作成日
:2021.06.09
2022.04.20 12:27
6月8日、ビットコイン価格(BTC/USD)は一時的に7%近いマイナスを記録し、3万3,000ドル付近にまで下落した。
今月に入ってからビットコイン価格は3万5,000ドルから4万ドルのレンジで推移していたが、今回、下限をブレイクアウトする形で大幅な暴落を見せた。これに関してOANDAのシニアアナリストであるジェフリー・ハレー氏は、米企業のColonial Pipelineがハッカーに身代金としてビットコインを支払った事件に対し政府当局が介入してきたことが、仮想通貨(暗号資産)市場の透明性を損ねると共に、同仮想通貨価格の変動に影響した可能性があるとコメントしている。また、Swissquoteのシニアアナリストであるイペック・オズカルデスカヤ氏は、ビットコイン価格が3万ドルを割ると売りが加速する恐れがあると述べた。
一方、エルサルバドルがビットコインを法定通貨として採用する可能性があると報道されたことに対して、各国の政府関係者は軒並み好意的な見解を示している。エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領がTwitter(ツイッター)のアイコンをビットコイン支持を意味する「レーザーアイ(目から赤いレーザーが出ているように写真を加工するインターネットミーム)」に変更したことに続き、多数の政治家が同様の行動に出ているようだ。 これに加えて、パラグアイのカルリトス・レジャラ議員は、新しい世代と共に前進していく必要があるとツイートしている。 また、パナマのガブリエル・シルバ議員は、ブケレ大統領のツイートを引用して、真のテクノロジーハブとなるには仮想通貨を受け入れる必要があると言及し、同国でも議会に法案を提出する準備を進めていることを伝えた。
先月末、ビットコイン価格は3万ドル付近にまで下落するなど、ボラティリティが高まってきているが、同仮想通貨は法定通貨として役割を果たすことができるのか、今後もその動向を見守っていきたい。
release date 2021.06.09
出典元:
ニュースコメント
ビットコイン投資のリスクを警戒するファンドマネージャー
今月5日、米大手投資銀行のゴールドマンサックスは仮想通貨市場に関するレポートを公開し、全ての機関投資家が仮想通貨投資に積極的なわけではないことを示した。ゴールドマンサックスのストラテジストであるティモシー・モー氏は、ヘッジファンドやロングポジションのみを対象とした投資ファンドのCIO(Chief Investment Officer)25人に対してアンケートを行い、多くの回答者がグロース型やバリュー型の投資を好んでいることを明らかにしたという。その中でもビットコインは不確実性が高いことなどから敬遠され、最も不人気な投資対象として選ばれているようだ。しかしながら全体としては仮想通貨ファンドの運用資産残高(AUM)は増しており、仮想通貨市場へのアクセスは拡大している。Bloomberg(ブルームバーグ)のアナリストであるマイク・マッグローン氏は、ビットコイン価格が10万ドルに到達する可能性があると予想しているが、今後も仮想通貨市場の展開に注目していきたい。
作成日
:2021.06.09
最終更新
:2022.04.20
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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