作成日
:2017.12.27
2021.08.31 15:23
今年11月中旬、ビットコインはSegwit2x(B2X)のハードフォークを中断していたが、その僅か1ヵ月後に再始動することが明らかになった。新たに発表されたSegWit2xのハードフォークは、12月28日にビットコインのブロックが501,451に達した時点で、実行される予定だ。
新しいSegWit2xのハードフォークでは、ブロックサイズの拡張が2MBから4MBに増加されている他、ブロック製造時間が10分から2分半に短縮されるなど、11月の当初の計画時からいくつかの変更がみられている。中でも、ハードフォークにより、ビットコイン保有者にB2Xが付与されるだけではなく、所有数に比例したビットコインを再度受け取ることができる点が大きく変更されている。
なお、仮想通貨取引所であるHitBTCやYoBitはハードフォークをサポートすることを発表しており、既にSegwit2x先物取引が行われている。
一方で、ビットコイン(BTC/USD)は、先週17,000ドルから12,000ドルに暴落した。このような価格の乱高下は投資家の不安を高めるため、ビットコインの今後の動向が予想し辛いようだ。
最近では、ビットコインの真の価値はブロックチェーン自体にあり、キャッシュレス社会の源であるとも言われている。ブロックチェーンは、今後も様々な分野に影響を及ぼす可能性が考えられるが、ビットコインの価格や価値とは本質的な関連はないであろう。
release date 2017.12.27
11月中旬に、大きく話題となっていたSegWit2xの中断は、Segwit2xを構築するのに十分なコンセンサスが得られなかったからだと説明されていたが、コンセンサスが得られなかった原因は、リプレイアタックを防ぐための対策として、リプレイプロテクションが実装されていなかったことにあるようだ。
リプレイアタックとは、ハードフォークによって、1つのブロックチェーンが2つに分裂した後、片方のブロックチェーンで行われた取引データが不正に利用され、攻撃者によって意図的に同額の量の仮想通貨が発生させられ、ブロックチェーンを混乱させる攻撃のことである。例えば、従来のブロックチェーン上で、送金などの取引が行われていた場合、そのデータをコピーし、ハードフォークによって新しく生まれたブロックチェーン上でデータを作りだし、本来の保有者の意思とは関係なく、資産を勝手に動かすことができるのだ。このようなリプレイアタックを防ぐための対策のことをリプレイプロテクションといい、リプレイプロテクションを実装することで、それぞれのブロックチェーンを完全に独立させ、ブロックチェーンの取引データを利用して別のブロックチェーン上の資産を勝手に動かすことをできなくさせる。
11月の時点では、このリプレイプロテクションが実装されず、Segwit2xが実行されようとしていたため、コミュニティ内からのコンセンサスが得られず、中断に至ったのである。今回のSegwit2xのハードフォークについては、リプレイプロテクションを実装した上でハードフォークを行うことが発表されており、また性能も向上するということもあって、歓迎されているようである。
作成日
:2017.12.27
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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