作成日
:2023.03.01
2023.03.31 11:58
暗号資産(仮想通貨)ローンは、保有中の仮想通貨を担保にして、他の仮想通貨を借りられるサービスです。例えば、BTCを担保にUSDTを借り、USDTをレバレッジ取引の証拠金として活用する、といった使い方ができます。
この暗号資産ローンは、Bybit(バイビット)でも利用可能です。本記事では、Bybitの暗号資産ローンの使い道や強制決済などの注意点、使い方を紹介します。
Bybit(バイビット)の暗号資産ローンでは、暗号資産(仮想通貨)を担保として預けると、Bybitから他の仮想通貨を借りられます。保有する仮想通貨を売らずに別の仮想通貨を借りられ、取引や資産運用に利用できます。
借り入れた仮想通貨は、以下のようなBybitのサービス利用時に使えます。
なお、Bybit外へ出金することも可能です。
借りた仮想通貨を使って目的を果たしたら、ユーザーは借りた仮想通貨と金利を返済します。問題なく返済が行われると、担保に入れた仮想通貨はユーザーに返却されます。
上記が暗号資産ローンの基本的な仕組みです。
2023年3月22日現在、Bybitの暗号資産ローンで借りられる仮想通貨は39種類です。担保として預けられる仮想通貨は71種類です。いずれもBTCやETH、USDTなどの時価総額上位のトークンが中心となっています。
利用できるトークンは、暗号資産ローンのページから確認できます。
借り入れた仮想通貨を返すとき、金利を支払います。金利は以下のように、実際に借りていた時間に利率をかけて求めます。
支払う金利 =
借りていた時間(*1) × 1時間あたりの利率
(*1)1時間未満の時間は切り上げられ、1時間として計測されます。
注意したいのは、借り入れ時に指定した「貸付期間」を超過するとコストが増える点です。具体的には、貸付期間中に返済しないと「滞納期間」に移り、利率が通常の3倍となります。さらに、滞納期間中に返済しない場合、2%の「清算手数料」も要求されます。
ここで、暗号資産ローンの3種類のコストをまとめてみましょう。
通常の利率 |
実際に借りていた時間に掛ける利率です。
利率はサービスページで確認できます。
|
---|---|
滞納期間中の利率 | 滞納期間中は通常の3倍の利率がかかります。 |
清算手数料 | 滞納期間中に返済がないと、担保資産から借入額と金利、さらに清算手数料の2%が差し引かれます。 |
コストを増やさないために、遅くとも滞納期間中には返済するように注意したいですね。なお、滞納期間は以下のように、借り入れ時に選んだ貸付期間によって異なります。
貸付期間 | 滞納期間 |
---|---|
7日 | 48時間 |
14日 | 72時間 |
30日 | 168時間 |
90日 | 168時間 |
180日 | 168時間 |
暗号資産ローンを利用する上では、「LTV(ローン・トゥ・バリュー)」の意味も理解しておきましょう。LTVを理解すると、いくらまで借りられるかや、いくら借りるとリスクが高まるか等が分かります。
LTVは、担保額に対する借り入れの比率であり、「借り入れ / 担保額」と表せます。例えば10万円分のBTCを担保として預け、7万円分のUSDTを借り入れた場合、以下の通り、LTVは70%です。
LTV =
(7万円 / 10万円分)× 100 = 70%
上記の通り、「借り入れ額 / 担保額」で求められるLTVですが、具体的にどのように活用されるのでしょうか。Bybitの暗号資産ローンには3種類のLTVがありますので、それぞれ見てみましょう。
「初期LTV」は、ユーザーがいくらまで借りられるかを決めます。
例えば、初期LTVが70%の場合は、「担保額の70%までは借りられる」という意味になります。LTVが70%という条件において10万円を担保とするなら、ユーザーは7万円を上限として借り入れ額を指定します。
「強制決済LTV」は、借り入れの強制解除が行われる水準を表します。例えば、強制決済LTVが100%なら、「借り入れ:担保額 = 1:1」となった際に、借り入れが強制解除されます。
LTVは「借り入れ / 担保額」で求められますので、LTVが低いほど余裕がある状態、LTVが高いほど担保額の不足に近い状態だと言えます。担保としている仮想通貨価格の下落などによりLTVが高まると、借り手が返済不可に陥る可能性が出てきます。強制決済LTVは、そのような状態を未然に防ぐために設定されているのです。
強制決済を避けるには、LTVが強制決済LTVに近づいたら担保資金を追加するか、自分で借り入れを解除します。
「マージンコールLTV」は、ユーザーにリスクの高まりを知らせるために使われます。
前述の通り、強制決済されると清算手数料が徴収されるため、ユーザーにとっては不利です。そのため、LTVが高まったら担保資金の追加等の対応が必要になりますが、常にLTVを監視するわけにもいきません。
そこで役立つのがマージンコールLTVです。LTVがマージンコールLTVに達すると、メールやSMSが届きますので、ユーザーは危険を察知できます。
ここでは、Bybit(バイビット)の暗号資産ローンの使い道として、以下の4つを紹介します。
Bybitの暗号資産ローンは、レバレッジ取引の証拠金の調達に利用できます。レバレッジ取引とは、担保として証拠金を預けることで、証拠金の数倍の額を取引できるトレード方法です。
レバレッジとは、預け入れている証拠金よりも多くの金額で取引ができる仕組みのことです。レバレッジは「てこの原理」の「てこ」を意味しており、少ない資金でも大きな取引ができることをなぞらえた用語となっています。
レバレッジ取引の証拠金には、一般的にUSDTが利用されます。そこで、暗号資産ローンでUSDTを借り入れることで、レバレッジ取引の証拠金として活用できます。
Bybitでは、資産運用サービスとして「Bybitステーキング」や「流動性マイニング」などが利用できます。
こうした資産運用サービスでは、預けられる仮想通貨もあれば、預けられない仮想通貨もあります。また、預けられる仮想通貨の中にも、利率が高いものと利率が低いものがあります。
そこで、暗号資産ローンで報酬の利率が高い銘柄を借り、その他の銘柄を預けることで、効率的な資産運用ができる可能性があります。ただし、仮想通貨を借り入れた場合は金利が発生するので、支払う金利以上の報酬を得られるかは確認しておく必要があります。
Bybitの暗号資産ローンを利用し、アービトラージに活用することもできます。アービトラージとは、購入した仮想通貨を別の取引所でより高く売却する手法です。つまり、取引所間の価格差を利用して利益を出す方法です。
また、暗号資産ローンが誕生したことにより、アービトラージから派生したイールドアービトラージという手法も注目されてきています。
イールドアービトラージとは、低金利で借りた仮想通貨を別のプラットフォームにて高金利で貸し出す戦略です。
ちなみにアービトラージは、仮想通貨の自動売買などでよく使われる戦略です。
暗号資産ローンは現物取引のための資金調達にも活用できます。
例えば、保有しているビットコインは売却したくないものの、別の暗号資産を購入したいケースがあったとしましょう。こういった場合にビットコインを担保に入れて資金を借りることで、手持ちのビットコインを売却せずとも別の銘柄を取引できます。その後、借り入れた資金を返却すれば、ビットコインはユーザーに返却されます。
上記はあくまで例ですが、このように暗号資産ローンで資金調達を行えば、保有している仮想通貨を売却せずに他の銘柄を購入可能です。
前述の通り、初期LTVは担保に対する借り入れ可能額を決める指標です。例えば、初期LTVが70%なら、10万円の担保に対して7万円まで借りられることになります。また、強制決済LTVとは、借り入れの強制解除が行われる水準です。
Bybitの暗号資産ローンの初期LTV・強制決済LTVの水準を知るために、Binanceの暗号資産ローンと比較してみましょう。
比較項目 | Bybit | Binance |
---|---|---|
初期LTV | ほとんどが75% | 60%もしくは65% |
強制決済LTV | 95% | 83% |
初期LTV
Bybit | ほとんどが75% |
Binance | 60%もしくは65% |
強制決済LTV
Bybit | 95% |
Binance | 83% |
Binanceには初期LTVが60%と65%の銘柄もありますが、多くは60%に設定されています。一方、Bybitの暗号資産ローンでは、ほとんどの銘柄の初期LTVが75%となっています。
初期LTVが高いほど、少ない担保で多くの暗号資産を借り入れられ、逆に初期LTVが低いほど担保額に対する借り入れ可能額が少なくなります。Bybitの初期LTVは、比較的高めなので、少ない担保額で効率的に借り入れられます。
同様に、強制決済LTVもBybitの方が高く設定されています。そのため、Bybitで余裕のあるLTVで借り入れておけば、担保としていた暗号資産の価値が下落しても、強制精算に遭いにくくなります。
Bybitの暗号資産ローンの利率は銘柄によって異なるものの、Binanceでの条件と比べて、大きく不利なものはありません(調査日:2023年1月13日)。そのため、標準的と言えるでしょう。
以下は、2023年1月13時点でのBybitとBinanceの暗号資産ローンの利率を比較した表です。比較対象とした仮想通貨は、BybitとBinanceの両方で取り扱っているものを時価総額順にピックアップしています。
銘柄 | Bybitの利率(※1) | Binanceの利率(※1) |
---|---|---|
BTC | 0.00026% | 0.000310% |
ETH | 0.000358% | 0.000343% |
USDT | 0.000668% | 0.000491% |
USDC | 0.000976% | 0.000918% |
XRP | 0.000973% | 0.002000% |
DOGE | 0.000571% | 0.001500% |
BUSD | 0.000446% | 0.000388% |
Bybitの利率(※1)
BTC | 0.00026% |
ETH | 0.000358% |
USDT | 0.000668% |
USDC | 0.000976% |
XRP | 0.000973% |
DOGE | 0.000571% |
BUSD | 0.000446% |
Binanceの利率(※1)
BTC | 0.000310% |
ETH | 0.000343% |
USDT | 0.000491% |
USDC | 0.000918% |
XRP | 0.002000% |
DOGE | 0.001500% |
BUSD | 0.000388% |
(※1)1時間あたりの利率
銘柄によってはBinanceの方が利率が低いこともありますが、BTCやXRPなどの銘柄について、はBinanceよりもBybitを利用した方が低い利率で借り入れることができます。
Bybit(バイビット)の暗号資産ローンを利用するデメリットを紹介します。
Bybitの暗号資産ローンで借りられる銘柄数は、やや少なめです。2023年3月22日時点で借り入れ可能な銘柄は、Bybitでは39種類、Binanceでは100種類以上です。
ただし、時価総額が上位のBNBはBybitのみで借り入れられるなど、絶対的にBinanceが優位というわけではありません。希望の銘柄に応じて使い分けるという選択肢もあります。
暗号資産ローンを利用することで、かえって損をしてしまうシーンもあります。具体的には、以下の状況を挙げることができます。
また、仮想通貨を担保に入れると自由に利用や処理ができなくなり、これもデメリットです。
暗号資産ローンのデメリットとして、担保にしている仮想通貨が強制決済される可能性も挙げられます。Bybitでは、強制決済LTVが95%に設定されており、LTVがこの数値に達すると強制的に清算が行われます。
担保に入れている仮想通貨の価値が大きく下がった際には、追加の担保を入金するなど、LTVを用いたリスク管理を行う必要が出てくるでしょう。
Bybit(バイビット)の暗号資産ローンの使い方を、以下の4項目に分けて紹介します。
以下のボタンをクリックして、暗号資産ローンページにアクセスします。
暗号資産ローンのページへのアクセスは、トップページの「ファイナンス」にカーソルを合わせ、「暗号資産ローン」をクリックすることでも行えます。
以下のように借り入れ条件を設定し、利用規約にチェックを入れて「今すぐ借入」ボタンをクリックします。
番号 |
項目名 |
説明 |
---|---|---|
1 |
借りる銘柄 |
借りたい銘柄をリストから選択します。 |
2 |
預ける銘柄 |
担保として預けたい銘柄をリストから選びます。 |
3 |
借りる数量 |
借りたい数量を入力します。 |
4 |
預ける数量 |
担保として預けたい数量を入力します。 |
5 |
貸付期間 |
借りる期間を選びます。(※1) |
(※1)期間途中でも、一部もしくは全額を返済できます。
画面右側には利率や初期LTV、マージンLTV、強制決済LTVが表示されるので、確認しておきましょう。
借り入れ内容の最終確認を行い、問題なければ「はい」ボタンをクリックします。
注文内容が表示されれば、借り入れは完了です。
以下のボタンをクリックして、暗号資産ローンのページにアクセスします。
「お客様の借入額」をクリックします。
該当行の右端にある「詳細」をクリックすると、より細かな情報も確認できるようになります。
以下のボタンをクリックして、暗号資産ローンのページにアクセスします。
「お客様の借入額」をクリックします。
該当行の右側にある「担保金額の調整」をクリックします。
追加で預けたい数量を入力し、条件を確認します。問題なければ「はい」ボタンをクリックしてください。
担保資金を追加した旨が画面上部に表示されます。
以下のボタンをクリックして、暗号資産ローンのページにアクセスします。
「お客様の借入額」をクリックします。
該当行の右端にある「返済」をクリックします。
返済したい金額を入力し、条件を確認します。問題なければ「はい」ボタンをクリックしてください。
画面上部に「返済が完了しました」と表示されれば、返済は完了です。
Bybit(バイビット)は2022年後半から2023年初頭にかけて、暗号資産ローンを含む複数のサービスを追加しています。例として、Bybit WalletやApeX Proへの直接アクセスを可能にしたことが挙げられます。
さらに、Bybit口座残高からの支払いを可能にする「Bybit Card」のローンチも発表しました。これらのサービス追加により、Bybitは自由度を向上させています。
作成日
:2023.03.01
最終更新
:2023.03.31
2017年に初めてビットコインを購入し、2020年より仮想通貨投資を本格的に開始。国内外のメディアやSNSなどを中心に、日々最新情報を追っている。ビットコインへの投資をメインにしつつ、DeFiを使って資産運用中。
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