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イーロン・マスク氏、ビットコインが抱える環境負荷の問題に改善案を示す

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update 2022.04.20 12:27
イーロン・マスク氏、ビットコインが抱える環境負荷の問題に改善案を示す

update 2022.04.20 12:27

マイニング事業者の再生可能エネルギー利用を監査することで解決可能と発言

5月20日、米電気自動車メーカーのテスラ(Tesla)でCEOを務めるイーロン・マスク氏が、ビットコイン(Bitcoin)が抱える環境負荷の問題に対し、マイニング事業者の再生可能エネルギー利用を監査すれば、懸念を緩和することができるとの見解を示した。

先日、マスク氏は環境への配慮からテスラのビットコイン決済の受付を停止すると伝えた。しかし、ARK Investmentのリサーチディレクターであるブレット・ウィントン氏にマイニング事業者が太陽光を始めとする再生可能エネルギーの利用を促進する可能性があると指摘されるなど、ツイッター(Twitter)上で反論を受けていた。これに対してマスク氏は、再生可能エネルギーが使用されたならビットコインマイニングのエネルギー消費が極端に伸びなかった可能性があると前置きした上で、マイニング事業者上位10社の監査済みの統計を公開することでこの問題は容易に解決できると回答している。 [1]また、マスク氏は仮想通貨(暗号資産)のトランザクションあたりの電力消費量が0.1キロワット時(kWh)以下が望ましいと述べ、ブロックチェーンの電力効率も重視する必要があることを示唆した。

このマスク氏の発言は仮想通貨市場で波紋を呼んでおり、クリーンかつ持続可能なシステムにシフトすることに対して関心が高まっているようだ。例えば、イーサリアム(Ethereum)はPoS(プルーフ・オブ・ステーク)ベースのETH2.0に移行することで、現行の99.95%以下にまで電力消費を削減することが可能になると公表している。この比較はあくまでも試算だが、イーサリアムマイニングにおける年間消費電力はイラクや香港を上回る規模に達すると考えられるため、PoSを採用することは効果的な選択だと言えるだろう。

最近では、仮想通貨のエネルギー問題に取り組むCrypto Climate Accordが発足されたのに加え、米大手決済企業のSquare(スクエア)によりビットコインの二酸化炭素排出ゼロを目指すBitcoin Clean Energy Investment Initiativeが立ち上げられている。環境負荷の問題改善に向けた様々な動きが見られるだけに、今後も仮想通貨市場での展開に注目していきたい。

release date 2021.05.25

出典元:

  1. Twitter(Elon Musk)

    https://twitter.com/elonmusk/status/1395469597680160768

ニュースコメント

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中国の規制強化で揺れるマイニング業界


仮想通貨市場の拡大に伴い、マイニングによる電力消費が世界各国で問題視され始めている。特に安価な電力供給が可能な中国や中央アジア、中東諸国などにはマイニング事業者が押し寄せており、地域における電力の需給バランスに大きな歪みを与えているという。このような状況下で、中国の内モンゴル自治区が仮想通貨マイニングを禁止するなど、半ば強制的にマイニング事業者を排除する動きも生じているようだ。これに続き、中国では中央政府が仮想通貨利用の全面的な禁止を検討しており、その影響がマイニング事業者にも波及することが予想されている。ビットコインネットワークにおけるハッシュレートの約65%が中国内で生成されていることを考慮すると、中国政府の規制強化はマイニング業界にとって由々しき事態だと言えるだろう。最近、ビットコインは一時的に3万ドル付近にまで下落しており、マイニング事業の収益低下が懸念されているが、業界はどのように変化していくのか、今後もその動向を見守っていきたい。


Date

作成日

2021.05.25

Update

最終更新

2022.04.20

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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