Select Language

フィラデルフィア連邦準備銀行、CBDCが金融システムに与える影響を警告

フィラデルフィア連邦準備銀行、CBDCが金融システムに与える影響を警告

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:32
フィラデルフィア連邦準備銀行、CBDCが金融システムに与える影響を警告

update 2021.08.31 15:32

金融システムの変化で商業銀行が不要になる可能性

フィラデルフィア連邦準備銀行(Federal Reserve Bank of Philadelphia)は、中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】が既存の銀行システムに与える影響に関して警告し、最終的に商業銀行が不要になる可能性があると指摘した。[1]

先日、フィラデルフィア連邦準備銀行は「Central Bank Digital Currency: Central Banking for All?」と題した報告書を発行しており、CBDCが商業銀行に与える影響を調査した結果を公開した。その中で同行はCBDCがお金と銀行の歴史に変革をもたらし、中央銀行を全ての人々に開かれたものにする可能性があると主張している。CBDC発行に伴ってFRB(Federal Reserve Board)が一般大衆の預金口座を開設するフレームワークを採用した場合、人々は中央銀行に資金を保持することができるようになり、それが銀行システム全体の構造を変えてしまうという。

中央銀行が預金サービスを提供することは可能だが、商業銀行との関係性の維持にはメリットがある。現在、FRBは商業銀行に間接的に投資を行っている状態のため、これらの銀行が危機に陥った際に直接的な被害を免れることが可能で、少なくとも商業銀行より先に機能しなくなるのを回避することができる。また、この二層構造の銀行システムは人々の預金が信用の高い中央銀行に集中することを防いでおり、結果的に商業銀行を守る役割も果たしている。

これまでイングランド銀行(Bank of England)の元総裁がCBDCに関する懸念を表明したのに加え、日本銀行の雨宮正佳副総裁もCBDCが日本にとってメリットになり得ないとの考えを示した。中国では既に中国農業銀行がCBDCのテストアプリを開発しているようだが、各国政府はこの動きにどう対応するのか、今後の展開を見守っていきたい。

release date 2020.06.09

出典元:

ニュースコメント

低金利政策で銀行口座の必要性が低下

現在、米国政府は新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で落ち込んだ経済を立て直すために低金利政策を採用しており、政策金利を0.25%にまで引き下げている。同じくイングランド銀行もマイナス金利を導入することを検討しているが、グローバルブロックチェーン専門家であるMassimo Buonomo氏は利息の減少が銀行口座の必要性を低下させていると言及した。また、Buonomo氏はCBDCが銀行口座を完全に排除する可能性があると指摘しており、中央銀行が国民にCBDCを直接的に発行する一層モデルは社会保障制度のような形で実現可能であるのと同時に、最も必要な人々に通貨を分配することができるという。実際に米国ではコインベースがUSDCリワードを開始するなど、米ドル預金による利息収入を代替するような仮想通貨関連サービスが誕生しているが、最終的に米政府はどのような決断を下すのか、今後も同国での動きに注目していきたい。


Date

作成日

2020.06.09

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

PayPayを使って海外FXとの入出金が可能に?Binance JapanとPayPayが提携を発表

Binance JapanとPayPayが業務提携を発表し、PayPayマネーを使った仮想通貨購入サービスの提供などが検討されています。本記事では、Binance JapanとPayPayの提携内容や、PayPayを使った海外FXとの入出金フローなどを解説します。
update2025.10.17 19:00

メタマスク等の利用が規制対象に?金融庁がDEXの規制を議論

暗号資産WGでの議論を発端に、SNS上で「DEX利用が非合法化されるのでは?」といった投稿が話題になっています。本記事では、金融庁で議論されたDEX規制の現状や、SNSで広まる情報の真偽、海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.10.28 19:00

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Wiseでの海外FX入出金をおすすめできない理由とは?アカウント閉鎖の可能性も

海外FXユーザーの間で、Wiseを利用した送金が話題になっています。しかし、Wiseでの入出金はリスクが高いためおすすめできません。この記事ではその理由を説明します。
update2025.09.08 19:00

Exnessで10月に2度もサーバーダウン!?SL設定のユーザーは損失補填

海外FX業者のExnessで、10月に2度のサーバーダウンが発生しています。一連のトラブルが原因で、損失を被ったユーザーも少なくないようです。本記事では、報告されている不具合やExnessが実施した補償などについて説明します。
update2025.10.30 19:30

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

SwiftTraderが資金難?SNSで出金トラブル報告が増加

2025年以降、SwiftTraderで出金拒否・遅延の報告がSNSで相次いでいます。本記事では報告されている出金トラブルのほか、GEMFOREXとの類似点やSwiftTraderをおすすめしない理由を説明します。
update2025.10.16 19:30

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル