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ハッカー集団アノニマスを名乗る人物がイーロン・マスク氏を批判

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update 2022.04.20 12:27
ハッカー集団アノニマスを名乗る人物がイーロン・マスク氏を批判

update 2022.04.20 12:27

YouTube上でマスク氏に向けたメッセージ動画が公開される

ハッカー集団として知られるアノニマス(Anonymous)のメンバーを名乗る人物が、電気自動車メーカーのテスラ(Tesla)でCEOを務めるイーロン・マスク氏を批判するメッセージ動画をYouTube(ユーチューブ)上で公開した。[1]

この人物は、テスラが電気自動車の販売ではなくクリーンエネルギー関連の政府補助金から収益の大部分をあげていることが周知されつつあると説明し、同社およびマスク氏の行いを批判している。また、この人物はマスク氏がビットコインの環境負荷に言及したことが、テスラの政府補助金を守るための行動だったと指摘した。マスク氏は北米マイニング事業者のBitcoin Mining Council設立にも関与しており、再生可能エネルギーの利用を推進することを口実に業界を掌握する動きに出ているという。

加えてこの動画では、マスク氏がSNS上での影響力を悪用していると批判しており、同氏のツイートがビットコイン価格の急落を誘発して個人投資家の富を奪ったと論じている。実際に先月13日、マスク氏がテスラによるビットコインの決済利用を停止するとツイートしたことを受け、ビットコイン価格は3万ドル付近にまで暴落した。

この動画に反応してか、マスク氏は「憎む者を殺さず、愛する者を救え」と意味深なツイートを投稿[2]しているが、これが仮想通貨(暗号資産)市場にどのような影響を及ぼすのか、今後も同氏の動向を見守っていきたい。

release date 2021.06.08

ニュースコメント

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政治的な影響力を拡大するアノニマス


2003年頃にインターネット上に登場したアノニマスは、自らをハクティビスト(ハッキングと積極行動主義者を合わせた造語)と称して様々な活動を行ってきた。アノニマスは2008年に米新興宗教団体にDDoS攻撃(複数のコンピューターから標的のサーバーに大量の処理負荷を与えることでサービス停止状態へ追い込む手法)を仕掛けたことで一躍有名になり、最近では世界的なハッキング集団として認知されるようになった。近年、アノニマスはインターネット規制を課したオーストラリア政府や、核実験を実施した疑いのある北朝鮮政府、違法ダウンロードの刑事罰化を決定した日本政府にサイバー攻撃を行うなど、世界各国で政治的な影響力を持ち始めているという。これまでアノニマスは仮想通貨市場で表立った活動を行ってこなかったが、今回、マスク氏に向けたメッセージ動画を公開したことがどのような意味を持つのか、今後も同グループの動きに注目していきたい。


Date

作成日

2021.06.08

Update

最終更新

2022.04.20

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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