作成日
:2018.09.20
2021.08.31 15:22
韓国の大手仮想通貨取引所、Upbitの運営元であるDunamu Inc.(本社:5th Floor 14 Teheran-ro 4-gil Gangnam-Seoul, South Korea
)【以下、Dunamuと称す】は、来月にシンガポールで新しく仮想通貨取引所を設立することが9月19日に報道された。Dunamuはシンガポールでのサービス開始の正確な時期は明言しなかったものの、10月初め頃となることを公言している。英語でのサービスに加え、法定通貨のシンガポールドルや仮想通貨同士での取引が可能になるとのことだ。そのほかにもユーザーは、同社のパートナーである米国の大手仮想通貨取引所Bittrexが提供するビットコイン、イーサリアム(Ethereum)、テザー(Tether)も取引できるようになるという。また、将来的には、Bittrexとの強力なパートナーシップを生かして、受け入れ可能な法定通貨の数を増やし、東南アジア諸国への拡大を狙っているようだ。運営の指揮は、以前Kakao Corporationインドネシアの代表であったAlex Kim氏が取ることになっている。なお、今回の立ち上げ時のプロモーションとして、口座開設と本人確認を行なったユーザーを対象に、シンガポールドルでの取引手数料を1ヶ月間無料にするキャンペーンが行われるという。
Dunamuは、韓国の人気SNSメッセージアプリであるカカオトークのプラットフォーム上で、株式取引を可能にするカカオストックのサービスも手掛けており、韓国では有名なフィンテックベンチャー企業だ。同社が運営するUpbitは、現在韓国で2番目の規模を誇る仮想通貨取引所となっており、271種類の仮想通貨の取引が可能で、1日の取引量は約2億2,900万ドルに達している。ちなみに、韓国で最大の取引量を記録するBithumbでは、1日あたり3億9,200万ドルもの仮想通貨取引が行われている。
Dunamuは、2月にシンガポール支店を設立して以来、取引所立ち上げの準備に尽力してきた。シンガポールが最初の海外拠点に選ばれた理由は、ブロックチェーンや関連する技術に対する都市のサポートが手厚いという点が大きく、今後の海外展開の中心となることが期待されているからのようだ。
Upbitのシンガポール支店の責任者であるKim Kook-hyun氏は、今回の海外進出について以下のようにコメントしている。
シンガポールは、ブロックチェーン技術に対して肯定的な姿勢を見せています。我々が進出することで、多様なブロックチェーンプロジェクトの立ち上げや世界市場での競争力の向上など、多くのチャンスを生み出すことができるでしょう。
Kim Kook-hyun, Head of Singapore branch at Upbit - Yonhapnewsより引用
なお、DunamuのCEOを務めるLee Sir-goo氏は、韓国済州島で行われたUpbitの開発者向け会議で、この度のシンガポール進出では、Upbitが独自コインを発行することはないことを明言している。
最近では、シンガポールに東アジアから続々と仮想通貨関連で企業が進出している。例えば、韓国の大手インターネット企業Naver Corporationを親会社にもつ日本企業のLINEはBitbox(仮想通貨取引所)を立ち上げており、中国で設立されたBinanceシンガポールも、シンガポール国内で法定通貨と仮想通貨取引のベータテストを実施している。他社同様にUpbitの経営陣は、規制が強まる韓国市場の状況下において、シンガポールで世界市場へアクセスするための活路を見出そうとしているようだ。
release date 2018.9.20
カカオトーク提携のUpbit(韓国仮想通貨取引所)は、証券取引アプリのカカオストックを運営するフィンテック企業のDunamuが2017年10月に開始したサービスである。Upbitのプラットフォームとなるカカオトークは韓国国内でのインストール率が95%に達して、Upbitの認知は瞬く間にカカオユーザーに広がり、現在は韓国第2位の取引量を誇る大手取引所として名前が知られている。 同社は昨年11月に仮想通貨で身代金を要求した犯人情報を提供し韓国水原(Suwon)中部警察署から感謝状を受け取っている。今年の3月には、Upbitは褒賞金制度を設け、不正行為の情報提供者へ褒賞金を授与することを約束している。褒賞金制度の期間は1年間を計画しているとのことであるが、さらなる延長も予定しているようだ。違法な詐欺による損害の防止と仮想通貨の健全な発展のために貢献するUpbitの今後の活躍に注目していきたい。
作成日
:2018.09.20
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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