作成日
:2021.07.07
2022.04.20 12:28
カナダの大手仮想通貨(暗号資産)投資会社であるIBC Groupが、中国におけるビットコイン(Bitcoin)およびイーサリアム(Ethereum)のマイニング事業から撤退することを表明した。
最近、中国政府は仮想通貨規制を強化しており、国内における約90%のマイニング事業者が営業を停止する事態に追い込まれているという。この流れを受け、IBC Groupは中国全土のマイニング施設を閉鎖し、アイスランドおよびカザフスタン、アラブ首長国連邦(UAE)、カナダ、米国、南米などの地域に人員を移動させることを決定したという。
IBC Groupの会長を務めるクラム・シュロフ氏は、このことに関して次のようにコメントしている。
中国での取り締まり強化は一時的な影響を与えますが、マイニング施設のロケーションが多様化されることは、世界の他の地域にとって素晴らしい出来事だと言えるでしょう。北米で最も急速に成長しているテクノロジーハブであるトロントに本社を置く企業として、我が社がこの変化を利用するのに有利な立場にあると感じています。
Khurram Shroff, Chairman of the IBC Group - PR Newswireより引用
巨大なマイニングハブとなっている中国が仮想通貨マイニングを禁止したことにより、仮想通貨市場ではハッシュパワー不足が懸念されている。ビットコインのマイニング難易度が下落するなど、既に問題が表面化してきているだけに、IBC Groupを始めとする大手マイニング事業者の早期復帰が望まれていると言えるだろう。
release date 2021.07.07
出典元:
ニュースコメント
新たなマイニングハブとして期待される北米
現在、仮想通貨市場ではマイニングによる環境負荷が問題視されており、再生可能エネルギーの利用を拡大することが急務となっている。既に北米ではテスラ(Tesla)のCEOであるイーロン・マスク氏およびMicroStrategyのCEOであるマイケル・セイラー氏の協力で、マイニング事業者がBitcoin Mining Councilの設立に合意し、この流れをサポートするための枠組みが整い始めているようだ。州レベルでもニューヨーク州がマイニング規制を目的とした法案を審議するなど、北米が次なるマイニングハブとなることを見越した動きが生じている。その他、シンシア・ルミス上院議員が誘致を呼びかけるワイオミング州や、テキサス州、ネブラスカ州、コロラド州などはマイニング事業者が中国から移転してくることを歓迎しているが、各企業はどのような判断を下すのか、今後も仮想通貨市場での展開に注目していきたい。
作成日
:2021.07.07
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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