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Google、拡張機能をより安全にするための変更を発表

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update 2021.08.31 15:22
Google、拡張機能をより安全にするための変更を発表

update 2021.08.31 15:22

アクセス制限の実装とポリシー変更で拡張機能の悪用を防ぐ

Google LLC(本社:1600 Amphitheatre Parkway, Mountain View, CA, 94043, United States[1])【以下、Googleと称す】は、Google Chrome向けの拡張機能の利用環境改善への対策を発表した。クリプトジャッキングやハッキングによる仮想通貨流出などの対策に有効なアップデートとなることが期待されている。

Googleの発表によると、今後Chrome 70のバージョンからは、ユーザーが各拡張機能へのアクセス制限を設定することができるようになるという。[2]これにより、ユーザーはアクセス制限をかけたいウェブサイトを登録したり、都度ユーザーの許可を必要とするように設定することで、情報へのアクセスに対するコントロールができるようになる。これまで、ホストのアクセス許可を与えられた拡張機能は、自由にウェブサイトの情報を読み込んだり、データを更新することができるなどの様々な機能を提供する反面、悪用されるケースも多々発生してきた。Googleは、このバージョンアップにより重要視している拡張機能におけるデータ利用の透明性を計画している。

加えて、Googleは悪質な拡張機能を排除するための対策をとっており、強力なアクセス権限を求める拡張機能についてはより厳重な審査を必要とする方針を示している。開発者コミュニティにおいても、新規開発する拡張機能は最低限のアクセス許可に留め、審査の時間を短縮するために外部ソースとの連携などを行わず直接コードを組み込むことを促している。

また、現在ブロックされている70%の拡張機能は難読化コードを含んでいることから、そのほとんどがポリシーに違反している、または、悪意のある拡張機能だと考えられているが、Googleは、今後難読化したコードを含む拡張機能の使用を今後一切受け入れないことも表明している。これは、新しい拡張機能にも例外なく適応されウェブから引用した外部コードやその他のリソースなども対象となっている。すでにリリースされている難読化したコードを含む拡張機能に関しては、90日のアップデートを実施する猶予が与えられるものの、新しい要件に完全に準拠しない場合は、来年1月にChrome Web Storeから削除されるということだ。

その他、アカウントの乗っ取りなどを回避するための対策として、Google Web Storeのアカウントへのログインに対し2段承認導入の義務付けが求められている。Googleは、2019年にリリースする拡張機能に関するマニフェストv3で、セキュリティやプライバシー、パフォーマンス向上を図るため、より特定された範囲でのデータ連携を行うAPIの開発を予定している。Googleの拡張機能は、ユーザーがよりシンプルに管理できる形となっていくことが期待されている。

release date 2018.10.3

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨流出に対する取り組み

仮想通貨を不正にマイニングさせるクリプトジャッキングやハッキングの被害は拡大しており、各業界から懸念の声が上がっている。日本では先月、仮想通貨取引所のZaifがハッキングを受け、約67億円相当の被害を受けたことは、メディアでも大きく報道され、さらには3度目の金融庁からZaifへ業務改善命令が出される事態となった。その一方で、この度のGoogleでの取り組みのように、クリプトジャッキングを含むマルウェア対策への取り組みも世界的に広がりつつある。最近では、モネロが学習サイトを設立し、ユーザーへのリテラシー向上をサポートしている。仮想通貨のハッキング被害が多く発生している昨今、Googleを始めとした企業のハッキング対策への開発が進み、安全な取引環境が提供されることを期待したい。


Date

作成日

2018.10.03

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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