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【IMMポジション】ポンド、7ヶ月半ぶりに売り越しに転じる

【IMMポジション】ポンド、7ヶ月半ぶりに売り越しに転じる

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update 2021.07.26 16:00
【IMMポジション】ポンド、7ヶ月半ぶりに売り越しに転じる

update 2021.07.26 16:00

ユーロ、ネットポジションの大幅減が継続

米商品先物取引委員会(CFTC)は7月23日、20日火曜日時点の建玉報告を公表した。[1]シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)通貨先物市場における投機筋の通貨別ポジションは下記の通り。

円、ネットポジションが増加

円は対ドルで5万5,731枚の売り越し(ネットショート)であった。ネットポジションは先週比で519枚の増加となる。尚、3月16日時点で約1年ぶりに円ショートに転じて以降、円の売り越しは19週間続いている。

IMMドル円ネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC JPY投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(円ロング)が前週比マイナス12.3%、売り建玉(円ショート)はマイナス5.7%となった。

【円ポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 40,440 35,474 -12.3%
ショート 96,690 91,205 -5.7%
ネット -56,250 -55,731 -

【円ポジション】

ロング
先週 今週 増加率
40,440 35,474 -12.3%
ショート
先週 今週 増加率
96,690 91,205 -5.7%
ネット
先週 今週 増加率
-56,250 -55,731 -

新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な拡大を背景とする、欧米株式の大幅下落や米長期金利の急低下を受け、19日の週初にドル円は約2ヶ月ぶりの安値水準となる109円07銭まで下落した。米10年債利回りは、2月以来となる1.12%まで低下した。しかしながら、その後は米主要株価指数が直近の下落分の全値戻しを達成し、週末23日にかけて史上最高値を更新する展開となった他、米長期金利の上昇が好感され、ドル円は110円55銭近辺まで買われて取引を終えている。

ユーロ、ネットポジションが約23%減

ユーロは対ドルで4万5,822枚の買い越し(ネットロング)となった。ネットポジションは先週比で13,891枚の大幅減少となる。IMMポジション集計後の22日に、欧州中央銀行(ECB)の理事会で、緩和策の長期化に向けた方針が示されるとの見方が広がり、ロングポジションを縮小する動きに繋がった模様だ。

IMMユーロネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC EUR投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(ロング)が前週比マイナス2.0%、売り建玉(ショート)はプラス6.3%となった。

【ユーロポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 212,851 208,669 -2.0%
ショート 153,138 162,847 6.3%
ネット 59,713 45,822 -

【ユーロポジション】

ロング
先週 今週 増加率
212,851 208,669 -2.0%
ショート
先週 今週 増加率
153,138 162,847 6.3%
ネット
先週 今週 増加率
59,713 45,822 -

欧州各国での新型コロナウイルスの感染再拡大懸念や欧州株の急落などを受け、19日の週央にかけて、ユーロは一時3ヶ月半ぶりの安値水準となる1.1752ドルまで売られる展開となった。その後は、注目のECB理事会がサプライズなく終えたことに伴う材料出尽くし感や、米新規失業保険申請件数が大幅に悪化したことによるドル売り圧力が高まったことを手掛かりに、ユーロドルは一時1.1831ドルまで上昇する場面が見られた。しかしながら、ECBによる緩和策の長期化観測が市場の重しとなる中、ユーロの買いの勢いは続かず、週末23日には1.1770ドルまで下落して取引を終えている。

ポンド、7ヶ月半ぶりに売り越しに転じる

ポンドは対ドルで3,497枚の売り越し(ネットショート)となった。ネットポジションは先週比で11,466枚の大幅減少となる。2021年に入り、新型コロナウイルスのワクチン接種の進展に伴う早期景気回復期待から、ポンドは買われる展開となっていた。しかしながら、足元ではデルタ株の感染拡大が広がっている他、英中銀が早期の金融緩和縮小に対して慎重な姿勢を堅持していることを背景に、ポンドは7ヶ月半ぶりに売り越しに転じている。

IMMポンドネットポジション

画像引用:MQL5経済指標カレンダーのCFTC GBP投機筋ポジション

建玉別の増減率を見ると、買い建玉(ロング)がマイナス1.0%、売り建玉(ショート)はプラス30.0%となった。

【ポンドポジション】

建玉 先週 今週 増加率
ロング 44,686 44,223 -1.0%
ショート 36,717 47,720 30.0%
ネット 7,969 -3,497 -

【ポンドポジション】

ロング
先週 今週 増加率
44,686 44,223 -1.0%
ショート
先週 今週 増加率
36,717 47,720 30.0%
ネット
先週 今週 増加率
7,969 -3,497 -

英国は19日の週から新型コロナウイルスのロックダウン政策の大半を解除したが、感染再拡大への懸念が根強いことがポンド売りに繋がっている。ポンドドルは19日の週初より売り優勢の展開となり、20日には5ヶ月半ぶりの安値水準となる1.3572ドルまで下落した。その後は、大幅下落の反動から買い戻しが入った他、欧米株式の上昇が好感されてリスク選好姿勢が強まったことなどを受け、週初からの下落を取り戻す展開となった。週末23日、ポンドは対ドルで1.3748ドルまで値を戻して取引を終えている。

円とスイスフラン以外でネットポジションが減少

円(JPY)、ユーロ(EUR)、ポンド(GBP)、豪ドル(AUD)、スイスフラン(CHF)、カナダドル(CAD)、NZドル(NZD)の7通貨では、安全通貨とされる円とスイスフランを除き、ネットポジションが減少した。その他の通貨のポジションは下記の通り。

【その他通貨ポジション】

通貨 建玉 先週 今週 増加率
AUD ロング 56,721 57,072 0.6%
ショート 85,509 92,762 8.5%
ネット -28,788 -35,690 -
CHF ロング 18,074 18,061 -0.1%
ショート 10,937 10,019 -8.4%
ネット 7,137 8,042 -
CAD ロング 63,107 59,883 -5.1%
ショート 36,731 46,968 27.9%
ネット 26,376 12,915 -
NZD ロング 20,627 20,671 0.2%
ショート 17,397 17,625 1.3%
ネット 3,230 3,046 -

【AUDポジション】

ロング
先週 今週 増加率
56,721 57,072 0.6%
ショート
先週 今週 増加率
85,509 92,762 8.5%
ネット
先週 今週 増加率
-28,788 -35,690 -

【CHFポジション】

ロング
先週 今週 増加率
18,074 18,061 -0.1%
ショート
先週 今週 増加率
10,937 10,019 -8.4%
ネット
先週 今週 増加率
7,137 8,042 -

【CADポジション】

ロング
先週 今週 増加率
63,107 59,883 -5.1%
ショート
先週 今週 増加率
36,731 46,968 27.9%
ネット
先週 今週 増加率
26,376 12,915 -

【NZDポジション】

ロング
先週 今週 増加率
20,627 20,671 0.2%
ショート
先週 今週 増加率
17,397 17,625 1.3%
ネット
先週 今週 増加率
3,230 3,046 -

release date 2021.07.26

出典元:

ニュースコメント

不透明感漂う欧州経済

ECBは22日に開催した理事会で、金融政策の先行き指針を示すフォワードガイダンスを変更した。8日に公表した金融政策の戦略検証に対応するものとなり、インフレ率の一時的な2%超えを容認し、超低金利を継続する方針を示した。またECBのラガルド総裁は、新型コロナウイルスのパンデミックが、引き続き欧州の景気回復のリスク要因になっていると指摘している。実際に、足元の欧州経済動向に目を転じると、デルタ株の感染拡大を受け、各国が規制を再強化し始めている状況だ。金融市場では、ドイツの10年債利回りが5ヶ月ぶりの低水準に低下している他、フランスも約3ヶ月ぶりとなるマイナス圏に沈んでおり、欧州経済の先行き見通しに不透明感が漂っている。またIMMポジションを見ても、ユーロのネットポジションは2020年8月に21万枚を超えていたが、直近はその5分の1ほどに縮小している。ラガルド総裁は9月に公表する経済予測がECBの今後の政策に影響を与えると述べており、引き続き欧州経済に影を落とす新型コロナウイルスの感染動向を注視する展開が続きそうだ。


Date

作成日

2021.07.26

Update

最終更新

2021.07.26

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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