作成日
:2021.02.15
2021.08.31 15:31
大手オンライン決済サービスのPaypal Holdings Inc.(本社:2211 North First Street San Jose, California 95131
)【以下、ペイパルと称す】が、中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】に対応する仮想通貨ウォレットに関するビジョンを共有した。今月11日、ペイパルのCEOであるDan Schulman氏は、同社が将来的に中央銀行や政府を補完する形でCBDCを配布する役割を担う可能性があると述べた。更にSchulman氏は、これがシステムを再定義する数十年に一度の機会であり、ペイパルがその変革をサポートするチャンスであると言及している。また、Schulman氏はペイパルが非仮想通貨のトークン化とスマートコントラクトの活用を検討していることも明らかにした。
ペイパルは昨年末に仮想通貨関連サービスを開始したばかりだが、今年に入ってからペイパルは仮想通貨の日間取引量が急増するなど、好調を維持しているようだ。発表によると、ペイパルの仮想通貨関連サービスを利用する米国ユーザーの内、40%以上がリピーターとなっており、結果的に週間取引量が12%増加しているという。
今回、ペイパルは数カ月以内に仮想通貨関連サービスを英国に展開することに加え、仮想通貨を用いた資金調達サービスや、同社のモバイル決済サービスであるVenmoの仮想通貨製品をローンチすると伝えた。ペイパルは仮想通貨市場で事業を拡大していく方針を示しているが、今後も同社の取り組みに注目していきたい。
release date 2021.02.15
中国ではPBoCがCBDCのテスト実施に向けて20社以上の企業と提携するなど、官民一体となった動きが加速している。このパートナーシップには中国4大商業銀行に加え、アリペイ(Alipay)やWeChatなどの決済アプリを提供する大手テクノロジー企業なども含まれており、それぞれがデジタル人民元に対応した仮想通貨ウォレットの開発を進めているという。実際に、中国建設銀行がCBDC向けの仮想通貨ウォレットを秘密裏に実装したことが報道されるなど、中国では銀行口座と連動してデジタル人民元のトランザクションを完結するためのシステムが完成に近づいているようだ。米国が中国と同様の方式でデジタルドルの運用を決定した場合、ペイパルを始めとする民間企業がエンドユーザーにサービスを提供することが期待されるが、最終的に米政府はどのような判断を下すのか、今後も同国におけるCBDC開発の行方を見守っていきたい。
作成日
:2021.02.15
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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