作成日
:2021.02.26
2022.03.25 10:11
オンライン決済サービス会社であるペイセーフグループ(本社:25 Canada Square 27th Floor London United Kingdom E14 5LQ
)【以下、ペイセーフと称す】が運営する仮想通貨ウォレットのSkrillは、顧客からの預かり資産をユーザーが指定したウォレットアドレスに直接出金することができる機能を追加したことを発表した。これにより、ユーザーはSkrillの口座上で「仮想通貨ウォレット(Crypto Wallet)」を選択し、出金金額とビットコイン(Bitcoin)もしくはイーサリアム(Ethereum)のいずれかのウォレットアドレスを入力することで、法定通貨を仮想通貨に変換した上で即座に出金できるようになるという。欧州経済地域(European Economic Area, EEA)を拠点とする顧客は、既に新機能を利用することが可能だ。Skrillは英国で同様のサービスを開始する他、今後も出金機能オプションを拡充する計画である。
新機能の実装に際し、SkrillおよびNETELLER、Income AccessのCEOを務めるLorenzo Pellegrino氏は以下のようにコメントしている。
より多くの人々が長期投資目的で仮想通貨を購入すると共に、テスラ(Tesla)のような機関投資家も市場に参入することで、ビットコイン価格は史上最高値圏で推移しております。我が社のお客様は、法定通貨と仮想通貨の双方を用いてサービスを利用することができます。新たな出金機能を活用することで、ユーザーは迅速且つ容易に法定通貨建ての資産を指定のウォレットアドレスへ移管し、時間と手数料を節約できるでしょう。
Lorenzo Pellegrino, CEO of Skrill and NETELLER, Income Access at Paysafe - Paysafe Groupより引用
現状、Skrillは約40種類の法定通貨をサポートしており、クレジットカードや銀行振込による入金に対応している。これにより、ユーザーは米ドルや英ポンド、ユーロを利用し、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)やライトコイン(Litecoin)、イオス(EOS)、テゾス(Tezos)、ゼロエックス(0x)といった仮想通貨に変換することができる。
Skrillは新たな出金機能を実装し、利便性の向上に繋げることで、更なる顧客基盤の拡大が期待できそうだ。
release date 2021.02.26
2001年に創業したSkrillは、法人及び個人を対象としたグローバル決済ソリューションを提供している。同社が活用するペイセーフのプラットフォームは、リアルタイムの分析に加え、実店舗とオンライン決済の融合、モバイルを活用したトランザクションの提供を目指しており、年間の取扱高は900億ドル以上に上るという。迅速・安全・シンプルな決済サービスの提供を目指すSkrillは、仮想通貨市場へ早期に参入したアーリーアダプター(初期採用層)であり、競合他社に先駆けて仮想通貨を用いたソリューションの提供を試みている。例えば、Skrillは仮想通貨間の両替を可能とする機能を実装した他、同グループでデジタルウォレットサービスを提供するNETELLERは仮想通貨の売買サービスを開始している。他方で、仮想通貨市場の拡大に伴い、複数の海外FXブローカーが同仮想通貨を用いたサービスの提供を強化している。例えば、Fullerton Marketsが仮想通貨による入出金オプションを追加している。Skrillを始めとする多くの金融サービスプロバイダーが、市場で注目が高まっている仮想通貨を用いた画期的なソリューションを提供することに今後も期待したい。
作成日
:2021.02.26
最終更新
:2022.03.25
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
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