作成日
:2022.02.01
2022.02.09 10:41
2022年1月28日、DAO(自律分散型組織)のBitDAOは、イーサリアム(ETH)ブロックチェーンにおけるスケーリングソリューションであるzkSyncの開発を後押しするために、資金を提供する形で「zkDAO」を立ち上げることを決定しました。
過去にBitDAOは大手仮想通貨(暗号資産)取引所FTXが発行する独自仮想通貨の「FTT」や、ブロックチェーンゲームの「Game7」などに出資した実績があります。BitDAOは総額25億ドル相当の仮想通貨を運用するDAOですが、今回、約2億ドルの資金を投じてzkSyncを支援することを決定しました。zkDAOはその資金管理や活動をサポートする存在になると考えられます。
BitDAOは、分散型金融(DeFi)関連プロジェクトの支援目的で設立されたDAOであり、独自仮想通貨のBITトークンを使用した意思決定が可能です。
具体的には、あるトークンホルダーが提案する投資先などの提案に対し、投票への参加を希望するトークンホルダーがその可否に関する意思表示を行います。個人投資家などの小規模なトークンホルダーでも「デリゲート」と呼ばれる手続きを通じて投票に参加できますが、株式と同様にBITトークンの保有数が投票数になるので、大口の投資家が投票で有利です。
最終的に投資先のプロジェクトが成功すれば、BitDAOとBITトークンホルダーが利益の還元を受けられるという仕組みになっています。
ちなみに、zkDAOはzkSyncを開発するMatter Labsと、BitDAOに参加するベンチャー投資会社のMirana Venturesによって提案され、約1億7,200万BIT分の投票を得て採用が決定しました。
zkSyncはイーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するために必要なレイヤー2を開発するプロジェクトです。スケーラビリティ問題とは、ブロックチェーンの処理能力が制限されていることに起因する障害を指します。イーサリアムはブロックチェーンプラットフォームとして利用が拡大していることから、スケーラビリティ問題に慢性的に苦しめられており、イーサリアムのユーザーは、取引が集中する時間帯に手数料が高騰したり取引の処理が遅延するなどの現象に悩まされています。
この問題を解決する方法として、イーサリアムではメインとなるブロックチェーンと互換性を持ち、取引の情報処理を手助けするレイヤー2と呼ばれるブロックチェーンの開発が進行しています。例としては、ポリゴン(MATIC)やアービトラム(ARB)、パラステート(STATE)などが存在しますが、それぞれが異なる特徴を有しています。
イーサリアムのレイヤー2として立ち上げられたzkSyncは、ゼロ知識証明という暗号化技術を基礎にしたzkRollupという技術が最大の特徴となっています。zkRollupは、多数の取引をまとめて検証し、最終的な資金移動の結果だけをイーサリアムブロックチェーンに書き込むことを可能にします。また、zkRollupは、効率的な取引の検証が可能なので、取引手数料の低減や処理性能の向上に大きく貢献する可能性があります。
既にカーブ・ファイナンス(CRV)やアーべ(AAVE)、バランサー(BAL)などのDeFi関連サービスがzkSyncに対応しています。zkSyncはロードマップで継続的な開発計画を示しているので、今後の発展も期待できます。
イーサリアムにおける多くのレイヤー2は、独立したプロジェクトとして展開されており、独自仮想通貨を発行しています。現時点でzkSyncは独自仮想通貨を発行していませんが、将来的にトークンセール(仮想通貨の販売)を実施する見通しです。
イーサリアムではレイヤー2の開発が重要度を増しており、これらのプロジェクトが発行する仮想通貨は需要を高めています。例えば、イーサリアムで主要なレイヤー2であるポリゴンであれば、独自仮想通貨MATICの時価総額が約120億ドルを超えて、仮想通貨市場全体で15位以内の規模にまで成長しています(2022年1月時点CoinMarketCapより)。MATIC価格はビットコイン(BTC)の低迷に引きずられながらも、2021年7月の底値から順調に右肩上がりのトレンドを継続させている状況です。
画像引用:TradingView
このことから、イーサリアムのレイヤー2を開発するzkSyncは、イーサリアムの将来性を左右するプロジェクトになる可能性があります。BITトークンの発展のためにも、zkSyncが順調にエコシステムを拡大していくことが望まれます。
BitDAOによるzkSyncなどへの投資は、トークンが取引所に上場していないプロジェクトへの投資という特徴があります。株式の場合、未公開株への投資は一般的にリスクが高いと評価され、仮想通貨も同様の可能性がありますが、BitDAOの場合は投資したいという提案が公開され、そしてBITトークン保有者による投票を経て投資が決まります。
このような野心的なプロジェクトに投資したいという場合、BITトークンを保有するのも面白いかもしれません。
作成日
:2022.02.01
最終更新
:2022.02.09
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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