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中国でOTC事業者や仮想通貨トレーダーの銀行口座凍結が相次ぐ

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update 2021.08.31 15:32
中国でOTC事業者や仮想通貨トレーダーの銀行口座凍結が相次ぐ

update 2021.08.31 15:32

警察機関がマネーロンダリングなどの違法行為の取り締まりを強化

今月4日以降、マネーロンダリングを含む違法な仮想通貨取引に関与した可能性があるとして、中国の警察機関がOTC(店頭取引)事業者およびそのクライアントである仮想通貨トレーダーの銀行口座を凍結していることが明らかになった。[1]

中国の仮想通貨ウォレット企業であるBixinの元従業員でOTCデスクを運営するSun Xiaoxiao氏は、Weiboへの投稿で彼の銀行口座が凍結されたことを報告した。この銀行口座の凍結は個人の問題ではなく、数千人に影響が及んでいる可能性があるようだ。今回、中国でOTCデスクが違法行為で調査対象となった事実は、海外に銀行口座を持たない国内の仮想通貨ユーザーにとっては死活問題となり得る。現時点で中国の警察機関がどの範囲で銀行口座を凍結したのかは定かではないが、Sun氏によると、インターネット詐欺やポンジスキーム、カジノ事業などに関与した者が対象になっているという。

また、Sun氏は中国で個人の銀行口座が凍結されることは珍しいと言及した。しかしながら中国では過去に、仮想通貨を中国元に両替しようとした人物がマネーロンダリングの疑いで銀行口座を凍結されたのに加え、あるOTC事業者が犯罪に利用された可能性がある仮想通貨を保有するとして同様の措置を受けている。現在、中国では国内資産をビットコイン(Bitcoin)やステーブルコインのテザー(Tether)に両替し、リスクを回避する流れが生じているという。そのため警察機関も監視を強めており、オンチェーン分析などを駆使してブロックチェーン上の資産を追跡しているようだ。

2017年9月に中国人民銀行がICO禁止を公式に発表して以降、中国では仮想通貨取引所を介した法定通貨の入出金が不可能となっており、OTC事業者によるP2P(ピア・ツー・ピア)取引が仮想通貨市場にアクセスする唯一の手段である。今回、口座凍結の被害にあった個人が銀行口座の凍結を解くことは難しいと考えられるが、国内の仮想通貨コミュニティはどのような反応を示すのか、今後も同国での展開に注目していきたい。

release date 2020.06.10

出典元:

ニュースコメント

CBDC発行に突き進む中国政府

近年、中国政府は仮想通貨市場の覇権を握るために、中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】の研究開発を急ピッチで進めており、既に複数の都市でトライアルを実施する段階にまで漕ぎ着けている。先日も中国政府は地方自治体職員にCBDCを配布することを決定し、その試みを加速させている様子がうかがえる。しかしながらCBDC発行に関しては未知数の部分も多く、日銀副総裁はCBDCが日本のメリットになり得ないとの考えを示している。日本だけでなく米国政府もCBDCに対して極めて慎重な姿勢を見せており、その効果や既存の金融システムに与える影響などを検証するだけに留まっている状況だ。実際にフィラデルフィア連邦準備銀行はCBDCにより商業銀行が不要になる可能性があるとの警告を発している。それにも関わらず中国政府はCBDC発行に突き進んでいるようだが、これがどのような結果を招くのか、今後も当局の動向を見守っていきたい。


Date

作成日

2020.06.10

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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