作成日
:2023.05.01
2023.12.14 10:50
メタマスクブリッジは複数のサービスから成り立つクロスチェーンブリッジです。トランザクションの手数料やスピードを考慮し、異なるブロックチェーン間での仮想通貨(暗号資産)ブリッジを可能にします。
常に最適なレートでブリッジできるよう、ブリッジアグリゲーターとの統合を行っている点も特徴だといえるでしょう。
当記事では、メタマスクブリッジの概要・特徴を説明した上で、他サービスとの比較や使い方などを解説します。
メタマスクブリッジは、2022年11月にメタマスクに実装された新機能です。利用すると、異なるブロックチェーン間での仮想通貨(暗号資産)のクロスチェーンブリッジを手軽に実行できます。
例えば、イーサリアムからBNBチェーンにETHを移動したいときなどに利用します。
クロスチェーンブリッジとは、複数のブロックチェーンをつないで規格の異なる仮想通貨を相互に利用可能にする技術です。この技術が普及すれば、ブロックチェーンをまたいで仮想通貨をやり取りできます。ブロックチェーンが乱立している現在、クロスチェーンブリッジは重要な存在です。
メタマスクブリッジは、PCもしくはモバイルアプリ内にあるブラウザから、ポートフォリオDapp(portfolio.metamask.io)にアクセスすることで利用できます。複数の外部サイトを行き来することなく利用できるシームレスな機能となっています。
ポートフォリオDappとは、メタマスクが提供する様々な機能を集約したワンストップサービスです。ポートフォリオ確認機能に加え、仮想通貨の購入やLidoなどと提携したETHのリキッドステーキング、ブリッジなど複数の機能を手軽に利用できるプラットフォームです。
メタマスクブリッジを利用すると、最適なルートで仮想通貨をブリッジできます。
それを可能とするのが、ブリッジアグリゲーターです。メタマスクブリッジは、「Socket」と「LI.FI」という2つのブリッジアグリゲーターと統合しています。
ブリッジアグリゲーターは、多数あるクロスチェーンブリッジを束ねる存在です。ブリッジ利用の簡略化に貢献しています。
通常のブリッジ機能の利用時、送金によっては複数のブロックチェーンをまたいだり、異なるルートが存在したりとプロセスが複雑になる可能性があります。ブリッジアグリゲーターは、このような処理を簡略化します。
このブリッジアグリゲーターと統合していることにより、ユーザーは常に最適かつ最速なルートで仮想通貨のブリッジができます。
メタマスクブリッジは信頼性や安全性を考慮し、以下4つのクロスチェーンブリッジを採用しています。
なお、上記4つのクロスチェーンブリッジは、メタマスクで最も使用されているネットワークへの対応やユーザビリティ、分散性などから選定されています。
当記事執筆時点(2023年4月21日)時点で、メタマスクブリッジは以下のブロックチェーンに対応しています。
また、対応する主な仮想通貨(暗号資産)としては、以下が挙げられます。
メタマスクブリッジを使用することで、これらの仮想通貨はブリッジ先のブロックチェーン規格に変換されます。ただし、ブリッジ先のブロックチェーンによっては、交換に対応していない仮想通貨もあるので注意してください。
メタマスクブリッジは、上記で紹介した4つのクロスチェーンブリッジを利用しています。すなわち、その安全性は個々のDApps(分散型アプリ)に依存します。
Connextは、セキュリティファーストの精神で開発されたクロスチェーンブリッジです。
ブロックチェーン開発企業Nomadと提携し、オプティミスティック・ブリッジによるセキュリティ強化を実現しています。オプティミスティック・ブリッジは、レイヤー2に利用されるオプティミスティック・ロールアップに似た技術です。
ロールアップとは、メインとなるレイヤー1ブロックチェーンの外で、トランザクションを処理する技術です。オプティミスティック・ロールアップはその1つで、レイヤー1ブロックチェーンに送信されるデータは全て正しいという楽観的(オプティミスティック)な考えのもと、トランザクション処理を安全に効率化しています。
Hopは、イーサリアムとレイヤー2、サイドチェーンをつなぐクロスチェーンブリッジのプロトコルです。
多くのブロックチェーンは、異なる役割を持つブロックチェーンが階層別に独立して相互通信する「レイヤー構造」になっています。基礎的な役割を担うブロックチェーン層をレイヤー1と呼び、レイヤー1の情報処理を助ける層をレイヤー2と呼びます。
Hopはスマートコントラクトに精通した開発チームを抱えています。加えて、HopはSolidifiedとMonoceros Alpha、Trail of Bitsによる監査を受けており、システムの安全性を確保しています。
Celer cBridgeは、Celer Networkが展開するクロスチェーンブリッジです。
Celer cBridgeは複数のセキュリティ技術を組み合わせたシステムを採用しています。加えて、CertiKとPeckShield、SlowMistの監査を受けるなど、安全性の確保に努めています。
Ploygon Bridgeは、ポリゴンに他ブロックチェーンとの互換性を持たせるために開発されたクロスチェーンブリッジです。
ポリゴンは、システムの脆弱性を早期発見したユーザーに報酬を与えるバグバウンティプログラムなどを実施し、クロスチェーンブリッジに関するバグを改修しています。Polygon Bridgeは、ポリゴンのネイティブアプリとして、十分な安全性を備えていると考えられます。
バグバウンティプログラムとは、システム上のバグ(脆弱性)を発見してくれたユーザーに報酬を支払うプログラムです。多くのブロックチェーン関連のプロトコルがセキュリティ対策の一環として実施しており、報酬は仮想通貨(暗号資産)で支払われるケースもあります。
メタマスクブリッジは、メタマスクユーザーにとって便利なサービスです。ブリッジをする際には他のサービスを利用することもできますが、それらと比較してどのような点で優れ、劣っているのでしょうか。
ここでは以下の4つの項目に沿って、メタマスクブリッジと他のクロスチェーンブリッジを比較します。
DApps(分散型アプリ)の利用には、詐欺のリスクが付きまといます。悪意のあるスマートコントラクトが仕組まれていたり、公式を装ったフィッシング詐欺だったりと、そのパターンは様々です。
きちんと信頼できるブリッジのプロトコルを利用すれば、このような詐欺にあうことはありません。しかし、無数に存在するDAppsの中から自身でサービスを選ぶと、詐欺に遭うリスクが上がります。
その点メタマスクブリッジでは、メタマスク側が信頼するDAppsを利用できるので、一定の安心感はあるでしょう。また、メタマスクのポートフォリオDappからシームレスに利用できるので、アクセス先を間違う可能性もありません。
クロスチェーンブリッジを利用するには、取引手数料がかかります。その金額は選択したブロックチェーンやルート、トランザクションの混雑具合などによって変動します。
しかし、クロスチェーンブリッジの取引手数料は、外的要因に左右される部分が大きいです。つまり、他サービスと大きな差は付きにくいと考えられるでしょう。
そんな中でも、メタマスクブリッジではブリッジアグリゲーターが最適なルートを提示してくれるので、取引手数料の最適化に優れています。ただし、β版の期間が終了後、メタマスク側への手数料が発生する可能性があるので、その点は注意が必要です。
メタマスクブリッジの対応銘柄と対応ネットワークは限定的です。他のクロスチェーンブリッジを利用すれば、EVMチェーンの仮想通貨(暗号資産)全般をブリッジできます。
EVMはEthereum Virtual Machineの略称で、日本語ではイーサリアム仮想マシンと訳すことができます。イーサリアムがスマートコントラクトの実行や管理を行うための技術です。EVMはイーサリアムと互換性を高める手段として、他のブロックチェーンにも実装されています。
メタマスクブリッジは、メタマスクから直接利用できるので非常に手軽です。
通常のクロスチェーンブリッジであれば、利用するDAppsを探すところから始める必要があります。ウォレットに機能が統合されているのは、メタマスクブリッジの大きなアドバンテージだといえるでしょう。
メタマスクからブリッジを利用する手順は以下の通りです。
メタマスクを開き、「Bridge」アイコンをクリックします。
スマートフォンアプリからブリッジを利用する場合、グラフの形のアイコンをタップします。
遷移後に、画面左上にあるメニューバーをタップして「Bridge」を選ぶと、ブリッジ利用画面にアクセスできます。
以下のように条件を設定します。
ネットワークの切り替えが必要な場合は「Switch to ~」と表示が出ます。切り替え表示がある場合はクリックします。
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
送信元ネットワーク |
送信元のブロックチェーンを選びます。 |
2 |
送信先ネットワーク |
送信先のブロックチェーンを選びます。 |
3 |
銘柄 |
移動させたい銘柄を選びます。 |
4 |
数量 |
移動させる数量を入力します。 |
ネットワークを切り替える場合、「ネットワークを切り替える」をクリックします。
選んだトークンでのブリッジ利用が初めてなら、「Approve token」という表示が出ます。表示がある場合はクリックします。
トークンを承認する場合、「確認」をクリックします。
ブリッジの利用が可能な状態になると、「Submit transaction」と表示されます。利用する場合はクリックします。
「確認」をクリックします。
「Bridging in progress」と表示されたら、手続きは完了です。ブロックチェーンでの承認が完了したら、トークンは送信先のネットワークに移行します。
ここ最近、メタマスクはDApps(分散型アプリ)の機能統合に力を入れており、「スワップ」や「ステーキング」などを追加しています。メタマスクブリッジの実装も、その流れの1つだと考えられます。
DAppsの機能統合によってユーザーの利便性は拡大していますが、メタマスクブリッジの機能がユーザーに受け入れられるのかは注目していく必要があるでしょう。
作成日
:2023.05.01
最終更新
:2023.12.14
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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