作成日
:2022.07.12
2023.03.16 15:54
仮想通貨(暗号資産)市場では、ゲームで稼ぐ分野が成功を収めています。すなわち、Play to Earnです。それに続いて、仮想通貨と各種サービスを組み合わせた「〇〇 to Earn」が流行しています。例えば、Move to Earnでは、歩いたり走ったりすると仮想通貨を稼げます。
最近では、食べて稼ぐ「Eat to Earn」が注目を集めています。シンクロライフです。仮想通貨取引所のコイントレードと提携しており、2022年7月5日、報酬としてビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を獲得可能になったと発表しています。
シンクロライフは、株式会社GINKANのグルメSNSです。
画像引用:PR TIMES
2018年の公開以降、155カ国にサービスを展開しており、日本語、英語、韓国語、中国語で累計35万件のレビュー投稿を獲得しています。従来のWeb2.0で利用されるSNSと、Web3.0の概念を掛け合わせたサービスであり、Eat to Earnを実現するために、「シンクロポイント」が導入されています。このポイントは、レストランのレビューを書いたり、アプリを通じて支払ったりすると獲得できます。
Web3.0とは、分権化された次世代のインターネット環境を指します。現代の中央集権型インターネット環境(Web2.0)は、大手IT企業が強い影響力を持っています。その一方、Web3.0では個々のユーザーが重要な役割を担います。
ユーザーは、シンクロポイントを1万8,000以上の店舗で支払いに利用できます。この店舗には、コンビニやカフェなども含まれます。Eat to Earnが目新しいこともあり、シンクロライフのモバイルアプリは、Android版だけで5万ダウンロードを達成する人気となっています。
シンクロライフは「食いしん坊たちが本当に美味しいお店を炙り出す」をコンセプトにしています。
特徴として、レビューサイトにおける「口コミへの不信感」と「検索の煩雑さ」から解放される点があります。これを実現するために、AIによるおすすめ機能を実装しています。AIは口コミの質などを評価して、各ユーザーに合うレストランを紹介します。
ユーザーはシンクロライフを活用することで、シンクロポイントや仮想通貨を獲得していきます。具体的には、以下の方法があります。
加盟店での代金支払いで、シンクロポイントや仮想通貨を獲得できます。還元率は、支払代金の1%から20%相当です。その他の場合は、シンクロポイントが付与されます。シンクロポイントは仮想通貨でなく、加盟店での食事代金支払いで利用できます。
なお、仮想通貨で報酬を受け取りたい場合は、アプリのウォレット設定を変更します。すると、コイントレードで仮想通貨の受け取りが可能です。
Play to Earnのゲームが流行した結果、仮想通貨市場では「X to Earn」(エックス・トゥー・アーン)と呼ばれるサービスが多数登場しています。例えば、寝て稼ぐSleep to Earn、学んで稼ぐLearn to Earn、書いて稼ぐWrite to Earnなどが存在します。今後も X to Earn は多様性を増していくと考えられています。
シンクロポイントは、2022年春までに独自仮想通貨「SYC」と交換可能になる予定でした。しかし、当記事執筆時点(2022年7月)ではまだ実現していない模様です。シンクロライフの発表によると、将来的には、レビュー投稿で得たシンクロポイントに限って、1対1の比率でSYCと交換可能となる見通しです。
シンクロポイントは、レビュー投稿で得られます。その大きさは、ユーザーの称号ランク、信頼スコア、レビュー投稿のスコアなどで変わってきます。
称号ランクは段位のようなもので、長く継続的に活動すると上昇します。信頼スコアは、有益な投稿を継続的に行うことで向上します。レビュー投稿のスコアは、レビューの質を測ります。レビュー投稿に対して他のユーザーの反応が多ければ多いほど、質が高いと判断されます。
シンクロポイントがSYCと交換可能になるまで、まだ時間がかかるかもしれません。それでも食べるのが好き、Eat to Earnを体験してみたいのであれば、今のうちにレビュー投稿でシンクロポイントを稼いでみるのも良いかもしれません。SYCに交換しなくても、食事代金の支払いとして使用できます。
2017年9月、シンクロライフは独自仮想通貨SYCのICO(イニシャルコインオファリング)を実施しました。その後、2018年に海外取引所のLATOKEN(ラトークン)への上場に成功しました。
SYCの総供給量は、1億通貨です。その内、20%にあたる2,000万通貨が「レビュー報酬プール」に割り当てられています。このプールのSYCが、レビュー投稿・新規店舗情報の作成・レビュー翻訳への報酬として分配されます。
価格動向を確認しますと、2019年から乱高下しています。2019年は、0.001ドルの安値から史上最高値0.06ドルまで上昇しました。その後急落して、0.001ドル以下から0.03ドルのレンジで推移しています。
画像引用:CoinGecko
SYC価格は、シンクロライフの発表などを材料に度々高騰しています。今回、ビットコインとイーサリアムによる報酬に対応したことを受けて、0.003ドルから0.02ドル付近まで上昇しました。
2022年7月時点で、SYCはコイントレードを含む国内取引所での取り扱いがありません。シンクロポイントとの交換が可能になれば、取引所での対応も必要になるので、国内でのSYC上場が期待されています。
取引所でSYCを売買したい場合、海外取引所LATOKEN(ラトークン)で可能です。当記事執筆時点(2022年7月)において、LATOKENのみです。CoinMarketCapでの順位は127位であり、上位とは言えない位置にいます。
以上のことから、LATOKENでSYCを買うのは、他の有名な仮想通貨と比較して2つのリスクがあります。1つ目は、SYCがLATOKENから上場廃止になる場合です。もう一つは、LATOKENが何らかの理由で営業を停止するリスクです。これらが実現してしまうと、手持ちのSYCを売る手段がなくなってしまいます。
このため、SYCを購入したい場合、他の仮想通貨よりもリスクが大きいことを理解したうえで、少額だけで売買することになるでしょう。少額売買に留めることで、リスクが顕在化した際の損失を限定的にします。
海外にもEat to Earnのプロジェクトはいくつかあるものの、その存在はあまり知られていません。どれもまだ開発段階にあり、本格的にサービスが稼働しているものは少なく、Eat to Earnの発展はこれからだといえるでしょう。代表的なものとして、以下の3つが挙げられます。
画像引用:Poppin
Poppinは、ソラナ(SOL)を基盤にしています。「食べて、集めて、稼ぐ」をコンセプトに、スライムのような生物「Poppin」を育てるゲームです。プレイヤーは、現実世界で食べた食事を撮影してアップロードすることで、Poppin用の餌をもらえます。その餌を使って、Poppinを育てます。
このプロジェクトは詳細が公開されていないので、遊び方は明らかではありません。しかし、他のブロックチェーンゲームの傾向から判断しますと、NFT化されたPoppinを売却したり、戦いに勝利して報酬を獲得したりできると予想できます。
Escaは、2022年7月にテスト向けのベータ版がリリース予定です。当記事執筆時点では、順番待ちのウェイトリストが公開されています。
ユーザーはEscaを通じて食事を注文することで、ビットコインによるキャッシュバックを受け取ることができます。仕組みとしてはシンクロライフに似ていますが、キャッシュバックの額は1%から5%に設定されています。
2022年8月頃までに、独自仮想通貨Esca(ESCA)の発行も計画されています。獲得したEscaを使って、各種支払いに利用できる見込みです。
UPXPはステラ(XLM)を基盤に開発されており、ユーザーがレストランなどで支払う度に、独自仮想通貨UPXPトークン(UPXP)を報酬として受け取ることができます。2022年中に、IDO、トークンセール、DEX(分散型取引所)への上場などが計画されています。
海外でも、Eat to Earnのプロジェクトが台頭してきています。しかし、普及に欠かせないキラー・サービスは登場していません。その点、シンクロライフは既存のサービスが出来上がっており、更に仮想通貨での報酬付与も可能になったので、他よりも一歩リードしていると考えられます。
今回、運営会社のGINKANは「今後ユーザーが飲食店で貯めた暗号資産でNFT、メタバース、Web3サービスを楽しめる体験を創出し、その架け橋となるウォレットサービスを目指していきます」とコメントしました。
Eat to Earnの普及を加速させる可能性を秘めているだけに、今後もシンクロライフには注目です。無料で始めることができるので、体験してみるのもよいでしょう。
作成日
:2022.07.12
最終更新
:2023.03.16
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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