作成日
:2023.08.16
2024.06.13 07:58
2023年8月15日、海外FX業者のGEMFOREX(ゲムフォレックス)を買収したGalaxy DAO(ギャラクシーダオ)が、ホワイトペーパーを公開しました。2022年末にGEMFOREXで発生した未出金問題への対応が期待されており、多くのユーザーの注目を集めています。
ホワイトペーパーでは、GEMFOREXユーザーへの補償についても記載されています。今回のホワイトペーパーで明らかになった補償内容をまとめました。
2023年8月1日にGEMFOREX(ゲムフォレックス)の事業は、完全にGalaxy DAO(ギャラクシーダオ)に引き継がれます。同日付でGemtrade LLCが保有するすべての権利およびユーザー情報は、Galaxy DAOに委譲されることになります。
以降はGEMFOREXの取引プラットフォームを使用できなくなります。
現在、GEMFOREX(ゲムフォレックス)の公式サイトはGalaxy DAO(ギャラクシーダオ)のサイトに置き換えられており、GEMFOREXが提示していた補償内容やスケジュールは確認できなくなっています。
「https://web.archive.org」には、7月31日時点でのGEMFOREX公式サイトがアーカイブされており、最終更新日の内容を確認できます。
GEMFOREXが提示していた主な補償内容は以下の通りです。
また、8月以降のスケジュールも示されていました。
ホワイトペーパーの公開については予定通りといえるでしょう。しかし、ホワイトペーパーを見る限り、出金対応については不安の残る内容です。実際2023年8月31日までに出金対応は行われませんでした。次項ではホワイトペーパーで示されたGEMFOREXユーザーへの補償内容を紹介します。
Galaxy DAO(ギャラクシーダオ)が公開したホワイトペーパーでは、GEMFOREX(ゲムフォレックス)ユーザーへの補償についても記載されています。
ホワイトペーパーによると、GEMFOREXユーザーに対して「GBOND(GEMFOREX Bond)」というトークンを発行するとしています。GBONDは、GEMFOREXから引き継いだ債権を管理するためのトークンで、市場での売買や譲渡はできないようです。
GEMFOREXが以前発表した予定では、2023年8月31日までに元GEMFOREXユーザーにGBONDを発行する予定でした。しかし8月31日を過ぎてもGBONDは発行されませんでした。いつGBONDにてユーザーへの補償が行われるのかは現状未定です。
GBONDは、未出金の資金額に応じた量が発行されます。GEMFOREXからGalaxy DAOのプラットフォームへ移行する際に、1GBOND=1ドルとして扱われるとしています。GEMFOREXの口座に1,000ドルの資金が残っている場合、1,000GBONDが発行されます。
ホワイトペーパーとは開発チームが公開する文書であり、プロジェクトの全体像や将来像を示しています。ユーザーはホワイトペーパーを読み込んで、プロジェクトの成功可能性やリスク等を確認します。
GBONDはロックされた状態で発行されます。ロックを解除することで、ユーザーはGBONDを利用できるようになるようです。全額解除のみの対応となっており、発行されたGBONDの一部をロック解除することはできないとされています。
ロック解除は不可逆的なもので、一度解除すると再ロックはできないようです。加えて、GBONDのロックを解除した場合、Galaxy DAOが保有する債権の全額が決済されるとしています。
真意は不明ですがロック解除によって、未出金の資金を返還する義務がなくなるとも受け取れます。
GBONDのロックを解除せずに保有した場合、年利5%(月利0.416%)のDDT(Delayed Damages Token)が付与されます。DDTは毎月付与され、1DDT=1ドルとして扱われます。
GEMFOREXは出金が完了していないユーザーに対して、年5%の損害金を支払うとしていました。DDTは損害金として付与されるトークンと考えられます。しかし、現時点でDDTの具体的な機能は示されていないため、法定通貨や他の仮想通貨と交換できるのかは不明です。
ロック解除されたGBONDには、2つの機能があります。
1つはUSDCの借入機能です。USDCはサークル社が発行するステーブルコインで、米ドルの入金に対して1対1で発行されます。
ステーブルコインとは、価格の安定性を確保するため、特定の資産と価値が連動するように設計された仮想通貨(暗号資産)のことです。仮想通貨は、価格の上下動が激しいため、決済手段として実用性に課題があります。その課題を解決するためにステーブルコインが開発されました。
GBONDを預けることで、USDCの借り入れができます。Galaxy DAO内でのUSDCの借入限度額は5%となっており、1GBONDごとに0.05USDCを借り入れできるようです。今後さらに具体的な条件が示されると考えられますが、以下のような形でUSDCの借入限度額が変動する予定となっています。
借入金利については、今後発表されるホワイトペーパーで詳細が公開されるとしています。
日付 |
USDCの供給量
(総供給量)
|
借入限度額 |
---|---|---|
2023年9月 | 100万USDC | 5% |
2023年10月 | 120万USDC | 5.5% |
2023年11月 | 140万USDC | 6% |
2023年12月以降 |
Galaxy DAOの
収益に応じて増額
|
Galaxy DAOの
収益に応じて増額
|
USDCの供給量(総供給量)
2023年9月 | 100万USDC |
---|---|
2023年10月 | 120万USDC |
2023年11月 | 140万USDC |
2023年12月以降 | Galaxy DAOの収益に応じて増額 |
借入限度額
2023年9月 | 5% |
---|---|
2023年10月 | 5.5% |
2023年11月 | 6% |
2023年12月以降 | Galaxy DAOの収益に応じて増額 |
2つ目の機能は、stGBONDによる利息の支払いです。ロック解除したGBONDをステーキングすると、stGBONDというトークンで年25%の利息がユーザーに支払われるようです。
ホワイトペーパーによると、stGBONDはポリゴンブロックチェーン上で発行されるとのことです。DEX(分散型取引所)やCEX(中央集権型取引所)を通じて、公的に取引できるとされています。
分散型取引所とはブロックチェーン上で仮想通貨を売買できる取引所であり、中央管理者は不要です。分散型取引所を意味する「Decentralized Exchange」の頭文字をとってDEXとも呼ばれます。
また、stGBONDに以下のような機能を持たせることも検討しているようです。
Trade Planetsとは、Galaxy DAOが運営する取引所です。仮にホワイトペーパー通り、stGBONDが公的に取引できるようになったとしても、どの程度の価値がつくかは不明です。
また、ステーキングしたGBONDを取り戻すためには、預け入れ期間中に獲得したstGBONDを返金する必要があるとされています。
2023年9月15日からGBONDの残高確認ページの公開と、レンディング機能の提供が始まる予定です。
また2023年9月9日DiscordのアナウンスチャンネルにてGBONDの管理画面とされるスクリーンショットが公開されました。管理画面ではGBONDの保有状況やUSDCの借入状況などを確認できるようです。
Galaxy DAOでは、元GEMFOREXユーザー向けのサービスも提供する予定としています。現状では、以下のようなサービスを検討しているようです。
上記のサービスは海外FX業者では当たり前のサービスです。これらのサービスだけで実績のないTrade Planetsを利用したいと考えるトレーダーは少ないでしょう。
ホワイトペーパーの公開を受けて、SNS上では諦めや怒りの声を投稿するGEMFOREX(ゲムフォレックス)ユーザーも見受けられます。やはり独自トークンではなく法定通貨での出金を希望していたユーザーが多かったようです。
Galaxy DAO(ギャラクシーダオ)のサポート窓口であるディスコード上でも、おおむね似たような反応が見られます。特に日本円での出金を望む声が多いようです。
公開されたホワイトペーパーは、主にGBONDに焦点を当てた内容です。GBOND自体は債権を管理するためのトークンであり、法定通貨に換金することはできません。ホワイトペーパーでは、DDTやstGBONDについて説明されていますが、DDTについては具体的な用途が不明です。
現状では、法定通貨と交換できる可能性があるのはstGBONDだけです。しかし、stGBONDもGEMFOREX(ゲムフォレックス)に預けていた資金に見合う価値がつくかどうかは不明です。法定通貨での出金を望む声も多く、GEMFOREXユーザーにとっては期待外れの結果となりました。
今後もホワイトペーパーや公式サイトを定期的に確認して、情報をチェックする必要があるでしょう。
作成日
:2023.08.16
最終更新
:2024.06.13
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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