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ジブラルタルの仮想通貨取引所が保険契約を締結

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update 2021.08.31 15:27
ジブラルタルの仮想通貨取引所が保険契約を締結

update 2021.08.31 15:27

保険による安心の提供で顧客獲得を狙う

ジブラルタルに拠点を置く仮想通貨取引所のGibraltar Blockchain Exchange(本社:Suite 741 Europort, Gibraltar, GX11 1AA[1])【以下、GBXと称す】は、サイバー攻撃のリスク増加に伴い、顧客資産を守るために保険契約を締結したことを今月10日に明らかにした。この協業に応じたのは、ジブラルタルの保険会社であるCallaghan Insurance Brokers Ltd(本社:Suite 827 Europort, PO Box 708, Gibraltar[2])【以下、Challaghan Insuranceと称す】で、今回の保険契約では、取引所が管理するホットウォレットとコールドウォレット内の仮想通貨資産が対象になるという。

GBXが締結した保険契約は、顧客資産を守るための重要なオプションで、同社のCEOであるNick Cowan氏は、仮想通貨取引の安全性に不安を抱え、確かな補償を求めるユーザー層を獲得するためには必要な要素だと位置付けている。GBXは、Gibraltar Stock Exchangeの親会社であるGSXグループのユニットとして発足した取引所で、ジブラルタル金融サービス委員会から、先月、営業ライセンスを取得したばかりだ。高い法令遵守意識と厳しいデューディリジェンス(適正評価手続き)で良質なサービスの提供を目指しており、既に直近の日間取引量は650万BTC(ビットコイン)相当を記録している。

詐欺やハッキング行為は、法規制が整っていない仮想通貨市場では、大きなリスク要因となっており、取引所もその補填や調査、事業の廃止、社会的信用を取り戻すためにかかる膨大なコストに対して心配を募らせているようだ。昨今、ハッカーによる取引所へのサイバー攻撃は決して珍しいことではなく、日本でも今年1月にコインチェックのハッキング事件が発生し、さらに9月には、Zaifがハッキング被害を受けている。2018年に入ってからの被害総額は、全世界を合わせると9億3,000万ドルに上るとも言われており、ハッカーによるサイバー攻撃は無視できないほど脅威が増している。対策として、今年10月に顧客資産保護を目的にジェミニが保険契約を締結するなど、すでにいくつかの取引所では、顧客資金を守るためにセキュリティを強化するだけではなく、保険契約を結ぶことで潜在的な損失を限定する動きに出ているようだ。この流れは、業界にとってはターニングポイントとなることが予測され、仮想通貨取引を一時的な流行として終わらせないためにも、徹底的な対応が必要と言えるだろう。

しかしながら、今回のGBXのように保険契約を締結できたケースは稀で、Callaghan InsuranceのマネージングディレクターであるBruno Callaghan氏は、仮想通貨に関する保険商品開発について以下のようにコメントしている。

我社が顧客のニーズを捉えた保険を提供できたことは喜ばしいことです。分散型台帳を利用したテクノロジー分野で、自信を持って新しい保険サービスを提供するまでには、膨大な量の調査とロンドン保険市場の協力が必要でした。

Bruno Callaghan, Managing Director at Callaghan Insurance, - GBXより引用

Gowan氏は、GBXがCallaghan Insuranceと提携したことについて、安全性を確保するための努力の現れだと言及しており、加えて、本拠を構えるジブラルタルでも、政府がブロックチェーン開発において持続可能な環境構築に尽力していることを強調している。欧州では、今年前半に分散型台帳技術を利用した金融商品を規制するフレームワークが導入され、仮想通貨取引所への締め付けも強くなっているが、GBXの決断はその流れに迎合した結果と言えるだろう。

release date 2018.12.11

出典元:

ニュースコメント

新興技術を後押しするジブラルタルに誕生したGBX

南欧州の英国領であるジブラルタルは、オンラインゲーミングやブロックチェーンなどのテクノロジー企業の誘致を積極的に行なっており、2016年には、世界初となるビットコインを担保とする証券を上場させるなど、仮想通貨に関しても先進的な取り組みを実施してきた。今年11月末には、大手仮想通貨取引所のHuobiがジブラルタルのDLTライセンスを取得したことが報道され、欧州の仮想通貨市場でも最も関心が集まる地域となっている。GBXは、そんなジブラルタルで今年3月に誕生した新鋭の取引所で、ICOプラットフォームとして200もの申請を集めるなど、本格的な営業開始前にも関わらず大きな期待がかかっていることが伺える。欧州市場への展開も視野に入れているようだが、ジブラルタルの法規制の緩さやEU加盟国との温度差がどのように作用するかは不透明なままである。今回の保険契約の締結は、それを見越した対策のひとつだとも考えられるが、果たして欧州市場はGBXの試みをどう受け止めるのだろうか。


Date

作成日

2018.12.11

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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