作成日
:2023.07.28
2023.11.29 11:22
2023年6月、First Digital Labが手がけるステーブルコイン「FDUSD」が誕生しました。そして7月にBinanceに上場し、注目を集めています。
当記事では、FDUSDの概要や仕組み、利用する上でのリスクなどを解説します。
FDUSDは「First Digital USD」という名称のステーブルコインで、イーサリアム(ETH)とBNBチェーンで発行されています。また、米ドルと等価になるように設計されており、米ドルによって価値が裏付けられています。
2023年7月26日、大手取引所Binance(バイナンス)がFDUSDの上場を発表しました。
画像引用:Binance
技術的な問題を受けて一時的に上場が延期されましたが、その後すぐに上場しました。当記事執筆時点(2023年7月27日)で、BNB/FDUSD、FDUSD/BUSD、FDUSD/USDTの通貨ペアが取引可能です。
BinanceによるFDUSDの上場発表後、仮想通貨コミュニティでは注目が集まっています。大手仮想通貨メディアがこぞって報道し、Twitter(ツイッター)上でも拡散されています。
FDUSDは、FD121社がFirst Digital Labブランドで発行しています。実際には、First Digitalグループの会社によって運営されています。
FD121は米ドルの入金に応じて等価のFDUSDを発行し、入金された米ドルは準備金としてFirst Digital Trustによって管理・運用されます。
FD121は、米ドルとFDUSDの1対1での交換を保証しています。ユーザーがFUDUSDを償還すると、等価の米ドルが払い戻されます。
FDUSDの準備金はFirst Digital Trustによって運用されます。ユーザーの償還要請にいつでも応えられるよう、運用先は安全度が極めて高い方法に限定されています。
First Digital Trustが管理・運用する準備金は監査対象となっており、Prescient Assuranceなどの独立した第三者によって実施されます。そして、月次の監査結果は、First Digital LabsのWebサイトで公開されています。
FDUSDは、その他の中央集権型ステーブルコインと同様のリスクを抱えています。例えば、米ドルとのデペッグ、準備金の持ち逃げ、運営会社の倒産などが該当し、規制リスクも挙げられます。
仮想通貨市場では、ステーブルコインの市場規模が拡大しています。当記事執筆時点(2023年7月27日)では、その時価総額は17兆円を超えています。その中で、USDTやUSDC、DAIなどのステーブルコインがその地位を確立しており、シェアを伸ばしている状況です。
FDUSDは、このステーブルコインの覇権争いに加わる形となりましたが、需要を獲得できるのでしょうか。今後の発展に期待です。
作成日
:2023.07.28
最終更新
:2023.11.29
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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