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カナダの仮想通貨取引所で600万ドルが流出も詐欺の疑い

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update 2021.08.31 15:22
カナダの仮想通貨取引所で600万ドルが流出も詐欺の疑い

update 2021.08.31 15:22

出口詐欺の可能性が示唆される

10月28日、カナダの小規模仮想通貨取引所であるMapleChangeが、913ビットコインに相当するおよそ600万ドル分の顧客資産が何者かによって不正に引き出されたことを、自社のツイッターで明らかにした。しかし、SNS上では、今回のケースは、内部の犯行または出口詐欺との見方が有力との議論が展開されており、MapleChangeの経営陣に批判が集まっている。

MapleChangeは、調査が終わるまでユーザーへ資金は返金できず、残念ながら取引所を閉鎖しなければならない、との声明を発表している。[1]この声明はすぐさまツイッター上で駆け巡り、コミュニティはなぜ取引所の閉鎖を急ぐのかとその対応の不誠実さに疑念を抱いており、業界のリーダーたちの非難の対象となっている。

なお、この件について、仮想通貨のジャーナリストで人気アナリストのJoseph Young氏は、MapleChangeは計画的な出口詐欺を成功させたのかもしれない、と説明しており、このような小さな取引所は、倫理よりも利益の最大化のみに焦点を置く場合がある、とその危険性をコメントしている。この意見に概ね近い考えを示したのは、オーストラリアの著名な仮想通貨トレーダーであるBitLoard氏で、小規模な仮想通貨取引所の利用に関しては懐疑的であるべきだ、と論じており、それが自身がトレーダーとして生き残っている秘訣と言及した。さらに、BinanceのCEOであるChangpeng Zhao氏は、適切なコールドウオレット環境を提供していない取引所は詐欺の可能性が高く、ユーザーは利用を避けるべきだ、と警笛を鳴らしている。

また、Maplechange'edというハンドルネームのツイッター上のユーザーは、この事件の真相を暴くために独自に調査を進めているというが、MapleChangeのドメイン登録情報などのデータは偽装されており、実行犯の特定は難しいようだ。しかしながら、MapleChangeのCEOがマイニングプールのETXmine.comや、仮想通貨プロジェクトのウェイコイン(Weycoin)と何らかの関係性を持っていたことは明らかになっているという。詐欺の実態は未だ掴めていないようだが、市場の透明性を保つためにも、規制当局も含めた素早い対応が望まれている。

release date 2018.10.29

出典元:

ニュースコメント

出口詐欺の回避にユーザーの自衛が求められる

規制が緩い仮想通貨市場では、出口詐欺と呼ばれる手法で、取引所が顧客資産を持ち逃げするケースによる被害が、過去2年間で約100億円に達したという統計があるほど深刻な問題となっている。日本の仮想通貨市場においては、金融庁が事業者の登録制を導入して以来、出口詐欺に対するリスクは低減したように思われるが、コインチェックのハッキングZaifのハッキングが発生している。この2件の大型ハッキング事件では、コインチェックは顧客資産を返金し、Zaifはフィスコへの事業譲渡による顧客資産の補填を決めており、最終的にはユーザーは保護される結果となったが、ルールが存在しないオフショアや法整備が進んでいない国や地域などでは、出口詐欺に同じ対応を期待することはできないだろう。仮想通貨業界の総意としては、業界を脅かすような存在は排除したいところだが、今のところ打つ手は無く、ユーザーの自衛が求められているのが現状だと言える。出口詐欺に関しては、疑わしいところは使わない、という選択肢が一番効果的だと考えられるが、ユーザーのリテラシーの向上や出口詐欺の実態認知が進むまでは、当分、被害を止めることは難しいのかもしれない。


Date

作成日

2018.10.29

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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