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日本初上陸のDeFi関連銘柄、MakerDAOのメイカー(MKR)とダイ(DAI)とは

日本初上陸のDeFi関連銘柄、MakerDAOのメイカー(MKR)とダイ(DAI)とは

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update 2023.03.16 15:54
日本初上陸のDeFi関連銘柄、MakerDAOのメイカー(MKR)とダイ(DAI)とは

update 2023.03.16 15:54

2022年2月、仮想通貨(暗号資産)のメイカー(MKR)とダイ(DAI)が日本で初めてGMOコインに上場したことが話題となりました。特に法定通貨を基準に安定的な価値を持つダイは、日本国内で初めて取り扱われるステーブルコインということもあって注目を集めています。

メイカーとダイは、「より優れた暗号通貨」をコンセプトにプロジェクトを展開するMakerDAOというDAO(分散型自立組織)が管理する仮想通貨です。MakerDAOは、メイカーとダイを軸にDeFi(分散型金融)関連サービスの利用を促進していますが、これらの仮想通貨はどのような仕組みで成り立っており、どのようなメリットを提供してくれるのでしょうか。

メイカーはDAOの運営で使用

MakerDAOにおいて、メイカー(MKR)は主にガバナンストークンの役割を担っています。ガバナンストークンとは、プロジェクトの新しい機能の追加・削除・変更や開発などの意思決定に用いられる仮想通貨で、改善提案に対する投票権の働きをします。これはDAOを採用するブロックチェーンで広く採用されており、分散型の構造を維持する上で重要なシステムです。

具体的には、メイカー保有者はメイカーを特定のコントラクトに送金して投票します。MakerDAOではメイカーの保有量が投票数に反映されるので、より多くのメイカーを保有するユーザーの意向が反映されやすくなります。従って、MakerDAOは大きな金銭的リスクを背負う保有者の意見を尊重しつつ、民主的なシステムを構築しているといえるでしょう。

knowledge 分散型の構造を強化するMakerDAO

2018年、MakerDAOはアンドリーセン・ホロウィッツやポリチェーン・キャピタルなどのベンチャーキャピタルから資金調達したことをきっかけに、開発活動を主導する非営利団体のメイカー財団を立ち上げました。しかし、MakerDAOは分散型の構造を強化することを念頭にメイカー財団を解散し、DAOによる運営に完全移行しました。当記事執筆時点で、MakerDAOはDAOによって運営される代表的な仮想通貨関連プロジェクトとして認識されています。

メイカーはガバナンストークンとして以外にも、ユーティリティトークン(他の資産との交換や特定のサービスの支払いとして利用される仮想通貨)としての側面も持っています。メイカーはダイを発行するプロセスで必要な手数料である「スタビリティ・フィー」の支払いに利用することも可能です。ちなみにスタビリティ・フィーは他の仮想通貨でも支払うことができるため、メイカーの保有がダイ利用の必須条件になっているわけではありません。

ダイは法定通貨の裏付けが不要

通常、ステーブルコインは米ドルを始めとする法定通貨に1対1の比率で価値を裏付けられています。例えば、世界最大のステーブルコインであるテザー(USDT)は、1ドルと引き換えに同仮想通貨を発行しており、米ドルに対する価値の安定を実現しています。また、テザーでは、同仮想通貨を発行するテザー社が担保として入金された米ドルを管理し、定期的に監査報告書を発行することでシステムの透明性が守られています。

一方、MakerDAOは法定通貨を必要とせず、仮想通貨を担保に米ドル基準のステーブルコインであるダイ(DAI)を発行します。当記事執筆時点ではイーサリアム(ETH)、ビットコイン(BTC)、チェーンリンク(LINK)、ユニスワップ(UNI)、ヤーン・ファイナンス(YFI)、マナ(MANA)、ポリゴン(MATIC)、ジェミニドル(GUSD)などが担保として受け入れ可能です。

法定通貨と異なり仮想通貨は価格変動が激しいことから、ステーブルコインの担保としては不向きだといわれていますが、ダイは担保となる仮想通貨毎に「最低担保比率」を設けてその課題を克服しています。例えば、イーサリアムの最低担保比率は約170%に制限されており、1,700ドル相当のETHを担保にすると最大1,000ドル相当のDAIを発行することができます。その後、イーサリアム価格が下落して担保比率が最低担保比率を下回る場合、強制的に担保が精算される仕組みです。

ETHを担保にDAIを発行

このように、MakerDAOはダイの発行にあたって余裕を持った担保を確保し、仮想通貨価格の急落にも耐え得るシステムを構築しています。仮想通貨価格が急落しても最低担保比率を維持したければ、ダイの発行を抑えて担保比率を高く保つことが重要です。なお、担保となった仮想通貨はダイを返却すると取り戻すことができます。

ちなみに、当記事執筆時点でダイはGMOコインやBinanceなどの大手取引所で広く取り扱われているので、現物市場から直接調達することもできます。これらの取引所の口座を持っているのであれば、証拠金などを気にする必要もないので、現物を購入する方が便利かもしれません。

ダイが利用可能なDeFi関連サービス

DeFi関連サービスとは、ブロックチェーンを用いた金融分野のサービスを指します。具体的には、分散型取引所(DEX)、仮想通貨レンディング(仮想通貨を利用した貸付)、仮想通貨ローン(仮想通貨を担保としたローン)が挙げられますが、ダイ(DAI)はこれらのDeFi関連サービスに対応しています。以下、利用例をいくつか紹介します。

DeFi関連サービスの説明画像

カーブ・ファイナンス

カーブ・ファイナンス(Curve Finance)はイーサリアムブロックチェーン上で構築されている分散型取引所で、ステーブルコインの流動性が豊富なことが特徴的です。また、中央集権型取引所に上場されていない仮想通貨も取引可能なことから、草コイン(時価総額が低いマイナーな仮想通貨)投資に利用することに適しています。その中でダイは、他のステーブルコインと並んで取引通貨として利用されています。

コンパウンド

コンパウンド(Compound)は分散型レンディングサービスが利用可能なプラットフォームで、保有する仮想通貨を預け入れることで金利を稼ぐことができます。金利の大小は需要と供給によって変動しますが、2022年2月時点でダイを預け入れた場合、年利2%台の金利収入を得ることが可能です。多くの国がゼロ金利政策を実施する中、米ドルとほぼ等価のステーブルコインで金利収入を稼ぐことができるので、レンディイングサービスは仮想通貨市場で重宝される存在となっています。

DeFiセーバー

DeFiセーバー(DeFi Saver)は、イーサリアムブロックチェーンを基礎にするDeFi関連サービスで、総合的な資産管理機能を持ち合わせています。DeFiセーバーは、前述のコンパウンドやアーべ(AAVE)、dYdXなど人気のDeFi関連サービスに自動的に資産を分配して、ベストな金利収入を得ることを可能にします。仮想通貨は価値の変動が激しいですが、ステーブルコインのダイであれば、DeFiセーバーに預け入れるだけで安定的に金利を稼ぎ出すことができます。DeFiセーバーは、仮想通貨の管理が面倒だというユーザーにとって有用なサービスだといえるでしょう。

MakerDAOのエコシステム拡大に期待

MakerDAOは、ダイ(DAI)を中心にDeFi関連サービスとの連携を拡大しています。それに伴って、ガバナンストークンであるメイカー(MKR)価格も上昇しており、2017年当初から飛躍的に成長を遂げています。

当記事執筆時点でメイカー価格は1,600ドル程度で推移していますが、これはビットコイン(BTC)や仮想通貨市場全体の影響を受ける形で下落した結果です。その一方、ダイは時価総額を増しており、仮想通貨市場全体で20位圏内、ステーブルコインとして5番目の規模になるまで成長しました。

対米ドルでのメイカー価格推移

画像引用:CoinMarketCap

MakerDaoのエコシステムが拡大してダイが普及していけば、メイカーの価値も高まっていくと考えられますが、どのような動きを見せるのでしょうか。メイカーやダイは日本国内でも取引可能になっているので、これを機に上記で紹介したDeFi関連サービスなどに触れてみるのも良いかもしれません。

メイカーとダイの買い方

メイカー(MKR)は、日本国内の取引所では購入できないため、Binance(バイナンス)やBybit(バイビット)などの海外取引所の利用することになります。

またダイ(DAI)は日本国内の取引所で購入できますが、資産の運用先が豊富である海外取引所を利用することがおすすめです。

メイカーの買い方

日本語対応の海外取引所でのMKRの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は下記の通りです。

取引所 現物 デリバティブ
Binance(バイナンス)
Bybit(バイビット)
Gate.io(ゲート)
CoinEX(コインイーエックス)
MEXC(メクシー)
BingX(ビンエックス)
Bitget(ビットゲット) ×

Binance(バイナンス)

現物 デリバティブ

Bybit(バイビット)

現物 デリバティブ

Gate.io(ゲート)

現物 デリバティブ

CoinEX(コインイーエックス)

現物 デリバティブ

MEXC(メクシー)

現物 デリバティブ

BingX(ビンエックス)

現物 デリバティブ

Bitget(ビットゲット)

現物 デリバティブ
×

ダイの買い方

日本語対応の海外取引所でのDAIの取り扱い状況(USDT建て現物・デリバティブ)は下記の通りです。

取引所 現物 デリバティブ
Binance(バイナンス) ×
Bybit(バイビット) ×
Gate.io(ゲート) ×
CoinEX(コインイーエックス) ×
MEXC(メクシー) ×
BingX(ビンエックス) × ×
Bitget(ビットゲット) ×

Binance(バイナンス)

現物 デリバティブ
×

Bybit(バイビット)

現物 デリバティブ
×

Gate.io(ゲート)

現物 デリバティブ
×

CoinEX(コインイーエックス)

現物 デリバティブ
×

MEXC(メクシー)

現物 デリバティブ
×

BingX(ビンエックス)

現物 デリバティブ
× ×

Bitget(ビットゲット)

現物 デリバティブ
×
binance bybit gate.io mexc

海外取引所は日本語対応が充実しているBybit(バイビット)がおすすめです。


Date

作成日

2022.02.24

Update

最終更新

2023.03.16

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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