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crvUSDの仕組みを解説|Curve Financeで発行されるステーブルコイン

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update 2023.08.04 14:58
crvUSDの仕組みを解説|Curve Financeで発行されるステーブルコイン

update 2023.08.04 14:58

caution Curve Financeがハッキング被害に

2023年7月31日、Curve Financeがハッキングされました。crvUSDに影響はなかったものの、多額の資金が盗難に遭った模様です。

下の画像は、Curve FinanceのTVL(預け入れ資金の総量)です。直近でユーザーが逃げており、TVLが48%ほど減少しています。

Curve FinanceのTVL

画像引用:DefiLlama

なお、crvUSDのチャートは下の通りです。デペッグしていませんが、やや下落しています。今後の価格動向に注意が必要かもしれません。

crvUSDのドル建て価格

画像引用:CoinMarketCap

当記事執筆時点においてはネガティブなニュースで関心を集めているものの、Curve Financeのステーブルコイン「crvUSD」は革新的な清算アルゴリズムを備えており、その点でも注目を集めています。

当記事ではcrvUSDの概要を説明した上で、仮想通貨市場に存在する他のステーブルコインとどのように異なるのかを解説していきます。

crvUSDとは

crvUSDは、Curve Financeのステーブルコインです。Curve Financeは代表的なDEX(分散型取引所)であり、仮想通貨のスワップや流動性マイニングなどのサービスを提供しています。

point 流動性マイニング

流動性マイニングとは、DEXなどに2種類の仮想通貨をペアで貸し出して流動性を提供することです。イールドファーミングとほぼ同義の言葉として使われることもあります。流動性の提供と引き換えに独自仮想通貨を報酬として獲得できる一方、価格変動で損失を被ることもあります。

なお、crvUSDは米ドルに連動するように設計されており、DEXで利用したり運用したりできます。

仮想通貨担保型ステーブルコイン

主流のステーブルコインは、米ドルなどの法定通貨を価値の裏付けにして発行されます。それに対し、crvUSDは担保付債務ポジション(CDP、collateralized-debt-position)と呼ばれ、仮想通貨を担保にして発行されます。この仕組みは、DAIでも採用されています。

当記事執筆時点(2023年8月2日)において、担保として使用できるのはETH(イーサリアム)やwBTC(ラップドビットコイン)など4種類となっています。この種類は、DAOでの投票を経て増える可能性があります。

革新的な清算の仕組み「LLAMMA」

crvUSDはLLAMMA(Lending Liquidation AMM Algorithm)と呼ばれる清算アルゴリズムを備えており、従来の清算方法に比べてユーザーにとってメリットが大きいと考えられます。

アルゴリズム型ステーブルコインに似た方法も

また、crvUSDの価格を1ドルで安定させるために、アルゴリズム型ステーブルコインに似た方法も用いています。

ただし、アルゴリズム型ステーブルコインは、法定通貨を直接保有する方法に比べてデペッグのリスクが高いと考えられます。過去には、テラ(LUNA)のアルゴリズム型ステーブルコイン「UST」が、システムの欠陥でデペッグを起こし、価値がほぼゼロになる事態に陥りました。

point デペッグ

デペッグとは、ステーブルコインの価値が基準値から大きく乖離することです。準備金やアルゴリズムに対する信用不安などが生じるときに発生します。

knowledge USTのデペッグ

2022年5月、分散型ステーブルコインのUSTが米ドルとの連動性を失いました。USTは裏付けとなる資産を保有しないため、価格が崩壊してほぼ無価値になり、LUNAも同様にほぼ価値を失いました。この騒動により、時価総額にして4兆円以上が失われました。

TwitterでのcrvUSDの評判

crvUSDは、仮想通貨コミュニティで高評価を得ています。

Twitter(ツイッター)上では、crvUSDの効率的なシステムが注目されており、新しいアルゴリズム型ステーブルコインになり得るとの認識が広まっています。

crvUSDのTVL推移

crvUSDのTVLチャート

画像引用:DefiLlama

crvUSDのTVLは、おおむね右肩上がりで推移しています。当記事執筆時点(2023年8月2日)で、1億2,000万ドルを超えています。

crvUSDの仕組み

crvUSDの仕組みについて、いくつかの要素に分けて解説します。

発行と償還

crvUSDは、仮想通貨を担保に借り入れという形で発行されます。ETHやWBTCに加え、wstETHやsfrxETHなどのリキッドステーキングトークンを担保として利用できます。

point リキッドステーキングトークンとは

リキッドステーキングトークンは、Lido FinanceやRocket Poolなどのリキッドステーキングサービスが発行するトークンです。ETHを預け入れると、それと引き換えに手に入ります。DeFi(分散型金融)で運用したり、早期売却したりできます。

crvUSDを返却すれば、担保として預け入れた仮想通貨を取り戻せます。

LLAMMAの清算メカニズム

従来の仮想通貨担保型ステーブルコインは、担保価値がある一定の値を下回ると、担保全額が強制的に清算される仕組みになっています。

一方、crvUSDのLLAMMA(Lending Liquidation AMM Algorithm)は、そのプロセスを段階的に緩やかに実行します。

point AMMとは

AMMは「Automated Market Maker」の略称で、分散型取引所(DEX)で主に使われます。取引価格が自動的に決まる仕組みで、ユーザーは流動性を提供すると見返りに報酬を受け取れます。

LLAMMAでは、細かく分けられた価格帯ごとに担保が割り当てられ、担保となる仮想通貨の価格が低下していくと、少しずつそれが清算されてcrvUSDに交換される仕組みになっています。その後、価格が回復していけば、清算された仮想通貨が買い戻されていきます。

例えば、ETHを担保にcrvUSDを発行した場合は、担保価値とその割合に下の図のような変化が起きます。

LLAMMAによる清算プロセスの説明画像

ETH価格が下落すると、それに合わせて、徐々に担保がcrvUSDに置き換えられていきます。下落が継続すれば、ETHの割合が減り、crvUSDの割合が大きくなっていきます。価格が反転すれば、その反対の操作が行われます。

ETH価格の下落に伴って、担保価値は減少していきます。ある一定のところまで行くと、部分的でなく、強制的に全額が清算され、担保を取り戻せなくなります。

価格安定メカニズム

crvUSDは、価格安定メカニズムを通じて1crvUSD=1米ドルを保っています。

crvUSDの価格安定メカニズム

例えば、1crvUSDの価格が1米ドルよりも高くなる場合、crvUSDを無担保でミントして流動性プールに提供します。すると、crvUSDの供給量が増えて価格が下落しやすくなります。

point 流動性プールとは

流動性プールは、DEX(分散型取引所)のCurve Finance等で利用できる機能です。仮想通貨の貯蔵庫であり、ユーザーの要請に応じて仮想通貨売買の相手方になるなどします。

逆に、1crvUSDの価格が1米ドルよりも安くなる場合、流動性プールからcrvUSDを引き出してバーンします。すると、crvUSDの供給量が下がって価格が上昇しやすくなります。

point バーンとは

バーンとは、仮想通貨を永久に使えなくする行為を指し、仮想通貨を特定のウォレットに送ることで実行できます。そして、そのウォレットの秘密鍵は開発者を含めて誰も知りません。すなわち、送金したら最後、その中の仮想通貨は二度と使えなくなるため、あたかも紙幣が焼却(バーン)されたのと同様になります。

crvUSDを利用するメリット

crvUSDを利用するメリットは、次の通りです。

清算リスクの緩和

従来の仕組みでは、特定の条件が満たされると担保が清算され、手元に残るのは当初の投入額よりも小さい価値の仮想通貨になります。

その一方、crvUSDの場合、条件に合致すると徐々に担保が清算されます。また、仮想通貨の価格が上昇して担保価値が回復する場合、清算された担保は元の仮想通貨に戻される仕組みです。

このため、全ての担保が突然失われるリスクを緩和できます。

相場への過大なインパクトを軽減

特定の条件が満たされると全額が清算される場合、金額によっては市場への影響が大きく、清算の連鎖を招く可能性があります。

その一方、crvUSDは清算が徐々に行なわれるため、市場へのインパクトも限定的になります。

分散型である

ステーブルコインの代表格はUSDTであり、その他にも有名なステーブルコインがあります。それらは中央集権的に管理されており、裏付け資産の管理方法などが問題になってきました。

しかし、crvUSDは分散型であるため、この種の疑念や不正は生じません。

crvUSDのデメリット

その一方、デメリットも複数あります。

ハッキングのリスク

crvUSDはDEX(分散型取引所)のCurve Financeで発行されており、常にハッキングのリスクを抱えています。これはCurveに限らず、全てのDEX等に該当します。

2023年7月31日にCurve Financeがハッキングされており、この際にcrvUSDに影響はありませんでした。しかし、今後、別のハッキングが起きる場合、内容によってはcrvUSDが失われる可能性があります。

法制度

Defi(分散型金融)分野は法制度の整備が進んでおらず、今後の展開によっては開発等が現在よりも困難になる可能性があります。法規制が進むか、そしてどのような法規制になるかについて事前に予測することは困難なため、どのようになっても対応できる準備が必要です。

取り扱いは慎重に

2023年7月31日にCurve Financeがハッキングされ、コミュニティは大きく揺れました。crvUSDに影響はなかったものの、それはハッキングの内容がcrvUSDと異なる部分だったからであり、内容によってはcrvUSDが被害を受けていた可能性があります。

Defiプロジェクトはハッキングリスクが常に付きまといますので、自分のリスク許容度の範囲内で取引することが大切です。


Date

作成日

2023.08.02

Update

最終更新

2023.08.04

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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