作成日
:2019.01.25
2021.08.31 15:27
今月22日、韓国のSamsung Electronics Co., Ltd.(本社:129 Samsung-Ro, Maetan-3dong, Yeongtong-gu, Suwon-si, Gyeonggi-do, Korea
)【以下、サムスンと称す】が開発を進める新型スマートフォン、Galaxy S10にイーサリアム(Ethereum)などの仮想通貨に対応するウォレットアプリケーションが初めて搭載されるという情報がTwitter上でリークされた。以前からサムスンは、仮想通貨関連のアプリケーション開発に着手していることが噂されていたが、先月、同社がコールドストレージの仮想通貨ウォレットに関する特許権を出願したことから、Samsung Blockchain KeyStoreと呼ばれる専用アプリケーションを開発していることが明るみに出た。Samsung Blockchain KeyStoreは、生体認証などのセキュリティシステムで秘密鍵を保管するためのアプリケーションで、仮想通貨のトランザクションを承認したり、対応するウォレットサービスの口座情報や履歴を管理する機能を備えているという。
リークされた情報によると、このSamsung Blockchain KeyStoreが、サムスンの次期フラッグシップモデルであるGalaxy S10に搭載されることが計画されており、あるメディアが公開した画像では、このアプリケーションが同端末の上で動作している様子が確認できる。Samsung Blockchain KeyStoreのウェルカム画面を示した画像からは、イーサリアムがサポートされていることのみしか読み取れないが、ビットコイン(Bitcoin)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、その他イーサリアムのブロックチェーンを基礎としたERC-20トークンにも対応することが予測されている。このリーク情報に関して、サムスンからの正式な確認は取れていないが、競合のApple Inc.【以下、Appleと称す】のiPhoneとの戦いに勝利するため、率先して新しいアイディアを取り込んできたサムスンだけに、仮想通貨やブロックチェーンなどの先進テクノロジーを駆使したアプリケーションがGalaxy S10の目玉機能として開発が進められていたとしても驚きはなく、リーク情報が真実である可能性も否定できない。
ここ10年間で競争が激化しているスマートフォン市場は、現在、最も注目が集まる市場のひとつとなっており、Appleとサムスン、それを追従する中国のXiaomiなどがシェアを奪い合う形で次々と新型スマートフォンを投入している。サムスンが開発した初期モデルのGalaxy Sは、およそ9年前の2010年6月に発売されたもので、当初、サムスンのスマートフォンの出荷台数は2,200万台に達する程度であったが、それが2013年の第2四半期には7,000万台までに増加して、年間出荷台数はおよそ3億台を記録しており、着実に出荷台数を伸ばしている。2010年直近の6年間では、累計20億台を市場に供給したと言われており、市場での強い存在感を示している。
オルタナティブな資産クラスに分類される仮想通貨は、以前のインターネットのように新興テクノロジーとして認識されているため、普及にはある程度の時間が必要になる可能性がある。しかしながら、今回のサムスンによるスマートフォンへのウォレットアプリケーション実装の動きは、数百万規模のサムスンユーザーを中心に仮想通貨の普及を加速する効果があると予測されている。今回のサムスンに関するリーク情報が本当だとすれば、仮想通貨業界にとっては願ってもいない朗報となるだろう。
release date 2019.01.25
モバイル端末上で秘密鍵を管理する仮想通貨ウォレットは、モバイルウォレットなどと呼ばれており、仮想通貨決済に対応している小売店やレストラン、ホテルなどの支払いなどにも利用できるという利点がある。また、仮想通貨取引所Zaifのハッキング被害や、日本の大手仮想通貨取引所であるコインチェックがハッキングにより5億2300万XEMを不正流出した事件など、顧客資産の不正流出被害が度々報道されている取引所のウォレットやウェブウォレットサービスなどと比較すると、個人のモバイルウォレットは、ハッキングのターゲットにされにくいということもあり、高い安全性を維持することが可能だ。現在では、Google PlayストアやAppストアに多くのモバイルウォレットアプリケーションが提供されており、ユーザーが気軽に利用できる環境も整っているが、少なからず懸念点が存在するのも事実である。例えば、昨年11月、あるマルウェア研究者は、Google Playストアに詐欺ウォレットが公開されていることを報告している。その点、専用アプリケーションのSamsung Blockchain KeyStoreは、こういった類の問題とは無縁で、サムスンユーザーに親和性の高いユーザーエクスペリエンスを提供してくれることが期待される。
作成日
:2019.01.25
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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