Select Language

Google Playストアに詐欺ウォレットの存在

Google Playストアに詐欺ウォレットの存在

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
Google Playストアに詐欺ウォレットの存在

update 2021.08.31 15:27

詐欺の容易な手段として市場に蔓延するリスク

マルウェア研究者でブロガーでもあるLukas Stefanko氏は、Google Playストアで公開されていた少なくとも4つのアプリケーションが、仮想通貨の盗難を目的とする詐欺ウォレットであったことを特定した。これらのアプリケーションは、仮想通貨のネオ(NEO)、テザー(Tether)に対応したサービス、またはERC20向けのウェブウォレットであるメタマスク(MetaMask)を装って公開されていたが、現在では、Googleのセキュリティチームによって排除されている。

Stefanko氏によると、今回特定された不正なアプリケーションは、フィッシングウォレットとフェイクウォレットの2つに分類される。メタマスクに偽装されたアプリケーションが、フィッシングウォレットに該当し、ユーザーにウォレットのアドレスとパスワードを送信させるフィッシング詐欺を仕掛けていたという。メタマスクを装った偽ウォレットは、インストールするとユーザー名を入力するようリクエストされ、ユーザーの不注意による既存口座情報の誤送信を促す仕組みになっていたようだ。

今回指摘されたその他3つのアプリケーションはフェイクウォレットの類で、その内2つはネオを、残り1つはテザーを対象としたものだという。Stefanko氏は、ネオをターゲットとした偽装ウォレットの両方を実際に利用しており、入金のプロセスで、全く同じ人物宛ての不正な送金アドレスとQRコードが生成されていることを明らかにしている。

これらの巧妙な手口について、Stefanko氏は、以下のようにコメントしている。

ユーザーは、アプリケーションが自身のウォレットに入金するための正しい送金アドレスを生成してくれると思い込んでいます。これらの詐欺アプリケーションが示す不正なアドレスに資金を送金してしまった場合、それを取り戻すことは不可能になると言えるでしょう。

Lukas Stefanko, Malware Researcher and Blogger - Crowdfund Insiderより引用

Stefanko氏は、これらの詐欺アプリケーションが全てドラッグ&ドロップのビルダーで作られており、高度なプログラミングスキルを必要としないということを指摘しており、容易に詐欺アプリケーションが作成できることで、今後さらに拡大する仮想通貨市場においてアプリベースの危険なマルウェアが蔓延するリスクに繋がることを懸念している。[1]

また、主要なハードウェアウォレットが小規模な仮想通貨をサポートしていないことから、ユーザーがソフトウェアウォレットの利用に流れていることも、詐欺ウォレットの被害を拡大する一因になっているようだ。Stefanko氏のブログポストによれば、ネオ対応の詐欺ウォレットは、10月中旬にローンチされて以来、100件以上ダウンロードされているという。クレジットカードの送金とは異なり、仮想通貨の誤ったアドレスへの送金は取消や修正が効かないため非常に厄介な問題だと言える。

release date 2018.11.16

出典元:

ニュースコメント

偏移する仮想通貨詐欺の手口

これまで仮想通貨がらみの詐欺といえば、仮想通貨取引所の運営が主導する顧客資産の持ち逃げや、クリプトジャッキング、不正なICOプロジェクトによるものに焦点が当てられていた。例えば、先月末、600万ドルもの顧客資産が流出したカナダ仮想通貨取引所のMaple Changeが事業撤退を決定したことや、実はベネズエラの国営通貨ペトロを裏付ける原油はなく、その実在が疑問視されているのがそうだ。しかし、ここにきて、仮想通貨を取り巻く詐欺の手口は、ウォレットアプリケーションへと偏移していることが明らかになった。Android向けのGoogle PlayストアやiOS向けのAppストアなどでアプリケーションを公開するためには、運営の審査を通過する必要があることから、それが一種のセーフガードとなっていたが、なんとも安心できない状況に陥っている。Googleは拡張機能を変更し、クリプトジャッキングやハッキングによる仮想通貨流出などの対策に有効なアップデートを行っているが、今回は、Google Playストアでの発覚となり、同社は仮想通貨を騙し取ろうとする悪質なアプリケーションの存在を念頭に、審査プロセスを見直す必要があるのかもしれない。


Date

作成日

2018.11.16

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

ワールドコインのOrb(オーブ)の日本設置場所は?無料配布を受けられる登録会場の予約方法も解説

ワールドコインのOrb(オーブ)で生体認証を行うことで、仮想通貨WLDを無料で受け取れます。当記事では、ワールドコインの日本国内のオーブ設置場所、探し方、予約方法などを解説します。
update2025.03.21 19:30

オオカミコイン(OKM)は怪しい?オオカミプロジェクトの特徴やSNSでの評判

オオカミコイン(OKM)は、オオカミカードを発行するオオカミプロジェクトの仮想通貨です。海外取引所のMEXCに上場していますが、SNS上では怪しいという声も見られます。本記事では、オオカミコインの特徴、SNSでの評判、怪しいポイントなどを紹介します。
update2025.04.11 19:00

ワールドコイン(WLD)の換金方法は?日本円に現金化する手順を解説

ワールドコイン(WLD)は、OpenAI社のCEOであるサム・アルトマン氏らが手掛ける仮想通貨プロジェクトです。登録したユーザーには、仮想通貨WLDが無料配布されます。当記事では、ワールドコインを日本円に換金する手順や、換金時の注意点などを解説します。
update2025.04.16 19:30

Exnessの海外入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExnessで海外送金による銀行口座の凍結が発生している事例を取り上げていきます。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

MT4のバックテストに正確なヒストリカルデータが必須!無料・有料データを比較

MT4でバックテストをする際にはヒストリカルデータの取得が必要です。ヒストリカルデータは無料と有料のものがありますが、どっちがいいのか、気になる人もいるでしょう。本記事では、ヒストリカルデータのダウンロード方法を詳しく解説します。
update2025.03.26 19:30

Galaxy DAOが出金受付を開始?返金を期待できない3つの理由

Galaxy DAOが、返金の受付を開始するという内容のメールをユーザーに配信していたことが明らかになりました。しかし、多くのユーザーは返金の実現には懐疑的です。なぜGalaxy DAOによる返金が期待できないのか3つの理由を説明します。
update2025.03.19 19:30

XMTrading・Vantage Trading・AXIORY公式アプリがApp Storeから削除

海外FXブローカーのXMTradingおよびVantage Trading、AXIORYのアプリがApp Storeから削除されたことが確認されました。本記事では、削除の背景や考えられる理由、ユーザーへの影響、そして今後の対応策について詳しく解説します。
update2025.03.25 19:30

仮想通貨INITの将来性は?アプリチェーン統合レイヤー1「Initia」の特徴や評判

仮想通貨INITは、複数のアプリチェーンを統合するレイヤー1ブロックチェーン「Initia」のネイティブトークンです。当記事では、INITの将来性やSNSでの評判、Initiaの特徴などを解説します。
update2025.04.24 19:00

MT4初心者必見!FX自動売買EAバックテストのよくあるトラブルと対策集

バックテストをした際にEAを選択できない、途中でテストが止まる、結果が安定しないなどの症状が発生することがあります。本記事では、バックテストをした際に発生する症状別に対処方法を解説します。
update2025.05.13 19:00

ビットコインを500円分買ってみた!利益額や買ってみた感想を紹介

Myforex編集部では、実際にビットコインを500円分購入してみました。今回の記事では、ビットコインを500円分買ってみた投資結果や利益額、買ってみて感じた感想、ビットコインの買い方などを解説します。
update2025.02.27 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル