Select Language

エルサルバドル、法定通貨としてビットコインを採用する可能性

エルサルバドル、法定通貨としてビットコインを採用する可能性

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.04.20 12:27
エルサルバドル、法定通貨としてビットコインを採用する可能性

update 2022.04.20 12:27

近日中に法案が議会に提出される見通し

中南米の小国であるエルサルバドル共和国【以下、エルサルバドルと称す】のナジブ・ブケレ大統領は、ビットコイン(Bitcoin)を国の法定通貨として定める法案が近日中に議会に提出される見通しであることを明らかにした。[1]

6月5日、米マイアミで開催された「Bitcoin 2021 Conference」でブケレ大統領は、ビットコインを法定通貨として採用する方針だと発表し、それが金融包摂を拡大する可能性があるとの考えを示した。ブケレ大統領によると、エルサルバドルにおける人口の70%が銀行口座を持たず、非公式経済(Informal Economy)に組み込まれており、ビットコインを採用して金融包摂を拡大することが同国経済を成長させる手段になり得るという。また、ブケレ大統領はビットコインの活用が送金コストの削減につながると指摘し、具体的に100万人以上の低所得世帯が受け取る金額が年間数十億ドル増加すると言及している。

今年3月にエルサルバドルでモバイル決済アプリをローンチしたStrikeは、この法案を歓迎しており、ビットコイン活用に向けて引き続き協力していくと述べた。加えて、Strikeの創設者兼CEOであるジャック・マラーズ氏は、法定通貨としてネイティブな仮想通貨(暗号資産)を利用することで、エルサルバドルは世界で最も安全かつ効率的でグローバルに統合されたオープンな支払いネットワークを提供できるとコメントした。

これに関して仮想通貨関連企業Avantiの創設者兼CEOであるケイトリン・ロング氏は、米国会計基準(USGAAP)や国際会計基準(IFRS)の下で、ビットコインが現金として処理できるようになることで、会計上の問題が解消されると主張しているようだ。[2]一方、日本の仮想通貨関連企業であるbitFlyer Blockchainで代表取締役を務める加納裕三氏は、エルサルバドルがビットコインを法定通貨とすることで、同仮想通貨が外為法の外国通貨に該当する可能性が出てくるとの懸念を表明している。[3]

先月17日、ビットコイン価格は過去1ヶ月間で約30%減となる水準にまで下落するなど、ボラティリティが拡大してきているが、法定通貨としての役割を果たすことができるのか、今後もエルサルバドルでの展開に注目していきたい。

release date 2021.06.08

ニュースコメント

comment

インフレの深刻化で中南米地域の仮想通貨市場が拡大


中南米地域では法定通貨のインフレ問題が深刻化しており、仮想通貨の需要が高まっている状況だ。ハイパーインフレに見舞われるベネズエラでは独自仮想通貨のペトロ(Petro)が導入され、ニコラス・マドゥロ大統領がペトロでの国際線フライト燃料購入を義務化する方針を示している。一方で、国内資金はイーサリアム(Ethereum)やダッシュ(Dash)を始めとする主要な仮想通貨へと流れているようだ。同じくアルゼンチンやブラジル、メキシコ、コロンビアなどでもビットコインが米ドルや金に代わる資産として利用されており、同仮想通貨のトランザクションや取引量が増加しているという。デジタル人民元の発行に向けて中国人民銀行が規制強化を実施するなど、世界では中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency, CBDC)を受け入れるための準備が進められているが、これら国家はどのような対応を見せるのか、今後もその動向を見守っていきたい。


Date

作成日

2021.06.08

Update

最終更新

2022.04.20

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

Vantage Tradingで出金拒否やトラブルが多発中?SNSで報告相次ぐ原因とは

Vantageで原因不明の出金拒否が、多数発生している声を取り上げていきます。Vantageで出金拒否が発生する理由や実際にVantageへ問い合わせた際の回答などもあわせて紹介していきます。
update2025.05.16 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30

初めてのバックテストでも安心!MT5ストラテジーテスターの使い方ガイド

MT5のストラテジーテスターでは、バックテストによりEAのパフォーマンスを確認できます。バックテストの開始手順や注意点を解説します。
update2025.06.17 19:00

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.12 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル