作成日
:2021.02.10
2021.08.31 15:31
2月8日、電気自動車メーカーのテスラ(Tesla)が15億ドル相当のビットコイン(Bitcoin)を購入したことを受け、同仮想通貨価格が過去24時間で20%以上の上昇を見せて4万7,000ドルを突破した。
今回、ビットコイン(BTC/USD)価格は約1カ月前の最高値を大幅に更新する形で4万7,053ドルを記録し、年初来で67%増となる水準に到達した。その後、同仮想通貨価格は4万4,000ドル付近にまで押し下げられているが、依然として10時間および50時間移動平均線を上回っており、強気な値動きを示しているようだ。これに関してFairlead StrategiesのアナリストであるKatie Stockton氏は、短期的にボラティリティが拡大して下振れするリスクがあるものの、長期的にビットコイン価格が健全な上昇トレンドの中にあると言及した。
eToroのGuy Hirsch氏は、テスラによるビットコインの購入は予想できる出来事だったと述べた上で、より多くの企業が同様の動きに出た場合、同仮想通貨価格が今後数カ月で5万ドルに到達する可能性があると主張している。加えて、LMAX DigitalのJoel Kruger氏は、仮想通貨の普及が始まったばかりだと前置きし、テスラのビットコイン購入が仮想通貨市場の更なる拡大につながると説明した。実際に最近ではインフレ対策でビットコインに投資したMicroStrategyを始めとする機関投資家が仮想通貨市場に関心を示しており、潜在的なリスクヘッジ手段として同仮想通貨を買い求めているという。
昨年末にペイパルが仮想通貨関連サービスを開始したのに続き、テスラも将来的に仮想通貨による支払いを受け入れる意思があることを示した。今年に入ってから新しいバージョンのビットコインコアがリリースされるなど、ビットコインは技術的にも進歩を遂げているだけに、今後も同仮想通貨の躍進に期待したい。
release date 2021.02.10
ブロックチェーン分析企業のGlassnodeによると、発行されたビットコインの内、78%以上が失われている、またはウォレットに取り残されており、現時点で仮想通貨市場に流通する同通貨量は400万BTCを下回っているという。加えて、仮想通貨市場ではクジラと呼ばれる大口の投資家がビットコインを買い占め、同仮想通貨の供給不足を招いているようだ。特に2021年以降は、1,000BTC以上を保有するウォレットアドレスが211件増加しており、仮想通貨市場での影響力を強めているという。結果的に、今年に入ってからの日間取引量の急増と相まって、ビットコイン価格の上昇を後押ししている状況だ。このまま機関投資家の仮想通貨市場参入が継続すれば、供給不足を背景にビットコイン価格の上昇も長期化する可能性があると言えるが、これら大口の投資家たちはどのような動きに出るのか、今後もその動向を見守っていきたい。
作成日
:2021.02.10
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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