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ベネズエラの仮想通貨ペトロ、実在に疑問視

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update 2021.08.31 15:22
ベネズエラの仮想通貨ペトロ、実在に疑問視

update 2021.08.31 15:22

ペトロの価値を裏付ける原油が存在しない可能性浮上

何かと物議を醸しているベネズエラ政府主導の仮想通貨ペトロであるが、ロイター通信の4カ月にわたる調査により、ペトロには特定のユーザーや投資家は存在しておらず、価値を裏付けるはずの原油も存在しない可能性が明らかになった。

ペトロの価格は原油1バレル(約159リットル)の価格に固定されており、ベネズエラ政府は、Ayacucho Iと呼ばれる380平方キロメートルの地域に53億バレルの原油を埋蔵するとしている。しかし、ロイター通信の記者がその地が訪れたところ、崩壊した道路や古いオイルポンプが放置されており、原油採掘の兆候はみられなかったようだ。また、仮に政府の主張通りの原油が埋蔵されていたとしても、それらを採掘するには巨額の投資が必要であり、現在のベネズエラ政府には実現が難しいのが現状であろう。過去に石油大臣を10年間務めたRafael Ramirez氏は、53億バレルの原油を採掘するには、少なくとも200億ドルがかかるため、ペトロは政府の想像上の原油の価値に裏付けられているにすぎない、とコメントしている。

ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、ペトロの発行により33億ドルの資金調達が可能であり、輸入の支払いに積極的に利用すると述べているが、ある大臣はペトロの準備は未だ整っていないと明かしている。さらに、政府のブロックチェーンを監督するHugbel Roa氏は、ペトロは開発途中であり、現在のところ誰もペトロを利用できず、ペトロの購入とは予約の段階であり未だリリースされていない、と述べるなど、マドゥロ大統領の声明とは相反する事実ばかりが浮き彫りになった。

ベネズエラ政府は今年2月にイニシャルコインオファリング(デジタル通貨やトークン発行による資金調達、ICO)にてペトロのプレセールを行っている。これまでのところ、金融政策として成功と評価する人はいるものの、政府の詐欺と捉える人が多く、今後の動向が注目される。

release date 2018.9.3

ニュースコメント

深刻なベネズエラの経済危機

原油確認埋蔵量が世界第一位であるベネズエラは、かつては中南米有数の豊かな国として知られていたが、2015年の原油価格の下落や、マドゥロ政権の失策などにより、経済状況が極度が悪化している。しかしながら、5月に行われた大統領選挙で再選を果たしたマドゥロ大統領の独裁体制が続いており、年末までに100万パーセントに達すると予測されるハイパーインフレーションや物資不足が深刻化している。また、自国通貨への信頼喪失により、国民はビットコインなどの仮想通貨への投資を進めている。 ベネズエラ政府は、経済危機を打開すべく、ICOによる資金調達にてペトロを売り出し、不動産売買などを認可しているが、ペトロの価値を裏付ける原油が存在しない可能性が明らかになった。今後のベネズエラの経済状況の行方が気にかかるところだ。


Date

作成日

2018.09.03

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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