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作成日
：2020.09.01
中国4大商業銀行のひとつである中国建設銀行（China Construction Bank）【以下、CCBと称す】が、中央銀行発行の独自デジタル通貨（Central Bank Digital Currency）【以下、CBDCと称す】向けの仮想通貨ウォレットを同行のモバイルアプリに秘密裏に実装していたことが明らかになった。
8月29日の正午頃、CCBのユーザーが同行のモバイルアプリ上でCBDC向けの仮想通貨ウォレットが利用可能になっていることを報告した。それによると、ユーザーは検索画面からCBDCの仮想通貨ウォレットサービスに移動し、CCBの銀行口座に紐づいた携帯電話番号を登録してアクティベーションを完了することができたという。一部ユーザーはこの仮想通貨ウォレットを自身の銀行口座に接続しており、少額のトランザクションを実行することに成功したようだ。
現在、CCBはこの機能を無効にしており、検索結果には「この機能は利用できません、お待ちください」との文言を表示させている。しかしながらこれにより、CCBが中国人民銀行（People's Bank of China）が主導するCBDCであるデジタル人民元またはDCEP（Digital Currency/Electronic Payment）の採用に取り組み、特定のウォレットIDをユーザーに振り分けるシステムを構築している事実が明白になった。
最近、中国人民銀行はCBDCのテスト実施に向けて20社以上の企業と連携しており、大手配車サービスのDiDi Chuxingや、テンセント（Tencent）が支援する食品配達のスタートアップ企業であるMeituan Dianpingなどとも協業関係を構築している。最終的にデジタル人民元の仮想通貨ウォレットがどのような形でリリースされるかは明らかではないが、今後も中国政府の動向を見守っていきたい。
release date 2020.09.01
