作成日
:2023.08.08
2023.08.08 23:29
Baseは、米大手取引所コインベースが手がけるレイヤー2のブロックチェーンです。イーサリアムのレイヤー2であり、既に多くのDApp開発が進行しています。
当記事では、Baseの概要を説明した上で、その技術的な特徴や開発中のDAppを解説します。
コインベースはBaseのメインネット公開を記念して、2023年8月9日に「Onchain Summer」を開催します。同じ日に、Baseのメインネットがローンチされます。
画像引用:coinbase
このイベントには、コカ・コーラやOpenSeaなどの50を超える大手企業やアーティスト、クリエイターなどが参加します。
Baseは米大手取引所コインベースが手がけるブロックチェーンで、イーサリアム(ETH)のレイヤー2として機能します。
画像引用:Base
多くのブロックチェーンは、異なる役割を持つブロックチェーンが階層別に独立して相互通信する「レイヤー構造」になっています。基礎的な役割を担うブロックチェーン層をレイヤー1と呼び、レイヤー1の情報処理を助ける層をレイヤー2と呼びます。
コインベースは2023年2月にBaseの開発を発表しており、複数の課題をクリアして2023年8月9日にメインネットをローンチします。10億人のユーザーにブロックチェーンを使ってもらうことを目標にしています。
BaseはDApp(分散型アプリ)プラットフォームであり、コインベースや第三者企業の開発活動を支援します。
また、コインベースの基盤として使われます。コインベースウォレットやコインベースNFTなど、コインベースのサービスはBaseによってサポートされる見通しです。
Baseは、イーサリアムとの互換性を保ちつつ、安価なトランザクションを実現します。公式ウェブサイトによると、その手数料はイーサリアムの10分の1程度となっています。
レイヤー2のブロックチェーンとして、イーサリアムのスケーラビリティ問題を改善する可能性があります。
スケーラビリティ問題とは、ブロックチェーンの処理能力に起因する障害です。ブロックチェーンにトランザクションが集中すると、取引の遅延や手数料の高騰などが発生します。ビットコインやイーサリアムなどのブロックチェーンは、慢性的にスケーラビリティ問題に悩まされています。
Baseは独自仮想通貨を発行しません。他のプロジェクトの場合、独自仮想通貨を発行してトークンセールを実施し、資金調達するのが一般的です。
トークンセールは、プロジェクトによる仮想通貨の販売を意味します。ICO(イニシャルコインオファリング)やIEO(イニシャルエクスチェンジオファリング)、IDO(イニシャルDEXオファリング)など、いくつか種類があり、いずれもプロジェクトの資金調達を目的にしています。
Baseのメインネットローンチは2023年8月9日に予定されており、DAppが既に開発されています。
画像引用:Blackbird
Blackbirdは、レストラン向けのロイヤリティプログラムを構築するプロジェクトです。加盟レストランのリピーターに特典を付与し、ビジネスと顧客の関係構築に貢献します。
画像引用:Prallel
Parallelは、NFTを使ったトレーディングカードゲームです。SF世界を舞台に、NFTとして発行されるカードを駆使して、報酬をかけて戦います。そのカードは、NFTマーケットプレイスで売買できます。
画像引用:Thirdweb
Thirdwebは、多様なソフトウェア開発キット(SDK)を提供するプロジェクトです。ThirdwebのSDKを利用すれば、ブロックチェーンゲームを始めとするDAppを簡単に構築できます。Thirdwebの開発チームは、Base上のブロックチェーンゲーム「Web3 Warriors」をリリースしています。
OAKは、米オークランドのコミュニティトークンです。オークランドの経済やコミュニティをより良くすることを目的としています。コミュニティ主導で、仮想通貨教育や慈善団体などへの資金提供、ステーブルコインの発行などが行われます。このステーブルコインは、地元の商店などでの利用が想定されています。
Baseは、次のような技術的な特徴を持っています。
Baseは、オプティミズム(OP)のOPスタックと呼ばれる技術を基礎としています。
画像引用:Base
オプティミズムは、イーサリアムの主要なレイヤー2ブロックチェーンのひとつです。オプティミスティック・ロールアップ(Optimistic Rollup)と呼ばれる方法で、高速かつ安価なトランザクションを実現します。
OPスタックを使えば、オプティミズムのようなレイヤー2ブロックチェーンを迅速に構築できます。つまり、Baseは、オプティミズムに近い性能を持ち合わせたブロックチェーンになると考えられます。
OPスタックで構築されたブロックチェーンは、スーパーチェーンと呼ばれます。オプティミズムはスーパーチェーン構想を掲げており、パートナーの強化に力を入れています。
Baseはスーパーチェーンのひとつとして、オプティミズムと協力しながら開発活動を継続していく見通しです。
Baseは、クロスチェーンブリッジのBase Bridgeを実装しています。
クロスチェーンブリッジとは、複数のブロックチェーンをつないで規格の異なる仮想通貨を相互に利用可能にする技術です。この技術が普及すれば、ブロックチェーンを跨いで仮想通貨をやり取りできます。ブロックチェーンが乱立している現在、クロスチェーンブリッジは重要な存在です。
通常、ブロックチェーンはそれぞれ独自のトークン規格を採用しており、異なるブロックチェーン間では仮想通貨を送金できません。しかし、クロスチェーンブリッジを利用すれば、それが可能となります。
Base Bridgeは、メタマスクやコインベースウォレットなどを使って、Baseとイーサリアム間における仮想通貨の転送を実現します。
レイヤー2は、ブロックチェーンの負荷を低下させるために、レイヤー1の代わりにトランザクションを処理し、結果をフィードバックして書き込みます。このプロセスをロールアップと呼びます。
ロールアップはトランザクションの実行を外部ネットワークで行う技術であり、処理速度の向上やガス代の低下などを実現します。ロールアップには様々な種類がありますが、昨今注目を集めているのは、zkEVMを利用したzkロールアップです。
Baseは、より効率的なデータ書き込みを実現しています。従来のデータ書き込み方式では、ひとつのブロックにひとつのトランザクションデータ群を割り当てていました。
これに対してBaseは、効果的なデータ圧縮方法を採用したのに加え、ひとつのブロックに複数のトランザクションデータ群を割り当てられるようにしました。
結果的に、処理できるデータ量が5倍に跳ね上がりました。
Baseは、オプティミズム陣営と協力し、ステージ0からステージ1へのロールアップ移行を目指しています。
ロールアップのステージとは、イーサリアム考案者のヴィタリック・ブテリン氏によって提唱されたものです。ステージが上がっていくと、完全に分散化されたロールアップを実現できるようになります。
ステージ0のロールアップは、「補助輪が付いた状態のロールアップ」と表現されており、オンチェーンでトランザクションが処理される基本的なものです。ステージ1のロールアップは、「補助輪が取れかけているロールアップ」で、不正を証明できる仕組みやマルチシグに対応するものです。
ウォレットから仮想通貨を送金するには、秘密鍵を持つユーザーの署名が必要です。マルチシグウォレットは、複数のユーザーの署名を必要とするウォレットで、その分だけ安全性が高くなります。
これを踏まえて、BASEは、継続的なアップグレードを施していく見通しです。
Baseは、コインベースが手がける大型プロジェクトです。主要なレイヤー2となるポテンシャルを秘めています。Baseのメインネットがローンチされれば、多数のDAppが立ち上げられると予想されています。今後のエコシステムの発展に期待です。
作成日
:2023.08.08
最終更新
:2023.08.08
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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