を提供しており、今回のINTLの買収が完了することで、今後は高いシナジー効果が発揮されることが期待されよう。

CoinInvestとEPMTの買収に際し、INTLの金属部門グローバルヘッドを務めるBarry Canham氏は以下のようにコメントしている。

正式にCoinInvestとEPMTの買収が完了すれば、我が社がグローバルに提供する商品ラインナップは格段に拡充するでしょう。そして我々のお客様にとっても、様々なチャネルを通じ、お客様の望む取引単位(量)で金やその他の貴金属の現物を購入することが期待できます。今後も貴金属市場の発展に貢献すべく、我が社の基盤となるビジネスモデルである投資とテクノロジーの開発に注力する意向であります。またこの度の買収により、採掘から個人投資家のお客様への貴金属商品の製造・流通・販売の全ての工程において、高付加価値なソリューションを提供する独自性あるグローバル企業として地位を確立するという、長期的な目標の達成にまた一歩近づいたと考えております。

Barry Canham, Global Head of INTL FCStone's Metals Division - INTL FCstoneより引用

また2018年12月、INTLはGMP Securities LLCを買収する契約を締結していたが、この度監督当局より買収の承認が下りたとのことである。更にINTLはプライムブローカレッジの人員拡充も積極化しており、まさに投資とテクノロジーを武器に金融コングロマリット(複合企業)としての総合力を発揮したサービス展開が図られそうだ。

release date 2019.03.14

出典元:

ニュースコメント

個人でも気軽に購入可能な現物貴金属の世界

Titan FXやXMといった日本でも名の通った海外FXブローカーでも、ゴールド、シルバー、プラチナ、パラジウムといった貴金属のCFD取引が可能であるが、これらは差金決済のため、トレーダーが実際に現物の貴金属を手にすることはない。しかし、今回INTLが買収を計画する二社は現物の貴金属商品を販売しており、彼らが運営するサイトへアクセスすれば、個人でも商品を購入することができる。サイトの説明によれば、製造元と直接かつ大量に取引することで、貴金属商品を低価格で提供することが可能とのこと。試しに日本国内でも販売される1トロイオンスのメイプルリーフ金貨の販売価格を調べたところ、国内正規代理店の価格より日本円換算で3万円程安い価格で販売されていた。実際にはこれに送料や通関コスト等がかかってくるため、国内購入と比較して単純に安いという話ではないが、貴金属現物を購入する際には有力な選択肢の一つとなるのではないだろうか。ビットコインのような仮想通貨に比べると古典的な話題となるが、今月、ビットゴールドが仮想通貨保管サービスから撤退し、貴金属分野に重点投資する方針を発表する等、比較的価格が安定している貴金属は時代に左右されない存在感があるのも事実である。また、分散投資の観点から言えば、資産ポートフォリオに現物資産を少量含ませるのも悪くない選択肢でもあり、これまで現物になじみのなかった読者の方も、これを機に購入を検討されてはいかがだろうか。


Date

作成日

2019.03.14

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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