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【初心者向け】海外FXのメリット・デメリットと会社選びのポイントを解説

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update 2024.07.30 10:07
【初心者向け】海外FXのメリット・デメリットと会社選びのポイントを解説

update 2024.07.30 10:07

「海外FX」とは、海外に本社がある業者を利用したFX取引のことを指します。国内に本社がある業者を利用する場合は「国内FX」と呼ばれます。

海外FXには、国内FXよりも高いレバレッジでの取引が可能であったり、ゼロカットにより入金額以上の損失が発生しないなどのメリットがあります。一方で、適用される税制の違いや日本語サポートの有無など、注意しなければならないデメリットもあります。

この記事では、海外FXに興味を持っている初心者向けに、国内FXと比較した際の海外FXのメリット・デメリットを中心に解説していきます。記事を読んで、海外FXを始める前に知っておくべき基礎知識を身につけましょう。

海外FXとは

日本に居住する人でも、海外のFX会社に口座を開設し、FXの取引を行うことができます。海外のFX会社を利用して取引を行うことは、慣習的に「海外FX」と呼ばれています。

日本国内では、金融商品取引業者として金融庁に登録していない海外のFX会社が、勧誘活動を行うことは禁止されています。一方で、日本のトレーダーの海外FX会社の利用を禁止する法律はなく、現状では海外FX会社を利用することに問題はありません。

海外FX会社の日本法人は国内業者と同等

海外に本社があるFX会社でも、日本法人を設立し、金融商品取引業者として金融庁に登録している企業があります。

FX業者 金融商品取引業者 海外FX業者
営業拠点 海外と国内 海外
金融庁への登録 あり なし
取引条件 国内FXと同等 自由に設定可能

金融商品取引業者

営業拠点 海外と国内
金融庁への登録 あり
取引条件 国内FXと同等

海外FX業者

営業拠点 海外
金融庁への登録 なし
取引条件 自由に設定可能

金融庁に登録しているFX会社の日本法人には、基本的に国内FX会社と同じ条件が適用されます。そのため、一般的に海外FX会社と呼ばれているFX業者とは異なり、レバレッジなどは国内FX会社と同等となります。

海外FXのメリット

国内FXと比較した海外FXのメリットとして、高いレバレッジやゼロカットシステムなどが挙げられます。

  • 高いレバレッジでの取引が可能
  • ゼロカットにより入金額以上の損失がない(追証がない)
  • 通貨ペアの種類が豊富
  • 約定拒否が起こりにくい

それぞれのメリットについて解説します。

高いレバレッジでの取引が可能

国内FXは法律により最大レバレッジは25倍となっていますが、海外FXでは業者によって異なりますが、400倍~1,000倍、もしくはそれ以上の高いレバレッジでの取引が可能です。

レバレッジとは、「自己資金の何倍の取引が可能か」を示す数値ですので、レバレッジ1,000倍の場合、1,000円の証拠金で1,000倍にあたる100万円分の取引が可能です。

レバレッジ

レバレッジを利用すると期待できる利益も大きくなるため、同額の資金を運用する場合、海外FXは国内FXよりも大きな利益が期待できます。

国内FXのレバレッジ25倍と、海外FXの500倍や1,000倍のレバレッジを比較すると、単純計算で20倍、40倍の利益を上げることができます。

ただし、損失が発生した場合、レバレッジが大きいほど損失も大きくなるので注意しましょう。詳しくはデメリットの項目で解説します。

point ハイレバレッジではポジション量の管理が重要

FX会社のレバレッジ表記は、「最大レバレッジ」であり、資金量に対してポジション量を少なくすれば、「実効レバレッジ」を引き下げることができ、資金を一気に失う事態は避けられます。ハイレバレッジ取引ではリスクも高くなるため、自己資金に対する適切なポジション量を投資家自らが考える必要があります。

ゼロカットにより入金額以上の損失がない(追証がない)

海外FXでは、急な相場変動などによりロスカットが間に合わず損失が発生した場合、FX会社が損失を負担します。この仕組みは「ゼロカット」と呼ばれています。国内FXと異なり、トレーダーが入金した金額を上回る損失を負う心配はありません。

ゼロカット

ゼロカットと混同されやすいFXの仕組みの一つに、「ロスカット」があります。ロスカットとは、トレーダーが保有するポジションの含み損が一定水準に達したとき、強制的に決済が行われる仕組みのことです。

ロスカットは、トレーダーの損失が膨らむのを防ぐための仕組みですが、相場の急変時には決済が間に合わず、入金した保証金を上回る損失が発生する場合もあります。

ロスカット

ロスカットが的確に発動せず、証拠金額を超える損失が発生したとき、国内FXではトレーダーがマイナスになった証拠金を補填しなければなりません。

一方、ゼロカットシステムを採用する海外FXでは、ロスカットが的確に執行されなかった際の損失はFX会社が負担します。トレーダーが保証金以上の損失を負うことはない点は、海外FX業者を利用する大きなメリットといえるでしょう。

通貨ペアの種類が豊富

取り扱い通貨ペアは業者によって異なりますが、国内FXよりも海外FXの方が銘柄は豊富な傾向にあります。

国内FXではドル円やユーロ円など、クロス円を中心とした通貨ペアが多いですが、海外FXでは米ドルを中心にクロス円以外のさまざまな通貨ペアを取引できます。

ユーロやポンドとドル以外の通貨を組み合わせた通貨ペアのほか、ノルウェー・スウェーデンやシンガポールの通貨など、マイナーな通貨を取引できる点も海外FXのメリットです。もちろん、メキシコペソやトルコリラなどの国内FXで人気の高金利通貨ペアも、ドル建てやユーロ建てで取引ができます。

約定拒否が起こりにくい

市場が短時間で大きく動いているとき、トレーダーが注文ボタンをクリックしても約定拒否となる場合があります。狙ったタイミングでの注文や損切りができないため、トレーダーにとっては不利なシステムです。

約定拒否の有無はFX会社によって異なりますが、現在ほとんどの海外FX業者はNDD方式(No Dealing Desk方式)を採用しているため、約定拒否は発生しません。一部の約定拒否が発生する可能性のある約定方式を採用している海外FX業者は約定方式を「Instant方式」と表記しているはずですので、約定拒否の発生有無を確認したい方は約定方式を確認してみましょう。

NDD方式は、顧客の注文にディーラーが介入することなく、機械的に処理が行われることが特徴です。トレーダーがFX業者に出した注文は、カバー取引としてインターバンクに発注されます。(FX業者内でのマッチングが先に行われる場合もあります)

DD方式とNDD方式

DD方式とは、FX会社のディーリングデスクとトレーダーが取引を行う方式のことです。FX会社に不利な状況下では、トレーダーの注文が約定拒否される可能性があります。

NDD方式では、トレーダーはインターバンク市場でFXの取引を行います。インターバンク市場とは銀行間取引市場とも呼ばれ、金融機関同士が資金の取引を行う市場です。FX会社を介さずに取引ができるので、FX会社による約定拒否は起こりません。

多くの海外FX会社はNDD方式を採用しているため、国内FXに比べて約定拒否が起こりにくいメリットがあります。

海外FXのデメリット

国内FXとの比較における海外FXの主なデメリットは以下の3点です。

  • ハイレバレッジ取引ではリスクも高くなる
  • 税率が高い
  • 日本語サポートが無い場合がある

海外FXを利用する上で、知っておきたいデメリットを解説します。

ハイレバレッジ取引ではリスクも高くなる

メリットで解説したように、海外FXは国内FXよりも高いレバレッジをかけた取引ができます。しかし、ハイリスク・ハイリターンのハイレバレッジ取引では大きな利益が期待できる一方、損失額も大きくなります。

海外FXでは100倍以上のレバレッジで取引することもできますが、レバレッジを利用すると損失も100倍になる可能性もあります。運用は余剰資金のみに留めるなど、トレーダー自身によるリスクのコントロールが不可欠です。

point レバレッジを利用する場合は証拠金維持率に注目

株などの現物取引では、投資金額と購入金額がイコールなので、株価が暴落したとしても損失額を把握しやすく、また株価が0円になってしまう可能性は限りなく低いです。その一方、FXでレバレッジをかけた取引をしている場合は、取引に慣れないと損失額が分かりづらく、また証拠金維持率が一定の水準を下回るとロスカットが執行されます。そのため、証拠金維持率を把握しておくことが欠かせません。

税率が高い

海外FXと国内FXとでは、利益に対する所得税・住民税の課税方式が異なります。国内FXの税率は約20%ですが、海外FXは約15%~55%です。

詳しく解説すると、国内FXにかかる税金は申告分離課税が適用されます。国内FXの利益に対し、一律で20.315%の税金がかかります(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)。

海外FXの利益には、雑所得扱いとなり、給与所得や事業所得、不動産所得などと合わせて課税される総合課税方式が適用されます。総合課税では所得に応じて税率も高くなります。

項目 国内FX 海外FX
税率 申告分離課税
一律
累進課税
給与や事業所得などと合算
所得税 15% 5~45%
住民税 5% 10%
復興特別所得税 0.315%
(所得税額の2.1%を課税)
2.1%

国内FX

税率 申告分離課税
一律
所得税 15%
住民税 5%
復興特別所得税 0.315%
(所得税額の2.1%を課税)

海外FX

税率 累進課税
給与や事業所得などと合算
所得税 5~45%
住民税 10%
復興特別所得税 2.1%

さらに、住民税10%、復興特別所得税2.1%が課税されるため、所得税・住民税を合わせた税率は約15%~55%となります。国内FXでは所得税・住民税を合わせた税率は約20%のため、同じ利益を得られた場合、海外FXの方が税金が高額となります。

ただし、年末調整により所得税などが精算される会社員で、海外FXの利益を含む雑所得が20万円以下の場合など、確定申告が不要な方もいます。場合によっては国内FXよりも税率が下がるケースもあるので、正確な税額を知りたい方は、税理士などの専門家に相談した方がよいでしょう。

point 海外FXでも確定申告が必須

海外FXの取引で得た利益を申告しなかった場合、ペナルティとして無申告加算税や重加算税を課される可能性があります。国内の金融機関は、一定額以上の国外送金・出金があった場合、税務署に届け出なければなりません。加えて、国税庁では租税条約によって、海外の税務当局から情報提供を受けられる体制を構築しています。そのため、脱税はほぼ不可能です。

日本語サポートが不十分な場合がある

海外FXは本社が外国にあるため、日本語でのサポートが十分とは限りません。日本語サイトがあり、「日本語サポート対応」と書かれていても、英語でのサポートと比較すると時間が限られていたり、英語担当者がGoogle翻訳で対応していたりすることもあります。

日本語対応が不安な海外FX業者は、問い合わせ窓口やウェブサイト、アプリが日本語に対応しているか確認してから、利用するFX会社を決めましょう。一度試しに問い合わせしてみるのもいいでしょう。また、サポートの対応時間や連絡方法なども、事前にチェックしておくことが大切です。

海外FX業者選びでチェックしたい点

海外FXを始めるなら、まずは利用するFX会社を選んで口座を開設する必要があります。会社によって特徴が異なるので、各社を比べて慎重に検討しましょう。その際、特に気をつけて確認したいポイントを解説していきます。

会社の信頼性

最も重要なのがその海外FX会社が信頼できるかどうかです。信頼性が低い会社だと、せっかく取引を開始しようとしてもきちんと取引できない、突然資金がなくなってしまうなどのトラブルに巻き込まれることがあります。また出金拒否や口座凍結などにより資金を失う可能性もあるので注意が必要です。

信頼度を確認する1つの方法として、金融ライセンスの確認をしましょう。

モーリシャス金融サービス委員会やセーシェル共和国金融庁など、海外の金融ライセンスを保有しているかどうかチェックしてみて下さい。ライセンスを取得した会社は、その国における一定の基準(資本金の額など)を満たしたFX業者と判断できます。

point 金融ライセンスとは

金融ライセンスとは、管轄地域を監督する機関に許可を取り、金融事業を運営するために必要な許可のことです。規制の厳しいライセンスを取得しているFX業者は、経営状態や運営などに一定の信頼性があると判断できます。ただし、日本へサービスを提供する法人のライセンスはオフショアライセンスであることが多いため、グループ全体で保有する金融ライセンスに注目しましょう。

ボーナスの有無

海外FX会社の中には、数千円から数万円の口座開設ボーナスがもらえる会社があります。自己資金を運用する前に試しに使ってみたい方などは、ボーナスを使ってトレードを始めるとよいでしょう。

ボーナスを出金することはできませんが、ボーナスを利用して得た利益は出金可能です。損失が発生してボーナス分の資金が減っても、トレーダーが補填する必要はないので、ボーナスのみの運用であればリスクなしでトレードを体験できます。

スプレッドが狭いかどうか

スプレッドとは、トレーダーが取引をする際の買値と売値の差のことです。スプレッドは取引コストとなるため、狭い方が利益を出しやすくなります。

スプレッド

海外FX会社の口座は、手数料不要の口座と手数料が別途手数料が必要な口座の2種類に分けられます。口座の種類によって、スプレッドや手数料などの料金体系が異なり、通常は手数料が必要な口座の方がトータルの取引コストが低く設定されています。また、同じタイプの口座であっても、FX会社によってスプレッドが異なります。

スプレッドを事前に比較し、利用するFX会社を決める際の参考にしましょう。

海外FXは高レバレッジ取引がしたい人向け

海外FXの特長を簡単にまとめると、「高いレバレッジで取引ができ、ゼロカットシステムにより保証金を超える損失を負うことはない」といえます。レバレッジを重視してFX業者を選ぶのであれば、海外FX業者を利用した方がよいでしょう。

ただし、レバレッジが高すぎると、ハイリスク・ハイリターンの取引となるため、損失が大きくなるリスクがあります。少額の運用に留めるなどの工夫をして、リスクのコントロールをしましょう。

海外FX業者で取引する場合は、メリットとデメリットの両方を理解した上で、自身の取引スタイルに合わせた会社を選ぶことが重要です。


Date

作成日

2023.02.20

Update

最終更新

2024.07.30

Myforex編集スタッフーFX担当ー

短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。

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