Select Language

仮想通貨市場で重要度を増すレイヤー2、イーサリアムにおける関連銘柄を紹介

仮想通貨市場で重要度を増すレイヤー2、イーサリアムにおける関連銘柄を紹介

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2023.03.16 15:54
仮想通貨市場で重要度を増すレイヤー2、イーサリアムにおける関連銘柄を紹介

update 2023.03.16 15:54

近年、様々なサービスがブロックチェーン上で利用され始めていることを背景に、仮想通貨(暗号資産)市場ではメインとなるブロックチェーンである「レイヤー1」に対して、「レイヤー2(セカンドレイヤー)」の重要性が増してきています。特に仮想通貨市場最大のブロックチェーンプラットフォームのイーサリアム(ETH)では、レイヤー2の技術開発が不可欠といえるでしょう。

レイヤー2はブロックチェーンの情報処理能力を改善できることから、スケーラビリティ問題(ブロックチェーンの処理能力が制限されていることに起因する障害)を解決する存在として期待されています。2022年はNFTやメタバース、DeFiなどの流行でブロックチェーンの利用が拡大すると考えられているだけに、主要なプラットフォームであるイーサリアムにおけるレイヤー2関連プロジェクトの注目度も高まっています。

レイヤー1とレイヤー2の関係性

多くのブロックチェーンは、異なる役割を持つブロックチェーンが階層別に独立して相互通信する「レイヤー構造」になっています。一般的にそのレイヤー構造は、コンセンサスアルゴリズム(ブロック生成のルール)によってブロックを生成したりブロックチェーンの基本的な機能を提供する「ブロックチェーン(メインチェーン)層」や、スケーラビリティ(拡張性)を高めてブロックチェーンの幅広い利用を可能にする「スケーラビリティ層」、ブロックチェーン上で動作するDAppの構築を可能にする「アプリケーション層」、ユーザーとDAppを繋ぐ「サービス層」などで構成されています。

それぞれの層の名称や機能的な要件に明確な定義があるわけではありませんが、このような前提で仮想通貨市場では、最も基礎的なブロックチェーン層をレイヤー1、その上層にあるスケーラビリティ層をレイヤー2と呼びます。

ブロックチェーンにおける一般的なレイヤー1とレイヤー2の位置付け

主要なレイヤー1のブロックチェーンとしては、ビットコイン(BTC)やイーサリアムに加え、バイナンス・スマート・チェーン(BSC)やソラナ(SOL)、ポルカドット(DOT)、テラ(LUNA)、アバランチ(AVAX)、トロン(TRX)などのイーサリアム・キラーが挙げられます。これらのレイヤー1に位置付けられるプロジェクトのネィティブトークンは、需要が高まりやすく、時価総額が大きくなりやすいことが特徴です。実際にその多くが、仮想通貨市場全体の時価総額ランキングで上位を占めています。

point イーサリアム・キラーとは

イーサリアム・キラーとは、DAppプラットフォームとしてイーサリアムの座を狙うブロックチェーンを指します。その多くは、スマートコントラクト(ブロックチェーンを利用した契約の自動実行プログラム)を実装しているだけでなく、より効率的なコンセンサスアルゴリズムを採用して高速な取引や安い手数料での利用を実現しており、イーサリアムが抱えている課題をある程度克服しているのが特徴です。

レイヤー2はレイヤー1のブロックチェーンを基盤として構築されます。スケーラビリティ層であるレイヤー2は、レイヤー1の情報処理を手助けすることで、スケーラビリティ問題を緩和して安価な手数料で迅速なブロックチェーンの利用を可能にするのです。

レイヤー2における代表的な技術

では、具体的にレイヤー2はどのようにスケーラビリティ問題を緩和しているのでしょうか。そこにはいくつか代表的な技術が存在します。

例えば、ビットコインであれば、ライトニングネットワークと呼ばれる技術が開発されています。ライトニングネットワークは、ビットコインブロックチェーンで「ペイメントチャネル」という取引しようとする者(AとB)の間だけで有効な取引の場を作り出し、レイヤー2の上で取引を完結させることができます。なお、ライトニングネットワークは、何回取引しても最終的な資金移動の結果だけをレイヤー1に記録するので、多数のペイメントチャネルで取引が行われても効率性を失うことはありません。下の絵でそれぞれのペイメントチャネル内でAからB、BからCへ1BTCの送金が行われた後にペイメントチャネルを閉じると、Aの支払いとCの受け取りのみが記録されるのです。

ライトニングネットワークの説明画像

ビットコインブロックチェーンでは送金手数料が高騰しがちですが、ライトニングネットワークを利用すると、それが飛躍的に改善して1円などの少額送金であるマイクロペイメントが可能になります。このような利点があることから、ライトニングネットワークを統合する仮想通貨関連サービスが出始めており、米大手SNSのTiwtter(ツイッター)CEOを退任しオンライン決済会社であるBlock(ブロック)のCEOを務めるジャック・ドーシー氏は、同技術を高く評価して事業に取り込もうとする動きを見せていました。

一方、イーサリアムでは、ビットコインのライトニングネットワークを応用したステートチャネルやレイヤー1の拡張機能することを目指すサイドチェーン、より汎用性が高い解決策となるプラズマなどの技術群が開発されてきました。2021年頃からイーサリアムでは、オプティミスティック・ロールアップとゼロ知識証明ロールアップと呼ばれる2つの新技術が開発されています。この2つの新技術は、ブロックに記録される情報を検証するコンセンサスアルゴリズムをより効率的なものとすることで、スケーラビリティ問題の改善を図っています。

ちなみに、2022年1月、イーサリアムのレイヤー2ブロックチェーンとして利用されるポリゴン(MATIC)が、ゼロ知識証明ロールアップに対応するソリューションの「Plonky2」を発表して話題となりました。

イーサリアムのレイヤー2関連銘柄

イーサリアム(ETH)にはレイヤー2を開発するプロジェクトが複数存在します。Arbitrum(アービトラム)やOptimism(オプティミズム)などが有名ですが、中には独自仮想通貨を発行して投資対象となり得るレイヤー2プロジェクトもあります。その例として以下でいくつか紹介します。

ポリゴン(MATIC)

ポリゴン(MATIC)はイーサリアムにおける最も有力なレイヤー2ブロックチェーンとして認識されています。ポリゴンブロックチェーン上では多数のDAppが展開しており、分散型取引所(DEX)のQuickSwapやメタバース(インターネット上に構築された三次元の仮想空間)ゲームのディセントラランド(Decentraland)、分散型レンディング(仮想通貨を貸し出して利益を得ることができるDeFi関連サービス)のアーベ(Aave)などにも利用されています。ブロックチェーンの利用度合いの指標となるTVL(ブロックチェーンに預け入れられた仮想通貨の合計値)は、既に40億ドルを超えている状況です。

2022年1月現在、ポリゴンのネイティブトークンであるMATICの時価総額は、仮想通貨市場全体で20位圏内を推移しています(CoinMarketCapより)。直近のMATIC価格はビットコインの下落に引きずられる形で、他の仮想通貨と同様に押し下げられていますが、長期的に見ると安値を切り上げながら上昇を描いているといえるでしょう。

MATICとUSDの価格チャート

画像引用:TradingView

MATICはBinance(バイナンス)やBybit(バイビット)などの大手海外取引所で広く取り扱われているので、ポリゴンに将来性を感じれば、投資してみるのも良いかもしれませんね。

binance bybit

Immutable X(IMX)

Immutable X(イミュータブルエックス、IMX)は、イーサリアムを基盤にする人気NFTゲームの「Gods Unchained」(ゴッズアンチェインジド)を運営するImmutable社に開発されたレイヤー2ブロックチェーンです。Immutable Xは取引手数料を排除すると同時に、高速な取引を実現したことから、イーサリアムにおけるNFTゲームに重宝される存在となっています。Gods Unchained以外にも、「Guild of Guardians」や「illuvium」などのNFTゲームがImmutable Xを活用しています。

point NFTゲームとは

NFTゲームとは、ゲームアイテムなどをトークン化するNFT(非代替性トークン)を用いたブロックチェーンゲームを指します。多くの場合、Play to Earn(遊びながら稼ぐ)の要素を取り入れており、プレイすることで報酬としてNFTや仮想通貨を獲得することが可能です。これらのNFTはNFTマーケットプレイスを通じて売買することもできます。

Immutable Xは、IMXと呼ばれるガバナンストークン(トークン保有者によるプロジェクト運営を可能にする仮想通貨)を発行しています。IMXは仮想通貨を預け入れて報酬を獲得するステーキングやDAppの手数料支払いなどにも利用されることから、Immutable Xの需要が増せば価格が上昇すると考えられています。現在、IMX価格はMATICと同様に、2021年末から仮想通貨市場全体の流れにつられて下落していますが、Immutable Xは比較的新しいプロジェクトなのでまだまだこれからの仮想通貨だといえるでしょう。

IMXとUSDの価格チャート

画像引用:TradingView

ロニン(RON)

ロニン(RON)はメタバースゲーム専用のレイヤー2として登場したブロックチェーンです。人気メタバースゲームの「Axie Infinity」(アクシー・インフィニティ)を手がけるSky Mavis社によって開発されたロニンは、同ゲームの日間300万人近いアクティブユーザーの取引を処理することが可能となっています。ピークとなった2021年11月には、ロニン上でイーサリアムの約5倍、アバランチ(AVAX)やファントム(FTM)などのレイヤー1ブロックチェーンを凌駕する量の取引が処理されました。

ロニンはRONというネイティブトークンを発行しており、Gate.ioで売買できますので、RONの更なる人気化に期待する場合は、購入してみると良いかもしれません。

2022年は飛躍の年となるか

ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)において、レイヤー2はブロックチェーンの性能や実用性を高めるために必要な存在です。加えて、DAppプラットフォームであるイーサリアムでは、ブロックチェーンの利用を効率化するためにも、レイヤー2関連プロジェクトの発展が望まれています。ポリゴン(MATIC)を筆頭に、Immutable X(イミュータブル エックス)やロニン(RON)などの有望なプロジェクの開発が進められていますが、これがどのような変化をもたらしてくれるのでしょうか。

今後も仮想通貨市場は拡大を続けると予想されていますが、2022年はレイヤー2の発展で飛躍の年となるかもしれません。


Date

作成日

2022.02.01

Update

最終更新

2023.03.16

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル