Select Language

米SEC、大手仮想通貨取引所Poloniexに罰金を科す

米SEC、大手仮想通貨取引所Poloniexに罰金を科す

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.04.20 12:28
米SEC、大手仮想通貨取引所Poloniexに罰金を科す

update 2022.04.20 12:28

証券取引を促進するプラットフォームの無許可運用を指摘

米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】は8月9日、米大手仮想通貨(暗号資産)取引所のPoloniexが証券取引を促進するプラットフォームを無許可で運用したとして、同取引所に約10万ドルの罰金を科したことを発表した。[1]

SECによると、Poloniexは2017年7月から2019年11月まで、投資契約に基づいた証券とみなされる仮想通貨を含むデジタル資産の取引を目的としたプラットフォームを運用していたにも関わらず、証券取引法に違反して当局への登録を怠っていたという。SECはPoloniexのプラットフォームがオーダーブックや取引エンジンを有すると同時に、非裁量的手段を用いて取引注文を執行させていたことから、同取引所が証券法で定義される「取引所」に該当するとの判断を下している。

2014年に設立されたPoloniexは、2017年8月頃からHowey Test(証券に該当するかを判断する基準)に抵触する可能性がある仮想通貨を積極的に取り扱う方針を示していたようだ。加えて2018年7月頃には、証券とみなされる中リスクの仮想通貨を提供することを決定し、同取引所におけるオファリングを拡大していた。これに対してSECの執行部門で責任者を務めるクリスティーナ・リットマン氏は、証券法を遵守するよりも利益を追求したと言及しており、Poloniexが当局の規制を回避しようとしたことを批判している。

SECは不正利得の返還として848万4,313ドル、その利息として40万3,995ドル、民事制裁金として150万ドル、合計1,038万8,309ドルの罰金をPoloniexに科しており、同取引所はその支払いに合意している。先日、SECはDeFi Money Marketを起訴するなど、仮想通貨市場での取り締まりを強化しているようだが、今後も当局の取り組みを見守っていきたい。

release date 2021.08.11

出典元:

  1. US Securities and Exchange Commission

    https://www.sec.gov/news/press-release/2021-147

ニュースコメント

comment

米仮想通貨関連企業のコンプライアンスリスクが高まる


USDコインの発行企業であるCircleは、2018年にPoloniexを買収したが、コンプライアンスリスクの高まりから翌年には同取引所を売却している。結果的にPoloniexは独立した企業として事業を継続するに至ったものの、米規制当局からの圧力などで国内市場からの撤退を余儀なくされているようだ。当時、CircleはNYSEへの上場を目指していただけに、グレーゾーンのアルトコインを多数取り扱うPoloniexを切り離したことは妥当な判断だったと言えるだろう。このようなコンプライアンスリスクへの懸念は、今年4月に株式上場を果たしたコインベースや、2022年に株式上場を検討するKrakenなどの事業展開にも影響を及ぼす可能性がある。米国では仮想通貨規制が年々厳しさを増しているが、仮想通貨を取り巻く環境はどのように変化していくのか、今後も米仮想通貨市場の動向に注目していきたい。


Date

作成日

2021.08.11

Update

最終更新

2022.04.20

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

Exnessでスワップフリーが突如剥奪されるバグ発生、対象者には補償予定

海外FX業者のExnessで突如スワップフリーが剥奪されたとするXの投稿が注目を集めています。Exnessはシステムのバグが原因と説明しており、スワップが発生したユーザーに対して補償する方針を示しています。
update2025.07.18 19:00

Vantage Tradingで出金拒否やトラブルが多発中?SNSで報告相次ぐ原因とは

Vantageで原因不明の出金拒否が、多数発生している声を取り上げていきます。Vantageで出金拒否が発生する理由や実際にVantageへ問い合わせた際の回答などもあわせて紹介していきます。
update2025.05.16 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル