作成日
:2021.01.18
2021.08.31 15:31
ビットコイン(Bitcoin)向けのクライアントソフトであるビットコインコア(Bitcoin Core)の新しいバージョンが公開され、同仮想通貨にいくつかの変更が施されたことが明らかになった。
ビットコインはTaprootと呼ばれる大型アップデートを控えており、シュノア署名を用いたより複雑なスマートコントラクトの実装を予定している。今回、ビットコインのテストネットワークであるシグネット(Signet)でTaprootが公開され、今年後半のローンチに向けて開発者がその機能をテストすることが可能になったという。昨年10月、ビットコインコアにTaprootのコンセンサスルールが統合されたが、その内容も微調整されているようだ。
これまで、ビットコインコアは取引手数料を決定する際、見積り機能に依存していたが、新しいバージョンでは、ビットコインの最小単位であるサトシ(Satoshi)を用いて手動で手数料を設定することができるようになったという。一方、ビットコインコアはプライバシー機能も強化しており、匿名化ネットワークのTorを経由してアクセスを確立する、TorブラウザのTor V3アドレスをサポートすることを実現した。結果的に、ビットコインノードを相互接続するためのメッセージデータを保護することが可能となっている。加えて、ビットコインコアはライトクライアント(完全な台帳を有せずに必要に応じてデータを参照するノード)向けの新しいブロックフィルタリングシステムも導入しており、プライバシーを保ちながらデータ転送を行うプロセスを確立した。
その他、ビットコインコアはマルチシグトランザクションに対応するウォレットのサポートや、データベース接続プロセスの最適化、新しいダッシュボードの構築なども行っている。ビットコイン価格は年初から高騰し、注目を集めているが、このビットコインコアのリリースに投資家はどのような反応を示すのか、今後も仮想通貨市場での展開を見守っていきたい。
release date 2021.01.18
ビットコインは「人々のお金(People's money)」というコンセプトの下、開発活動を継続しており、よりスケーラブルでセキュアなシステムの構築を試みているという。過去にブロックチェーンの拡張性を高めるため、ビットコインはハードフォークを実施するなど、大規模なシステム変更も行っている。その他、ビットコインはライトニングネットワーク(Lightning Network)と呼ばれる、オフチェーンでのマイクロペイメントなどに対応する機能を実装しており、資金調達に成功したLightning Labsを始めとする企業が既に実用的なソリューションを提供しているようだ。現在、ビットコインの開発者コミュニティでは、Taprootを通じてネットワークの渋滞改善を実現するための議論が進められているようだが、将来的にどのようなアップグレードが施されるのか、今後もビットコインの動きに注目していきたい。
作成日
:2021.01.18
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
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