作成日
:2023.12.11
2024.04.17 07:17
Blast(ブラスト)は、イーサリアム(ETH)やステーブルコインをブリッジすると、自動的に利回りを得られるイーサリアムのレイヤー2ネットワークです。
2023年11月後半から稼働を開始し、当記事執筆現在(2023年12月7日)でTVLが7億6,000万ドル(約1,110億円)を超えるなど、大きな注目を集めています。当記事では、Blastの特徴や自動利回りの仕組み、将来性、リスクなどを解説します。
Blastは、現在の仮想通貨(暗号資産)市場で注目を集めている、イーサリアムのレイヤー2ネットワークです。
画像引用:Blast
多くのブロックチェーンは、異なる役割を持つブロックチェーンが階層別に独立して相互通信する「レイヤー構造」になっています。基礎的な役割を担うブロックチェーン層をレイヤー1と呼び、レイヤー1の情報処理を助ける層をレイヤー2と呼びます。
Blastは、Blur(ブラー)の創設者であるパックマン氏が立ち上げたプロジェクトとなっています。Blurは、2022年後半からシェアを伸ばしているNFTマーケットプレイスです。当記事執筆現在(2023年12月7日)、OpenSeaを押さえて世界一のシェアを誇っています。
Blurの創設者によって開発されているということもあり、Blastは仮想通貨コミュニティの間で急速に注目を集めました。
Blastが注目される理由として、利回り付きのレイヤー2であることも挙げられます。イーサリアム(ETH)や、USDTなどのステーブルコインをBlastのプラットフォームにブリッジすることで、自動的に利回りが得られます。
利回りの原資はイーサリアムのステーキングと、RWAプロトコルによって生み出されます。イーサリアムに対しては4%、ステーブルコインに対しては5%の利回りが提供されています。
RWA(Real World Asset)とは、現実世界に存在する資産全般を指す言葉です。具体的には、不動産や国債、ゴールド、美術品などが挙げられます。仮想通貨市場では、RWAをトークン化して活用するのが、ひとつのトレンドとなっています。
Blastはレイヤー2ネットワークとして、イーサリアムが抱えるスケーラビリティ問題などを解決することが期待されています。
具体的には、Optimistic Rollupというロールアップ技術を採用しており、高速かつ低コストでのトランザクション処理の実現を目指しています。
イーサリアムはトランザクションの処理能力が低く、トランザクションが集中すると、取引の遅延や手数料の高騰などが発生します(スケーラビリティ問題)。イーサリアムは、慢性的にスケーラビリティ問題に悩まされています。
ロールアップは、トランザクションを外部ネットワークで行う技術であり、処理速度の向上やガス代の低減などを実現します。
Blastは稼働開始と同時に、招待制のアーリーアクセスを始めています。Blast公式サイトにアクセスし、招待コードを入力することでアーリーアクセスに参加できます。アーリーアクセスに参加したい方は、Twitter(ツイッター)などで招待コードを探すのがよいでしょう。
画像引用:Blast
アーリーアクセスに参加し、イーサリアムやステーブルコインをブリッジすると、利回りやBlast Pointsを獲得できます。ブリッジした資産の量や招待した人数によって、より多くのBlast Pointsをもらえる仕組みとなっています。
Blastは、アーリーアクセスの開始直後からTwitter(ツイッター)で話題となっています。イーサリアム(ETH)やステーブルコインをブリッジして利回りが得られる仕組みに対して、多くのユーザーが期待する意見を投稿しています。
一方、預け入れた資産は当面の間ロックアップされることから、リスク面を懸念する声も見られます。
Blastでは、イーサリアム(ETH)やステーブルコインをブリッジすると、自動で利回りが得られる仕組みが導入されています。
Blastのプラットフォームにイーサリアム(ETH)をブリッジすることで、ユーザーは年利4%の利回りを獲得できるとされています。Blastに預けられたETHは、リキッドステーキングプラットフォームのLido(ライド)でステーキングされます。
リキッドステーキングとはその名前のとおり「流動性のあるステーキング」です。通常のステーキングでは、預け入れた仮想通貨がロックされる一方、リキッドステーキングでは、それと等価のLSTの現金化や送金、運用などができます。
その後、Lidoで発生した利回りがBlastユーザーに還元されます。時間の経過とともに、Blastのウォレットで保管されたイーサリアムが1.04ETH、1.08ETH、1.12ETHと増えていく仕組みとなっています。
Blastでは、ブリッジされたステーブルコインに対しても利回りを提供しています。当記事執筆現在(2023年12月7日)では、USDCやUSDT、DAIを預け入れることが可能です。
Blastにステーブルコインをブリッジすると、USDBという新たなステーブルコインを受け取れます。USDBはBlast独自の利回り付きステーブルコインとなっており、ユーザーはUSDBの形で年利5%の利回りを獲得できるとされています。
なお、USDBはMakerDAO(メイカーダオ)などのオンチェーン米国債プロトコルに連動しており、米国債運用で発生した収益がBlastユーザーに還元される仕組みになっています。
MakerDAOは、ステーブルコインDAI(ダイ)を発行・管理するDAO(自律分散型組織)です。DAIの他に、ガバナンストークンであるMKR(メイカー)も発行しており、MKRの投票によってプロジェクトの方向性や取組みの内容を決定しています。
アーリーアクセスに参加し、イーサリアムまたはステーブルコインをBlastにブリッジすると、利回りとともにBlast Pointsを受け取れます。
Blastに多くの資産額をブリッジすることで、より多くのBlast Pointsを受け取ることができます。また、アーリーアクセスに招待した人数によって、受け取れるポイントはさらに増えます。
ポイントの使い道は明らかになっていませんが、2024年5月からポイントの引き換えが可能になると公表されています。
Blastの将来性を考察するポイントとして、以下のような項目が挙げられます。
画像引用:Blast
Blastは、ベンチャーキャピタルのParadigm(パラダイム)やStandard Crypto(スタンダード・クリプト)などから、2,000万ドル(約30億円)の資金を調達しています。
ParadigmやStandard Cryptoは、仮想通貨(暗号資産)業界における代表的なベンチャーキャピタルです。Blastは、強力なバックがついているプロジェクトであることがわかります。
Blastのアーリーアクセスは、現在のところうまく機能していると考えられます。当記事執筆現在(2023年12月7日)、TVL(預かり資産額)は7億6,000万ドル(約1,110億円)を超えています。
画像引用:DeFiLlama
TVLはTotal Value Lockedの頭文字をつなげた言葉で、ブロックチェーンやDAppsに預け入れられた仮想通貨の総額を示します。この金額は人気のバロメーターとしても使用されます。
稼働開始から3週間程度で巨額の資金が流入しており、Blastに対するユーザーの期待の高さが伺えます。
Blastを開発しているパックマン氏は、Twitter(ツイッター)にて、Blast上でのNFT無期限先物取引の展開を示唆しています。
Blast is building the L2 I wish existed pre-Blur. As the Blast team builds, @BLUR_io will dogfood it and deploy its own L2 apps on Blast (ie NFT perps), and Blast will in turn reward the Blur community. Blast's success will elevate the Blur community and vice versa.
— Pacman | Blur + Blast (@PacmanBlur) November 21, 2023
無期限先物取引は、無期限先物契約、パーペチュアル取引とも呼ばれ、仮想通貨のデリバティブ取引の中で人気が高い取引方法です。Blast上でNFT無期限先物取引が実現すれば、NFT取引の選択肢がより多様化すると考えられます。
自動利回りなどのメリットが注目を集めるBlastですが、リスクについて言及する声も少なからず見られます。Blastのリスクについて、以下の3つが考えられます。
Blastのメインネットは、2024年2月に立ち上げられる予定です。そして、メインネットが公開されるまで、Blastにブリッジした資金は引き出すことができません。
この点については出資元のParadigm(パラダイム)も批判しています。Blastのアーリーアクセスに参加する上では、注意すべきリスクだといえるでしょう。
Blastで得られる利回りは、イーサリアム(ETH)の場合はLido、ステーブルコインの場合はMakerDAOといったように、外部のプラットフォームに依存しています。つまり、ユーザーはBlastに資産を預けることで、間接的に他の運用プラットフォームのリスクを背負っていることになります。
自動で利回りが得られる点は魅力的ですが、運用リスクがゼロではない点には注意が必要です。
仮想通貨(暗号資産)関連のプラットフォームには、常にハッキングのリスクがつきまといます。特にリリースされたばかりの新しいプラットフォームであれば、よりリスクに注意する必要があるでしょう。
Blastは短期間で巨額の投資資金を集めましたが、裏を返せばハッキングの対象としての注目度も高まっているといえます。Blastのアーリーアクセスに参加する際は、これらのリスクを総合的に考えて、利用するかどうかを判断する必要があります。
近年の仮想通貨(暗号資産)市場では、イーサリアムレイヤー2への注目度がますます高まっています。その中で、自動で利回りを得られるBlastの仕組みは、大きな話題を集めています。Blastの動きに他のプラットフォームも追随することで、2024年にレイヤー2の大きな波が起こる可能性もあるでしょう。
作成日
:2023.12.11
最終更新
:2024.04.17
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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