作成日
:2023.08.03
2024.06.02 05:46
Galaxy DAO(ギャラクシーダオ)は、中央集権型取引所「トレードプラネット」の立ち上げを進めている自律分散型組織(DAO)です。
2023年5月にサービスを停止した海外FX業者のGEMFOREX(ゲムフォレックス)を買収して脚光を浴びています。しかし、プロジェクト内容や運営者情報が公開されていないことから、SNS上では、怪しい存在だと囁かれています。
当記事では、そんなGalaxy DAOに関するユーザーの反応や、独自仮想通貨(暗号資産)PNTの使い道、トレードプラネットの特徴などを解説します。
2023年8月1日、Galaxy DAO(ギャラクシーダオ)は、GEMFOREX(ゲムフォレックス)の買収を発表しました。
GEMFOREXは、海外FX業者です。パートナー企業の資金の持ち逃げや未払いなどによる資金ぐりの悪化を原因とし、2023年5月にサービスを停止していました。GEMFOREXユーザーへの影響などは、次の記事で詳しく解説しています。
また2023年8月28日、Galaxy DAOは公式Discordチャンネルにて、GEMFOREXの顧客データの移行を完了したと発表しました。Galaxy DAOは、GEMFOREXの事業を受け継ぎ、9月中のサービスの再開を目指しています。
Galaxy DAO(ギャラクシーダオ)は、中央集権型の仮想通貨(暗号通貨)取引所「トレードプラネット」を開発する自律分散型組織(DAO)です。独自仮想通貨PNTを発行予定であり、そのPNTをマーケティングに役立てるなどして、サービスを提供していく方針です。
自立分散型組織は、一部の権力者のトップダウンで意思決定がされる企業などとは異なります。DAOではコミュニティ参加者が投票し、組織全体で意思決定します。全員が完全に平等な権力を持っているわけではありませんが、民主的な組織運営を実現する手段のひとつです。
トレードプラネットは、USDTやUSDC、BTC、ETH、PNTなどを含む、100種類以上の仮想通貨を取り扱う予定です。直感的なインターフェースのプラットフォームを通じて、現物取引をはじめとした、総合的なサービスを提供する見通しとなっています。
2023年9月12日時点ではトレードプラネットは準備段階にあり、利用できません。確認できるのはX(旧Twitter)とDiscord(ディスコード)、ウェブサイト、ホワイトペーパーのみの模様です。
また2023年8月3日時点ではGalaxy DAOのウェブサイトに、カウントダウンの日数とウェイティングリストの申し込みが表示されていました。
十分な説明がなく、正確なことは明らかではありませんが、トレードプラネットや独自仮想通貨PNTのリリースまでのカウントダウンだと推測されていました。しかしカウントダウンが過ぎた現在でもサービスの提供は開始されていません。
Galaxy DAOはその名の通り、自律分散型組織(DAO)での運営を目指しています。しかししばらくは、創設メンバーがトレードプラネットの舵取りを行い、状況をみて分散化を進める計画のようです。
具体的には、サービスを浸透させた後にコミュニティメンバーの参加を促していき、最終的に十分な分散性のある組織へ移行する予定となっています。
Twitter(ツイッター)上でも、運営とのコミュニケーションの場となっているDiscord(ディスコード)上でも、ユーザーの不満が噴出しています。
まずGalaxy DAOの情報はほとんど公開されておらず、返金の対応なども不透明なままです。また、コミュニティで使用されるのは英語のみとアナウンスされており、日本語が分かるコミュニティマネージャーも存在しない模様です。
この不誠実な対応に、ユーザーからは「返金までの時間稼ぎ」や「責任逃れのための組織変更」などの批判が相次いでいます。
そもそも、GEMFOREX(ゲムフォレックス)の事業譲渡が本当だったかも分からず、全て運営の自作自演の可能性があると噂されています。DAOに組織変更して責任の所在を問えなくし、返金の約束を反故にする可能性があるとの見方も出てきています。
Galaxy DAO(ギャラクシーダオ)の実態はほぼありません。そのためGalaxy DAOは、怪しいプロジェクトだと見られています。Galaxy DAOが怪しいとされるポイントとしては、次のような点が挙げられます。
GEMFOREX(ゲムフォレックス)は、顧客資産の返金を約束していました。しかし、Galaxy DAOに事業が譲渡されてから、その旨を掲載していたページが消去されています。
また、Galaxy DAOは、Discordを窓口にカスタマーサポートを提供していますが、返金に関する質問には答えられないとの姿勢を貫いています。
Discordの管理者の一人は、ハリーポッターの悪役キャラクター「ヴォルデモート」の顔写真をプロフィールに使用しています。ユーザー名は作中に出てくる死の呪文「Avada Kedavra」です。
個人情報を公にしたくないにしても、このような不吉な事態を連想させる設定では、詐欺だと捉える人が出てきても仕方ないかもしれません。
Discordの参加者にサクラが多数存在すると疑われています。
実際にDiscordの「general-chat」を確認してみると、最初のメッセージがあった7月7日からGEMFOREX買収が明かされた8月1日までの期間において、9割以上のメッセージが「こんにちは」といった非常に短い挨拶分でした。
Discordが活発に運用されているように見せ、コミュニティの形成を試みていると考えられます。
Galaxy DAOは、トレードプラネットや独自仮想通貨PNTの内容に関して、ホワイトペーパーを公開しています。
ホワイトペーパーとは開発チームが公開する文書であり、プロジェクトの全体像や将来像を示しています。ユーザーはホワイトペーパーを読み込んで、プロジェクトの成功可能性やリスク等を確認します。
しかし、その内容が薄く、あからさまに詐欺プロジェクトの匂いがすると疑われています。
特にトークノミクスページ以外は情報量が少なく、具体性が低く、独自性もほとんどないといって良いでしょう。一見それらしく感じられるかもしれませんが、使いまわせるような文章が多数見受けられます。
例として、ホワイトペーパーの内容を一部引用します。以下は、分散化のプロセスについての説明部分で見られる記載です。
Progressive Decetralization
Progressive Decetralization is a concept proposed by Jesse Walden of a16z.
1.Product/market fit
2.Community participation
3.Sufficient decentralization (community ownership)
Galaxy DAOホワイトペーパー - より引用
上記を訳すと、「漸進的な分散化とは、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)のJesse Walden氏が提唱する概念である。これは、サービスを軌道に乗せること、コミュニティメンバーの参加促進、十分な分散化の3つの段階から成る。」といった意味になります。
アンドリーセン・ホロウィッツは、仮想通貨の界隈で有名なVC(ベンチャーキャピタル)です。権威機関の名前が挙がっていることなどから専門的な内容にも思えます。しかし2023年では、このような分散化のプロセスは特に珍しい概念ではありません。
なお「Decetralization」という単語は、分散化を意味する「Decentralization」の誤字であると思われます。
Myforex編集部で過去にリサーチした、Bitgetの取引所トークンBGBのホワイトペーパーと、Galaxy DAOのホワイトペーパーの内容が酷似しています。特にPNTトークンのユーティリティや、保有者が得られる将来的なメリットの内容が非常に似ています。
真相は不明ですが、ホワイトペーパーの作成にあたって、同じ取引所トークンとして参考にしたり、作成プロセスに共通点があったりしたのかもしれません。
今後のGalaxy DAO(ギャラクシーダオ)は、どのような対応を取るのでしょうか。
Galaxy DAOは、2023年8月15日に公開予定であった新しいホワイトペーパーを公開予定であると発表しました。
Discord上でユーザーがGEMFOREXの返金について質問した際、Galaxy DAOは、この新しいホワイトペーパーにその記載があると回答していました。
実際にホワイトペーパーには、GEMFOREXユーザーに対して「GBOND(GEMFOREX Bond)」というトークンを発行する旨と、GBONDの利用方法が記載されていました。また公式Discordチャンネルによると、10月に新しいホワイトペーパーの公開も予定しているようです。
2023年7月末時点でGEMFOREXは、2023年9月中にサービスを再開させるとの予定を示していました。
しかし、Galaxy DAOからその詳細は発表されておらず、先述のGalaxy DAOのウェブサイトにてカウントダウンが行われていましたが、実際にはサービスは再開されませんでした。2023年9月15日にGBONDの残高確認ページの公開と、レンディング機能の提供開始を予定していますが、実際に行われるのかどうかは不明です。
仮想通貨(暗号資産)GBOND(GEMFOREX Bond)は、GEMFOREXから引き継いだ債権を管理するためにGalaxy DAOが発行するトークンです。
仮想通貨GBONDは、未出金の資金額に応じた量がロックされた状態で発行され、1GBOND=1ドルとして扱われます。
例えばGemforex口座に10,000ドルの残高があるユーザーには、10,000GBONDが配布されます。GBONDは市場での売買や譲渡はできませんが、ロックを解除することでさまざまな用途に利用できるようになります。
ロックを解除した仮想通貨GBONDの具体的な使い道は次の通りです。
GBONDを預けることで、USDCを借り入れられます。USDCの借入限度額は5%となっていることから、1GBONDごとに0.05USDCを借り入れできるようです。
GBONDをステーキングすると、年25%の利息がstGBONDというトークンでユーザーに支払われるようです。stGBONDには、Galaxy DAOのローンチパッドへのアクセスや、Trade PlanetsユーティリティトークンであるPNTと交換できる機能が持たせられる予定です。
ローンチパッドは、仮想通貨関連プロジェクトが資金調達を行う仕組みです。ユーザーは、ローンチパッドを通じてトークンセールに参加し、上場前の新規仮想通貨を購入可能です。
GBONDのロックを解除せずに保有すると、年利5%(月利0.416%)のDDT(Delayed Damages Token)が毎月付与され、1DDT=1ドルとして扱われます。
DDTは、GEMFOREXが以前出金が完了していないユーザーに対して、支払うとしていた年5%の損害金として付与されるトークンと考えられます。しかし、DDTが法定通貨や他の仮想通貨と交換できるのかは不明です。
利息として付与されるstGBONDと交換できるPNTを保有することには、将来的に次のようなメリットがあると考えられます。
PNT保有者は、毎日開催されるPNTのエアドロップ抽選に参加できるようになります。
PNTを必要な日数保有すると、保有者ボーナスが付与されます。
ある一定量以上のPNTを保有すると、その日の最初の出金手数料が無料になります。
ある一定量以上のPNTを保有すると、VIPステータスが付与されます。VIPになれば、取引手数料の割引を特典として受けられます。
PNTを大量に保有するユーザーは、PNT Earnに参加して、追加的な特典を得ることができます。
ある一定期間以上PNT Earnに参加すると、割引価格でPNTが購入できるようになります。
トレードプラネットは、仮想通貨PNTを部分的に買い戻し、バーン(焼却処理)する見通しです。適切なタイミングで行うとしていますが、その詳細は明かされていません。
バーンとは、仮想通貨を永久に使えなくする行為を指します。仮想通貨を特定のウォレットに送ることで、実行できます。そのウォレットの秘密鍵は、開発者を含めて誰も知りません。すなわち、送金したら最後、その中の仮想通貨は二度と使えなくなるため、あたかも紙幣が焼却(バーン)されたのと同様になります。
バーンが実施されればPNTの希少性が高まり、継続的なPNT価格の上昇に貢献する可能性があります。
PNTを保有するメリットについて解説してきましたが、現在ホワイトペーパーにはPNTに関する詳しい情報が記載されていないため、詳細は不明です。
トレードプラネットは、中央集権型の取引所です。ホワイトペーパーでは、次の特徴を持っているとされています。
トレードプラネットは、セキュリティを重視した運営を行うとしています。具体的には、PoRによる準備金の証明やユーザー資金の不正流用の禁止、複数人による出金承認システムなどを導入します。
PoRは、英語のProof of Reserveの頭文字を取った略称で、日本語で「準備金の証明」と訳されます。取引所が十分な準備金を保有していることを証明するために利用されます。具体的には、取引所が第三者の監査機関に調査を依頼し、監査結果を公開します。
トレードプラネットは、その地域に合わせた最適なサービスを提供します。世界中に存在するKOL(キー・オピニオン・リーダー)とコラボし、多くのユーザーにトレードプラネットの特徴やメリットを伝えられるとしています。
KOLとは、Key Opinion Leader(キー・オピニオン・リーダー)の略称であり、特定の分野の専門知識を持った影響力のある人物を指します。近年、仮想通貨(暗号資産)業界でもKOLを使ったマーケティング手法が広がっています。
トレードプラネットのプラットフォームは、高性能な取引エンジンによって支えられているとしています。
トレードプラネットでは、1秒あたり10万件の取引を処理できます。ダウンタイムや重大なセキュリティの問題なく利用できる快適な取引環境を提供します。
今のところ、公開されたホワイトペーパーで、Galaxy DAO(ギャラクシーダオ)がトレードプラネットと仮想通貨(暗号資産)PNTをリリースする方針なのが見て取れます。しかし、Galaxy DAOが顧客資産を返金するのか、GEMFOREXのサービス再開するのかは分かりません。上記で解説したように、GEMFOREXの買収劇が責任逃れの行為の可能性もあります。
いずれにせよ、詳細が明らかになっていない以上、Galaxy DAOの今後の対応で、真っ当な取り組みなのか見極める必要がありそうです。トレードプラネットや仮想通貨PNTを利用するかは、それからでも遅くなさそうです。
作成日
:2023.08.03
最終更新
:2024.06.02
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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