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FRB、デジタルドル発行の前提条件を概説する文書を公開

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update 2021.08.31 15:31
FRB、デジタルドル発行の前提条件を概説する文書を公開

update 2021.08.31 15:31

国民の幅広い意見を取り入れて最適解を模索

2月24日、連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board)【以下、FRBと称す】が、米中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】であるデジタルドルの基本的な前提条件を概説する文書を公開した。

この文書の中で、FRBのシニアカウンセルであるJess Cheng氏およびペイメントスペシャリストであるAngela N. Lawson氏、テクノロジーラボマネージャーであるPaul Wong氏は、デジタルドルの議論について国民を広く関与させる必要があると述べた。具体的にFRBはデジタルドルのプライバシー問題や利便性、セキュリティ、発行メカニズムなどに関する意見を求めており、より多くの人々が議論に参加することを望んでいるという。FRBは消費者やコミュニティ組織、業界団体と接触し、デジタルドルの設計を検討することを前提としているようだ。

デジタルドルは、24時間利用可能な即時決済や安全な送金を様々な条件下でサポートすることを期待されているという。これらを実現するために、FRBはデジタルドルが何に利用されるかを明確にする必要があると考えており、異なる年齢や地理的要因、習慣、金融リテラシーを持つエンドユーザーのフィードバックを検証する必要があると言及している。また、FRBはお金とデータの密接な関係が物理的な紙幣と対照的だと述べ、特定の人物と金融取引の履歴を紐付ける情報の取り扱いが重要になると主張した。

FRB議長のJerome Powell氏は、当局が汎用的なCBDCを発行しなければならないと考えており、下院の金融サービス委員会(House Financial Services Committee, FSC)で議会の法的承認が不可欠だと語った。これに対して米財務長官のJanet Yellen氏は、決済システムにデジタルドルを採用することが理にかなっていると言及し、Powell氏に賛同する姿勢を見せている。現時点で、デジタルドルがブロックチェーンベースの仮想通貨として発行されるかは未定となっているものの、FRBがプロジェクトを一元管理して最適解を模索する見通しだ。

Powell氏は、2021年がデジタルドルに関する協議を進める上で重要な年になると発言しているが、米国におけるCBDC開発はどのような展開を見せるのか、今後もその動向を見守っていきたい。

release date 2021.03.01

出典元:

ニュースコメント

デジタルドル発行に向けて前進する米国

中国がデジタル人民元の開発を加速させていることを受け、米国では景気刺激法案の一環で米下院がデジタルドルの発行が検討されるなど、CBDC導入に向けた議論が活発になってきているようだ。その中で、フィラデルフィア連邦準備銀行はCBDCにより商業銀行が不要になる可能性を危惧しており、最終的にFRBが商業銀行の役割を奪う可能性があると警告している。中央銀行と商業銀行の関係性が成立しなくなれば、安定性をもたらしてきた二層構造の金融システムが崩壊し、社会の根幹を揺るがす事態に繋がりかねないという。このような問題に対して、民間企業がデジタルドル口座を管理する方式が採用される可能性も出てきている。最近では大手オンライン決済サービスのペイパルがCBDC対応の仮想通貨ウォレットに関するビジョンを共有するなど、民間企業のデジタルドルに対する関心も高まってきているだけに、今後も米国での展開に注目していきたい。


Date

作成日

2021.03.01

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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