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仮想通貨取引所Zaif、約67億円相当のハッキング被害

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update 2021.08.31 15:22
仮想通貨取引所Zaif、約67億円相当のハッキング被害

update 2021.08.31 15:22

ビットコインを含む一部の仮想通貨が不正流出

仮想通貨取引所Zaif(ザイフ)を運営しているテックビューロ株式会社(本社:大阪市西区靱本町1-5-18ミフネ本町ビル10F[1])【以下、テックビューロと称す】は、ハッキング被害により、仮想通貨の入出金を停止したことを明らかにした。

9月20日にテックビューロのサイトに掲載された報告書によると、不正アクセスがあったのは、2018年9月14日の17時頃から19時頃までの間で、不正アクセスにより、入出金用ホットウォレットの一部がハッキング被害を受け、管理していた仮想通貨の一部が不正流出したようである。この時に盗難された仮想通貨は、ビットコインが5966BTC(42億円相当)で、ビットコインキャッシュ(BCH)とモナ(MONA)については現在調査中であるものの、今回のハッキングでの被害総額は約67億円相当(BCH、MONAを含む)と推定され、その内、顧客の預かり資産が約45億円、テックビューロの固有資産が約22億円とされている。一方、不正アクセスやハッキングの手口などの詳細については、警察捜査の関係上、公表は差し控えるとしている。

テックビューロは、今回のハッキング事件に伴う対応として、JASDAQ上場企業である株式会社フィスコ(本社:東京都港区南青山五丁目4番30号[2])【以下、フィスコと称す】のグループ企業である株式会社フィスコデジタルアセットグループの子会社を通じて、50億円の金融支援を受ける契約を締結し、今月下旬での資金提供を前提とした上で準備・交渉を進めていることを明らかにしている。テックビューロは、フィスコから提供される資金により、消失した仮想通貨を調達し、顧客の資産に被害が及ばないよう対応を行う予定であるとしている。また、同じくJASDAQ上場企業である株式会社カイカ(本社:東京都目黒区大橋一丁目5番1号 クロスエアタワー8階 [3])とは、セキュリティ向上のための技術提供を内容とする契約を締結し、一刻も早い入出金の再開に向けてシステムの再構築に努めることも報告している。尚、仮想通貨の入出金の再開時期については、システムの安全性が確認され次第としているが、具体的な年月日については公言できないとしている。

また、テックビューロの経営陣は、この度のハッキング被害に伴い、顧客資産が消失するに至ったことを重大に受け止め、株式の過半数を取得することになるフィスコグループの経営陣に経営権を委ね、役員を退任する方針であることも明らかにしている。

日本では、コインチェックのハッキング事件が記憶に新しいが、コインチェック同様、警察当局による詳しい捜査や金融庁による立ち入り検査及び行政処分の発令などが行われることが予想される。今後の最新情報に注意していきたい。

release date 2018.9.20

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨市場の参入を狙っている企業にとっては、取引所のハッキングは大チャンス

日本では、2014年に起こったマウントゴックス事件が国内では最初の仮想通貨取引所のハッキング被害になるが、今年1月には大手取引所であるコインチェックが600億円にのぼるハッキング被害にあい、仮想通貨市場を震撼させた。大規模なハッキング被害にあい、金融庁からも厳しい業務改善命令を受けたコインチェックは支援先を募い、それに応えたのがマネックスグループであった。マネックスグループとコインチェックは買収案に関し36億円で合意に達し、コインチェックはマネックスグループの完全子会社となった。この買収は表向きには顧客保護の観点から、適正な経営体制を確保することが目的であることが発表されたが、仮想通貨業界への参入を模索していたマネックスと、金融市場の経験が豊富で且つ、資金力のある会社からの全面的な支援を受けられることで、コインチェックとマネックスの双方にメリットがあったことが伺える。今回のZaifハッキング事件においても、すでに金融情報配信会社であるフィスコがテックビューロの株式の過半数を取得し、テックビューロの経営陣の退任を含めた契約に合意している。これを受けて、仮想通貨市場への参入による事業拡大への期待から、フィスコの株は大幅に上昇しているようだ。 マネックスグループやフィスコのように、大手企業は、仮想通貨関連サービスを提供する企業への資本参加等により、仮想通貨業界へ参入するタイミングを狙っているようだ。その中でIT業界の大手企業であるヤフーも、まもなく仮想通貨業界に本格的に参入する予定であることも明らかにされており、仮想通貨業界が今後どのような発展を遂げていくのか、非常に楽しみである。


Date

作成日

2018.09.20

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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