作成日
:2021.07.26
2022.04.20 12:28
電気自動車メーカーのテスラ(Tesla)でCEOを務めるイーロン・マスク氏は7月21日、仮想通貨(暗号資産)業界のロビー団体であるCrypto Council for Innovationが主催した「The ₿ Word」に出席し、ビットコイン(Bitcoin)マイニングで使用される再生可能エネルギーに関するデューデリジェンスの実施後に、テスラのビットコイン決済を再開する可能性が高いとの見解を示した。
同カンファレンスにて、マスク氏はビットコインマイニングで再生可能エネルギーの使用率が50%かそれ以上である可能性が高く、この比率が上昇傾向にあることを確かめるべく、もう少しデューデリジェンスを行いたかったと言及している。これらが確認できれば、テスラはビットコイン決済を再開するだろうとの見解を述べている。また、マスク氏はテスラに加えて同氏が率いるロケット開発企業であるSpaceXがビットコインを保有している他、個人的にビットコインとイーサリアム(Ethereum)、ドージコイン(Dogecoin)を保有していることを明らかにした。加えて、マスク氏はポンピングをすることはあるかもしれないが、ダンピングはしないと言及すると共に、価格を釣り上げて売り抜けるようなことは決してせず、ビットコインの成功を見たいと述べている。これらの発言を受け、21日の取引でビットコインは6%上昇して節目の3万ドルを回復している他、イーサリアムは10%超上昇した。
2021年3月、テスラはビットコイン決済を開始した。しかしながら、ビットコインマイニングは膨大な電力を使用し、環境への負荷が懸念されるため、サービス開始から2ヶ月経たないうちに受付を停止していた。テスラに投資する一部の投資家や環境保護主義者らは、エコフレンドリーな電気自動車メーカーであるテスラが、エネルギーを大量消費する仮想通貨を利用することに対して批判を強めている。また、マスク氏が自身の人気や立場を利用して、仮想通貨を支持する姿勢を鮮明に打ち出していることに対しても批判の声が上がっている。
尚、The ₿ Wordにはマスク氏の他に、Twitter(ツイッター)およびSquare(スクエア)のCEOであるジャック・ドーシー氏やARK Investmentの創設者兼CEOであるキャシー・ウッド氏が参加した。
最近はビットコイン相場が軟調な展開となっていたが、マスク氏の発言を受け、ビットコイン買いの勢いが続くのか、今後もビットコインを始めとする仮想通貨市場の動向を見守っていきたい。
release date 2021.07.26
出典元:
ニュースコメント
仮想通貨決済への対応を進める海外FXブローカー
仮想通貨の利活用が着実に広がりを見せる中、テスラやTwitterなどの事業会社に加え、多くの海外FXブローカーも仮想通貨決済機能の強化を進めている。最近では、業界最安水準となる取引コスト(スプレッドと取引手数料の合計)と高い約定力を誇るExclusive Marketsがテザー決済を追加し、合計5種類の仮想通貨決済に対応している。同社は決済サービスのアップグレードも行っており、決済に伴う確認書類の提出が不要となった他、即時反映が可能となり、仮想通貨を用いた入金サービスの利便性が高まっている状況だ。また、独自性の高い取引サービスが魅力のeasyMarketsはマイクロビットコイン口座の新設を発表し、ビットコインを基本通貨とした入出金や取引に対応している。その他、有力海外FXブローカーの中では、仮想通貨の最大レバレッジを200倍に引き上げたExnessや、超高速約定が売りのBigBoss(ビッグボス)なども、ビットコインを始めとする仮想通貨に対応した入出金サービスを提供している。多くの海外FXブローカーが、顧客の利便性向上に繋がる仮想通貨決済機能を強化することに今後も期待したい。
作成日
:2021.07.26
最終更新
:2022.04.20
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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