作成日
:2021.03.18
2022.04.20 12:27
3月17日、仮想通貨ネム(NEM)の大型アップデートが完了し、新しいブロックチェーンであるシンボル(Symbol)がローンチされたことが明らかになった。
先日、アップデート作業中に問題が生じたことを理由に、NEM Groupはシンボルのローンチを延期していたが、今回、無事に同ブロックチェーンのリリースに成功したという。これに伴い、ネムを保有するユーザーには今月12日時点の保有数に応じて新しいネイティブトークンが配布される見通しだ。しかしながら日本国内では金融庁(Japan Financial Services Agency, JFSA)の認可が下りておらず、各仮想通貨取引所は法的な手続きが完了次第、対応を発表すると伝えている。
4年間の開発活動を経てリリースされたシンボルは、ネムの集大成とも言えるエンタープライズ規格のブロックチェーンだ。シンボルは現行のブロックチェーンであるNIS1と比較してセキュリティや処理能力に長けており、様々な用途に利用されることが想定されている。そのユースケースとしては、リトアニア銀行発行のLBCOINと呼ばれるCBDCや、Wave Kentucky Whiskey 2020 Digital Fundと呼ばれるウイスキーの棚卸資産に連動したトークン発行の事例が挙げられる。
NEM Groupはシンボルのプロモーションを計画しており、日本では日本経済新聞社と金融庁共催の「FINSUM2021」に幹部が登壇する予定になっている。その他、取引所でのトレードコンペティションなども開催されるようだが、仮想通貨コミュニティはどのような反応を示すのか、今後も仮想通貨市場での動きを見守っていきたい。
release date 2021.03.18
出典元:
ニュースコメント
日本市場でのプロモーション活動を強化するNEM Group
2018年に発生したコインチェックのハッキング事件を受け、ネムは日本市場でブランドイメージを損なうことになった。しかしながらシンボルのローンチを機に、NEM Groupはプロモーション活動を強化することでネムおよび同エコシステムの信頼を取り戻そうと試みているようだ。実際にNEM Groupは日本人向けのランディングページを立ち上げただけでなく、業界団体であるブロックチェーン推進協会(BCCC)に加盟しており、日本国内でのソリューション提供に注力する方針を示しているという。特にNEM Groupは金融やスマートシティ、トークンエコノミーを始めとする分野でプレゼンスを発揮し、パートナーシップを通じてイノベーションを加速させることを目指している。既にNEM Groupは日経産業広告社と提携するなど具体的な動きに出ているが、これがどのような成果につながるのか、今後も同社の取り組みに注目していきたい。
作成日
:2021.03.18
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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