作成日
:2021.07.27
2022.04.20 12:28
7月26日、ビットコイン価格(BTC/USD)は、直近のレンジ上値をブレイクして高騰し、一時4万ドルの大台に迫る動きを見せた。
これまでビットコインは弱気な値動きを示していたが、複数の好材料が出てきたことで買い優勢の状況に転じている。今回、ビットコイン価格は大量のショートポジションのロスカットを巻き込みながら上昇し、日足チャートの50日移動平均線を上回る高騰を記録するに至った。上方の4万ドルラインが強力な抵抗線となることが予想されているものの、この価格帯を抜ければ、ビットコイン価格が本格的な上昇トレンドに乗る可能性があると期待されているようだ。
依然として米連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board, FRB)によるテーパリング(量的緩和の縮小)や新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大などが不安視されているが、米株式市場の好調も相まって仮想通貨(暗号資産)市場のセンチメントはポジティブな方向に振れている。特にイーロン・マスク氏がテスラのビットコイン決済を再開する可能性を示唆したことに加え、Twitter(ツイッター)のCEOであるジャック・ドーシー氏が関連サービスで同仮想通貨の採用を計画していることを明かしたことが、仮想通貨市場への資金流入を加速させる要因となったという。
これに加え、クジラと呼ばれる大口投資家もビットコインを買い支えることで同仮想通貨価格の上昇に寄与している。ブロックチェーンアナリストのウィル・クレメンテ氏によると、1,000BTCから1万BTCを保有するクジラは、過去3週間の下落トレンドの中でも9万6,044BTCを買い集めているという。
反対に仮想通貨取引所が保有するビットコイン数は減少しており、月平均約3万6,000BTCが流出している。ビットコイン価格が復調の兆しを見せているだけに、今後も仮想通貨市場での展開を見守っていきたい。
release date 2021.07.27
出典元:
ニュースコメント
ビットコインの好調に恩恵を受けるアルトコイン市場
ビットコインの好調を受け、アルトコイン市場も盛り上がりを見せており、主要な銘柄が軒並み大幅なプラスを記録しているという。今月21日、仮想通貨関連イベントである「The ₿ Word」に出席したマスク氏がイーサリアムの保有を公表したことで、イーサリアム価格(ETH/USD)は同日中に7%を超える上昇を経験している。また、ETH2.0のバリデーター数が20万の大台を突破したことに加え、ロンドンアップグレードが迫っていることから、イーサリアム価格は上向きのモメンタムを増しているようだ。その他、バイナンスコイン価格(BNB/USD)も過去最大級の焼却処理(バーン)が実施されたことで高値を付けている。仮想通貨市場の時価総額が盛り返すためには、アルトコイン市場の成長および市場占有率の拡大が必須だと考えられるが、これら仮想通貨はどのように推移していくのか、今後も仮想通貨市場の動向に注目していきたい。
作成日
:2021.07.27
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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