作成日
:2021.03.18
2022.04.20 12:27
米国の大手仮想通貨取引所であるKraken(クラーケン)が、2022年に株式上場を検討していると、米経済ニュース専門局であるFoxビジネス(Fox Business)のリポーターを務めるCharles Gasparino氏が伝えた。
Gasparino氏によると、Krakenの経営陣が特別買収目的会社(Special Purpose Acquisition Company)【以下、SPACと称す】との合併、もしくは従来のIPO(イニシャルパブリックオファリング)プロセスを通じた株式上場を検討しているという。コインベースがナスダックへの直接上場を申請した他、直近では、eToroの上場計画が浮上している。
米国市場では未だ有力な仮想通貨取引所が上場していないが、競合する仮想通貨業界のユニコーン企業であるKrakenの推定評価額は、プライベートセール時において100億ドルに上るという。同社のCEOを務めるJesse Powell氏は以前、適正価格による株式上場の可能性を示唆したが、100億ドルの企業価値は低すぎると言及していた。尚、コインベースの推定評価額は1,000億ドルに達する見込みである他、eToroは100億ドル規模と試算されている。
Krakenの広報担当者は、2022年の株式上場を検討していることを認めた上で、企業規模に鑑みてSPACとの合併ではなく直接上場を行う可能性があると言及している。続々と有力な仮想通貨関連企業の上場が見込まれる中、同社が如何なる対応を見せるのか、その動向を見守りたい。
release date 2021.03.18
出典元:
ニュースコメント
更なる活性化が見込まれる米国仮想通貨市場
米国市場では、米証券取引委員会(SEC)の議長であるJay Clayton氏が辞任したことにより、2021年中のビットコイン(Bitcoin)ETF誕生への期待が高まっている。また、Paypal(ペイパル)やSquare(スクエア)などの新興企業が、仮想通貨市場規制の整備が進むニューヨーク州でビットライセンス(BitLicense)を取得してサービス展開を図っている。更に、BNYメロンやゴールドマンサックスといった既存金融機関も関連サービスの提供を試みるなど、複数のプレーヤーが同国市場で仮想通貨関連ビジネスの開拓を進めている状況だ。このような市場環境下において、米国人投資家は急成長を遂げる仮想通貨への投資機会を模索しているという。また、米みずほ証券は、新型コロナウイルス(COVID-19)経済対策の1つである給付金がビットコイン市場に流入する可能性を指摘している。投資商品・サービスの拡充や機関投資家による投資に加え、給付金を活用した同仮想通貨への投資拡大も見込まれる中、史上最高値を更新しているビットコインを始めとする仮想通貨市場の更なる活性化に期待したい。
作成日
:2021.03.18
最終更新
:2022.04.20
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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