作成日
:2018.09.19
2021.08.31 15:22
ブローカー向けのソリューション開発を提供しているBrokeree(本社:Tornimae, 5 , Tallinn, Estonia
)は、オンラインゲーム業界と金融業界のビッグカンパニーであるPlaytech(本社:10 Jamestown Road, London NW1 7BY )の金融部門であるTradeTech Alpha(本社:1st Floor Broadgate Tower, 20 Primrose Street, London, EC2A eEW, United Kingdom )と統合したことを発表した。これにより、TradeTech Alphaの顧客であるブローカーは業界最大手の企業であるBrokereeから高い流動性の供給を確保することが可能となる。この度の統合により、Brokeree はTradeTech Alphaにリクイディティプロバイダー(LP、流動性の供給業者)を集約する機能などを持つリクイディティブリッジの提供を行うとみられる。 Brokereeが提供するソリューション技術により、機関投資家は流動性を確保できるだけでなくリスクマネジメント商品へのアクセスも可能となる。リクイディティブリッジは先進的なリスクマネジメントモデュールであり、自動でリクイディティを取得するとともに、多様なMT4、MT5サーバーを1つのゲートウェイで一元管理することで全てのパラメータを設定することができる。
一方、TradeTech Alphaは、Brokereeの顧客に対しFXやCFD、株式、仮想通貨など4,000種類以上の商品を提供する見通しだ。また、Playtechの強固なバランスシートを活かすことで、リクイディティブリッジを利用する顧客は、新たなカウンターパーティ(LP)を見つけることが可能となる。さらに、Brokereeが持つソリューション技術とTracheTech のAPIを融合させることで、新たなサービスの展開も期待される。
最新の業界内のトレンドについて、BrokereeのCEOであるAndrey Kamyshanov氏とTradeTech AlphaのCEOであるMuhammad Rasoul氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。
最近では、優良なECN(インターネット回線を介した有価証券売買を実現するシステム)ブローカーを求めるエンドユーザーが増加しています。また、効率的な流動性の供給へのニーズが急速に高まっていることから、我々の目標は顧客であるブローカーとより多くのリクイディティプロバイダーを結びつけることにあります。また、我々はブローカーの更なる成長を期待し、取引量に応じた追加手数料を取らず固定価格で費用対効果の高いソリューションを提供しています。
Andrey Kamyshanov, CEO of Brokeree Solutions - Mediumより引用
我々の顧客であるブローカーがBrokereeのテクノロジーを活用することで、新規顧客獲得につながるだけでなく、アクティブなトレーダーはもちろん、不定期なトレーダに対しても、取引の活性化を促すことができると考えております。
Muhammad Rasoul, CEO of TradeTech Alpha - Mediumより引用
release date 2018.9.19
Playtechは、ここ数年にわたり買収や統合を立て続けに行っている。同社は、金融テクノロジーへの事業拡大を目指し、Alphaのアセットを買収してファイナンス中心のアセットを管理、運用するTradeTech Alphaが誕生した。その後、TradeTech AlphaはSpotwareと提携し、Spotwareが開発するcTraderと統合、B2Bの金融サービスを強化している。統合後のPlaytechの業績は好調で、この度、外国為替ブローカーのニーズに応えるため、Brokereeとの統合により更なる市場拡大を目指す。一方、MetaTrader 4/ MetaTrader 5ソリューション開発とプラットフォームサービスを提供するBrokereeは、市場トレンドがMetaTrader 5へシフトしていることに伴い、ブローカー向けにMetaTrader 5に対応した新しいソリューションの提供を積極的に行っている。最近ではMetaTrader 5のPAMMやSynthetic Symbolsを発表し、ユーザーから好評を得ている。Playtechはこの度の統合により、業界最大手の企業であるBrokereeから高い流動性の供給を確保することが可能となるが、企業戦略として非常に有利になることは間違いない。
作成日
:2018.09.19
最終更新
:2021.08.31
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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